屋根の塗装と葺き替えはどちらがおすすめ?違いを徹底比較!

私たちの大切な住まいを風雨や紫外線から守る屋根は、なくてはならない存在です。しかし、長年の間に少しずつ劣化が進行し、いつかはリフォームが必要になります。屋根のリフォームには、塗装、葺き替え、カバー工法などがあります。

塗装、葺き替え、カバー工法の3つのリフォーム方法にはメリットとデメリットがあるため、どの方法を選ぶべきか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、塗装、葺き替え、カバー工法それぞれの特徴や費用、それぞれのリフォーム方法に適した劣化状況などを詳しく解説します。自宅の屋根に最適なリフォーム方法を選択するための知識を身につけましょう。

目次

屋根塗装・葺き替え・カバー工法の違いとは?

屋根塗装・葺き替え・カバー工法の違いとは?

屋根のリフォームを検討する際、塗装、葺き替え、カバー工法の3つの選択肢があります。それぞれの方法には特徴があり、目的や予算に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。

屋根塗装とは

屋根塗装は、既存の屋根材の上に塗料を塗る方法です。
塗装によって防水性や耐久性を向上させ、外観を美しく保つことができます。ただし、屋根材の劣化が進行している場合は、塗装では対応しきれないこともあります。

葺き替えとは

葺き替えは古い屋根材を完全に取り除き、新しい材料に交換する方法です。
屋根全体を葺き替えで新しくすることで、長期的な耐久性を確保できます。ただし、葺き替えは工事の規模が大きくなるため、費用や工期は他の方法と比べて高くなる傾向があります。

カバー工法とは

カバー工法とは

カバー工法は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねる方法です。
葺き替えに比べて工事の規模が小さく、費用を抑えることができます。また、既存の屋根材を撤去する必要がないため、工期も短くなります。ただしカバー工法を行うと、屋根の高さが上がるため外観が変化することに注意が必要です。

費用・工期を比較

屋根のリフォーム費用と工期は、建物の大きさや使用する材料によって異なります。以下の表は、一般的な目安をまとめたものです。

リフォーム方法費用の目安※1工期の目安
塗装60万円~70万円1週間~10日
葺き替え10,000円〜30,000円2週間~3週間
カバー工法100万円~200万円1週間〜2週間
※1 足場費用含む、延床面積120m2程度の木造総2階建ての場合
※参照 https://suumo.jp/remodel/blog/entry/20220928/004

このように塗装・葺き替え・カバー工法のどのリフォーム方法を選択するかによって、かかる費用の目安が大きく異なります。

ただし、これらの目安はあくまで一般的な例であり、実際の費用や工期は建物の状況や使用する材料、施工業者によって異なります。実際の工期については、塗装業者から見積もりを取り確認するようにしましょう。

屋根塗装のメリット

屋根塗装のメリット

屋根塗装は、比較的低い予算で屋根の見た目を改善し、屋根の保護を向上させたい場合に有力な選択肢です。ここでは、屋根塗装の2つのメリットを見ていきましょう。

工事費用が安い

戸建て住宅の場合、屋根の塗装工事費は10万円前後からと比較的安価です。屋根材の全面張り替えに比べ、コストパフォーマンスに優れています。

工期が短い

塗装工事は準備作業後、実際の施工は1〜2日程度で完了します。張り替え工事に比べ、日常生活への影響が少ないのが利点です。

屋根塗装のデメリット

屋根塗装のデメリット

屋根塗装にはいくつかの利点がありますが、注意すべき点が次の2つあります。

耐用年数が短い

塗装工事で屋根の外観は改善しますが、屋根材の経年劣化は防げません。耐用年数は5年から10年程度しか延びず、頻繁な塗り替えが必要です。

下地の状態によっては不向き

下地に大きな劣化やひび割れ、穴がある場合、塗装を施しても劣化は進行します。大掛かりな下地補修をすると、工事費用が上昇し、コストパフォーマンスが下がる恐れがあります。

屋根葺き替えのメリット

屋根葺き替えのメリット

屋根の葺き替えでは屋根塗装では補いきれない被害や劣化を修理できます。

耐用年数が長い

高品質な化粧スレート葺きで葺き替えを行えば、50年以上の長期にわたって屋根を健全な状態に維持できます。塗装によるメンテナンスは数年おきに必要になるため、葺き替えほどの長期的な安心は得られません。

屋根の状態を根本的に改善できる

屋根の劣化が進行している場合、塗装だけでは一時的な対処に過ぎません。葺き替えを行えば、新品の屋根材を使用できるため、抜本的な改善が可能です。また、屋根の構造を見直し、断熱性能を高めることもできます。

屋根葺き替えのデメリット

屋根葺き替えのデメリット

屋根葺き替えにはメリットが多いのですが、デメリットも無視できません。

塗装に比べ費用相場が高額

葺き替えは塗装に比べ価格が高額です。一般的な住宅で30万円以上の費用が必要となり、戸建て住宅で化粧スレートに葺き替える場合は50万円前後が目安です。高級素材の天然スレートを使用すれば、100万円を超える見積もりになることもあります。

工期が長い

葺き替え工事は1週間以上を要し、工事内容によっては2週間程度かかる場合もあります。工事期間中は外回りの騒音や埃が発生するため、生活環境への影響も少なくありません。

外壁の張替えと同時に行うとさらに工期が長くなる

屋根と外壁の大規模な工事を同時に行う場合、工期がさらに長くなる可能性が高くなります。屋根葺き替えのみの場合は1週間程度ですが、外壁張替えを同時に行うと2週間以上の工期が必要となることがあります。

屋根カバー工法のメリット

屋根カバー工法のメリット

まず、屋根カバー工法のメリットは、既存の屋根材を活かせる点と、工事期間が比較的短い点です。それぞれの利点について解説します。

既存の屋根材を活かせる

屋根カバー工事は、既存の屋根の上に新しい素材を重ねて取り付けるため、元の屋根を活かしながら補強できます。葺き替えと比べて費用を抑えたリフォームが可能で、コストを節約できるのが大きなメリットです。

工事期間が比較的短い

屋根カバー工事は、全面葺き替え工事に比べ非常に短い期間で完了します。解体作業が不要なため、工期が大幅に短縮され、工事に伴う生活環境への影響を最小限に抑えることができます。

屋根カバー工法のデメリット

屋根カバー工法のデメリット

一方で、屋根カバー工法にもデメリットが存在します。耐用年数や重量増加への対応など、長期的な視点から慎重に検討する必要があります。

葺き替えに比べ耐用年数が短い

屋根カバー工事の耐用年数は、全面葺き替えに比べてやや短めです。経年劣化でダメージを受けた屋根を使用するため、新品と交換する葺き替えと比べると長持ちしにくいためです。長期的には全面改修が必要になる可能性があり、トータルのメンテナンス費用が高くなる恐れがあります。

屋根の重量が増える

既存の屋根の上に新たな素材を載せることで、全体の重量が増加します。特に古い建物の場合、構造計算を改めて行い、建物の強度を確認する必要があります。適切な対策を怠ると、柱や梁にひびが入ったり、歪みが生じたりする可能性があります。

屋根の劣化状況に合わせた補修方法

屋根の劣化状況に合わせた補修方法

塗装工事、葺き替え工事、カバー工法の3種類のリフォーム方法には、それぞれのメリット・デメリットがあります。適切な方法を選択するには、屋根の状況を見極める必要があります。ここでは、それぞれの工法に適した劣化状況と不適な劣化状況を解説します。

屋根塗装が適する劣化状況

屋根の塗装工事は、表面の劣化がまだ軽い段階で行うのが一番効果的です。例えば、こんな状況だと塗装工事がぴったりです。

  • 塗膜にひび割れや剥がれ、汚れや退色が見られるとき
  • 屋根材自体の劣化が、まだそれほど進んでいないとき

屋根塗装が適さない劣化状況

一方で以下の状況では、塗装工事は適していません。

  • 屋根材に大きなひび割れや亀裂があるとき
  • 下地材が露出していたり、腐食が進んでいたりするとき

つまり、塗装工事は屋根表面の軽いダメージなら適していますが、劣化が進みすぎていると、塗装以外の工事が必要になることがあります。

この場合、屋根材を交換したり補修したりなど、塗装以外の対応が必要になるでしょう。

屋根の葺き替えが適する劣化状況

屋根の葺き替えが適する劣化状況

屋根の葺き替え工事は、屋根材自体の劣化が著しく進行してしまった段階に最も適しています。

具体的には、以下のような状況だと葺き替え工事が適しているといえます。

  • 屋根材の変形や破損が広い範囲に及んでいるとき
  • ひび割れや剥離が、屋根のあちこちに見られるとき
  • これまでの部分的な補修では、根本的な解決ができていないとき

このような状態まで劣化が進行してしまった場合、部分的な修繕では対応しきれず、屋根全体の葺き替えが必要となります。葺き替え工事を行うことで、屋根の防水性や耐久性を長期的に回復できるでしょう。

屋根の葺き替えが適さない劣化状況

以下のような場合は、葺き替え工事が適さないこともあります。

  • 劣化がまだ部分的で軽度なとき
  • 予算が限られており葺き替えの費用を用意できないとき

劣化が部分的で軽度な場合は、屋根全体を交換する葺き替え工事ではなく、部分的な補修や塗装で対応することをおすすめします。例えば、劣化した部分を修繕し、防水塗料を塗ることで、屋根の寿命を延ばすことができます。

一方、予算が限られており、すぐに葺き替えの費用を用意できない場合は、応急処置を施して対応するのが良いでしょう。将来的に予算が確保できた際に本格的な葺き替え工事を行うために、現状できる範囲で屋根のメンテナンスを行うことが大切です。

具体的には、損傷箇所を補修し屋根の清掃や防水処理を施しましょう。そうすることで、葺き替え工事ができない状況でも、ある程度の期間は屋根の機能を維持することができます。

屋根の葺き替えは現状の屋根を新品と交換する工事なので、どうしても費用が高くなります。屋根の劣化具合をしっかり見極めて、本当に必要かどうかを判断することが大切です。

屋根カバー工法が適する劣化状況

屋根カバー工法が適する劣化状況

カバー工法は下地の劣化状況にあまり左右されず、様々な状況に向いています。

こんな状況の時は、カバー工法が適しています。

  • 屋根全体にひび割れや剥がれなどの劣化が見られる場合
  • 下地まで達するような深刻な劣化がある場合
  • 工事の期間を短くしたい場合

屋根カバー工法が適さない劣化状況 

一方、以下のようなケースでは、カバー工法はあまり適していません。

  • 劣化が部分的で、屋根全体を補修する必要がない場合
  • 建物の構造上、重さが増えることに耐えられない可能性がある場合

つまり、カバー工法は、劣化が広範囲に及んでいたり、深刻だったりする場合に、低コストで対処できる頼もしい選択肢の一つです。

ただし、屋根がこれまでよりも重くなるため、既存の屋根の重さに耐えられるかどうかなど、いろいろな要因をしっかり考えて判断することが大切です。

屋根塗装のタイミング

屋根塗装のタイミング

屋根のリフォームを考える際に、塗装と葺き替えのどちらを行うべきか迷う場合があります。屋根の状態によって適切な選択をする必要がありますが、一体どのように判断すればよいのでしょうか。

まず、屋根塗装をすべきタイミングは、屋根へのダメージが比較的軽く、塗料を塗ればまだまだ同じ屋根を使えるときです。ここからは、具体的にはどのようなときに塗装が有効になるのかを紹介します。

色あせが発生したとき

屋根の塗装に向いている最も分かりやすい状況の1つが、色あせに気が付いたときです。日光や雨、その他の環境要因にさらされることで、塗料は時間とともに鮮やかさを失います。屋根の色がくすんだり、色あせたりしている場合は、塗装によって塗料を上塗りすることで見た目の美しさを取り戻せるでしょう。


塗膜が剥がれてきたとき

塗膜が剥がれてきたとき

屋根に注意が必要なもう1つの明らかな兆候は、塗料が剥がれたりはがれたりし始めることです。塗装の剝がれは、経年劣化、気象条件、または前回の塗装の密着不良によって発生する可能性があります。塗装が剥がれると、屋根の外観に影響を与えるだけでなく、下地材料を損傷から保護できなくなります。剥がれやはがれに気づいたら、速やかに屋根を塗装し直して対処することが重要です。


カビやコケが発生したとき

屋根にカビやコケが発生した際も、塗装が必要です。カビやコケは湿気の多い日陰になりやすい場所で繁殖し、屋根の表面全体に急速に広がる可能性があります。見た目が悪いだけでなく、放置すると屋根材に損傷を与える可能性もあります。こういった場合、屋根を塗装することでカビやコケの成長を防ぎ、見た目を改善できます。


前回の塗装から10年が経過したとき

屋根に目に見える摩耗や損傷がない場合でも、一般的に10年ごとに塗り直すことが推奨されています。時間の経過とともに、塗装の保護性能は低下し、屋根が外的要因による損傷を受けやすくなるためです。

また、大きな問題が発生する前に屋根を塗り直すことで、屋根の寿命を延ばし、長年にわたって美しい外観を保てる効果もあります。

屋根の葺き替えのタイミング

屋根の葺き替えのタイミング

続いて、葺き替えをすべきタイミングを紹介します。

屋根に損傷や劣化の兆候が現れた場合、早急に葺き替えを行う必要があります。具体的にどのような損傷が発したときに葺き替えをするべきかを見ていきましょう。

屋根が破損したとき

集中豪雨や落雷、飛来物の衝突など、何らかの要因で屋根材に破損が生じた場合、部分的な補修では根本解決にはならないため、葺き替えが必要になります。

放置すると雨漏りに発展するリスクがあるため、早めに全面的な葺き替えを行うことが不可欠といえます。

屋根のずれが発生したとき

長年の風雨に晒されることで、屋根材に歪みやずれが生じることがあります。ずれの範囲が広範囲に及ぶようであれば、屋根そのものを交換する必要があるため、早期の全面葺き替えを検討する必要があります。

とくに、金属製の屋根は徐々に腐食が進行していきます。見逃していると最悪の場合、穴が開くなどの致命的な損傷を被る可能性もあります。定期的な点検で兆候を見逃さず、適切なタイミングで葺き替えを行うのが賢明といえるでしょう。

雨漏りしたとき

屋内から雨漏りが確認できた場合、屋根の機能が著しく低下していることは言うまでもありません。穴をふさぐなどの一時的な雨漏り対策では問題は解決しないため、できるだけ早期の全面葺き替えが求められます。

雨漏りが発生しているにもかかわらず放置してしまうと、建物の内部にダメージがおよび、構造材の腐食が進行し、最悪の場合は建物が傾いたり沈下したりする恐れがあります。

こうなる前に早急な葺き替えを行う必要があります。

耐用年数を迎えたとき

あらゆる屋根材にはメーカーが定める一定の耐用年数があります。その期間を大きく上回っていれば、突発的な損傷や雨漏りなどが発生するリスクが高まります。計画的な葺き替え時期を検討すべき重要な目安となるでしょう。

これらのサインに気づいた際は、すみやかに専門家に相談し、定期点検を実施することが賢明です。

自宅の屋根に適したリフォーム方法の選び方

自宅の屋根に適したリフォーム方法の選び方

屋根は家を外的環境から守る重要な役割を担っています。そのため、リフォームを検討する際には、慎重に現状を把握し、中長期的な視点から最適な方法を選ぶ必要があります。ここでは、屋根リフォームに関する基礎知識と、賢明な選び方のポイントを詳しく紹介します。

屋根の現状を把握する

リフォームを検討する最初のステップは、屋根の現在の状態を正確に把握することです。専門家に依頼して診断してもらうのが理想的ですが、自分でもある程度の確認ができます。

屋根材の種類と劣化状況の確認

日本の一般住宅で使用されている主な屋根素材には、セメント瓦、化粧スレート、金属系、アスファルトシングルなどがあります。それぞれの素材に応じた劣化の兆候を確認し、定期的なメンテナンスと早期発見により、屋根の寿命を延ばすことが重要です。

雨漏りや屋根破損の有無を確認

雨漏りや屋根破損の有無を確認

屋根を点検する上で最も重要なのは、雨漏りや破損の有無です。屋根裏部分の漏水の形跡や、外観からの破損箇所を確認します。小さな雨漏りや破損でも、放置するとさらに大きな被害につながる恐れがあるため、こまめな点検と適切な補修が欠かせません。

価格相場と希望する耐用年数を考慮する

リフォーム方法を選ぶ上で重要な要素は、予算と希望する屋根の耐用年数です。以下の表は、各リフォーム方法の費用相場と屋根の残り寿命を示しています。

これらの費用相場を参考にしながら、ご家庭の事情に合わせて適切な方法を選びましょう。

リフォーム方法1棟当たりの費用相場屋根の寿命
塗装30万~70万円 ※1変わらない ※2
カバー工法80万~150万円 ※1+20年 ※2
新規の屋根工事100万~170万円 ※1+40年 ※2
※1 https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/remodel/rm_money/roof_reform/
※2 https://yanekabeya.com/price/reform-shurui/

短期的な視点か長期的な視点かを決める

最後に重要なのは、ご家庭の今後の住まいの予定です。数年内に引っ越しを検討しているなら、一時的な部分補修で済ませる短期的な選択が適しています。長期にわたり住み続ける予定があれば、大がかりな全面張り替えや新規の屋根工事を検討する必要があります。

リフォームはご家庭の事情によって最適な選択肢が変わります。短期的なコストだけでなく、中長期的な視点から、塗装・葺き替え・カバー工法の中から最適な方法を選ぶことが重要です。

屋根の劣化状態に合わせた施工をしよう!

屋根の劣化状態に合わせた施工をしよう!

本記事では、屋根のリフォーム方法である塗装、葺き替え、カバー工法について、それぞれの特徴や費用、適した劣化状況などを詳しく解説しました。

塗装・葺き替え・カバー工法には、それぞれのメリット・デメリットがあるので、把握したうえでリフォーム方法を選ぶ必要があります。

また、屋根リフォームを検討する際は、信頼できる優良業者選びが重要です。その際に、おすすめなのがペイプロを活用することです。ペイプロでは優良な業者のみを紹介しています。これらの業者は口コミ評価が高く、自社施工にこだわる地域密着型の会社ばかりです。

ペイプロでは完全無料で相談を受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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