ジョリパット外壁は、高いデザイン性と耐久性を兼ね備えた人気の外壁材です。しかしコストやメンテナンスについて、気になる方もいるでしょう。そこで本記事では、ジョリパット外壁の価格やメリット・デメリットを解説します。メンテナンス方法についても、詳しく紹介します。
ジョリパットとは

ジョリパットとは、アイカ工業が開発した合成樹脂の塗り壁材です。外壁・内壁のデザイン性を高めつつ、耐久性や通気性にも優れています。豊富なカラーバリエーションと独自の質感が特徴です。個性的な外観を求める方に人気があります。
ここでは、以下の3点に分けてジョリパット外壁について詳しく解説します。
- ジョリパットの特徴(質感・デザイン・パターン)
- ジョリパット外壁の耐用年数はどれくらい?
- 他の外壁材(土壁・漆喰・モルタル・サイディング)との違い
ジョリパットの特徴(質感・デザイン・パターン)
ジョリパットの特徴は、独特な質感と多彩なデザイン・パターンです。
特徴 | 詳細 |
質感 | コテやローラーなどの施工方法によって、さまざまな表情を作り出せる (ざらついた質感の「ラフ仕上げ」や滑らかな「フラット仕上げ」など) |
デザイン・パターン | カラーバリエーションが豊富で、好みに合わせて選びやすい 数多くのパターン(※1)から組み合わせて、タイル調や石積み調などをデザインできる (モダンからナチュラルまで幅広いテイストを表現できる) |
ジョリパットは、デザイン性の高い外壁を実現したい場合に適した外壁材です。
ジョリパット外壁の耐用年数はどれくらい?
ジョリパット外壁の耐用年数は、一般的に15~20年程度とされています。耐久性の高い塗り壁材であり、紫外線や雨風による劣化に強いためです。
ただし、メンテナンスを怠ると汚れが目立つことがあります。さらに、ひび割れが起こる可能性もあります。特に立地や気候によっては、劣化が早まるため注意が必要です。
他の外壁材(土壁・漆喰・モルタル・サイディング)との違い
下表に、ジョリパットとサイディング・モルタル・土壁・漆喰との違いをまとめました。
外壁材の種類 | ジョリパットとの違い |
土壁・漆喰 | 自然素材である耐久性が低く、ひび割れがしやすい 色やパターンの種類が少ない |
モルタル | 耐久性は高いものの、ひび割れが発生しやすい (セメントと砂を混ぜた素材であるため) メンテナンスに手間がかかる |
サイディング | 施工が容易でコストを抑えられる (工場で成形されたパネルを貼り付けるため) デザインの自由度が低い継ぎ目が目立ちやすい |
ジョリパットは、モルタル下地の上に塗布する仕上げ材です。モルタルよりも割れにくく、サイディングよりも自由なデザインが可能です。また土壁・漆喰よりも塗膜が柔軟なため、ひび割れしにくいです。外壁の美しさを長期間維持できます。
ジョリパット外壁のメリット

ジョリパット外壁には、以下のメリットがあります。
- デザイン性が高い(豊富なカラーバリエーション)
- 耐久性・耐候性・通気性に優れている
- 人体と環境に優しい
ここでは、ジョリパット外壁のメリットについて詳しく解説します。
デザイン性が高い(豊富なカラーバリエーション)
ジョリパット外壁の最大の魅力は、デザイン性の高さです。一般的な外壁材と異なり、ジョリパットは職人の手作業による塗り仕上げです。さまざまな質感や模様を自由に表現できます。
またカラーバリエーションも豊富です。メーカーの標準色だけでなく、調色も可能です。好みに合わせた色に仕上げることができます。個性的な外観を作りやすく、周囲の建物と差別化しやすい点も大きなメリットです。
機能性(耐久性・耐候性・通気性)に優れている
ジョリパット外壁は、以下の機能性に優れた外壁材です。
- 耐久性:柔軟性のある塗膜を形成するため、一般的な塗り壁材に比べてひび割れしにくい
- 耐候性:紫外線や風雨による色あせや劣化が起こりにくい
- 通気性:内部の湿気を適切に逃がすことで、結露やカビの発生を防ぐ(湿気がこもりやすい地域でも安心して使用できる)
以上のように、ジョリパット外壁は長期間にわたって美観を保ちながら、建物を保護する機能も併せ持っています。
人体と環境に優しい
ジョリパットは、人体や環境に優しい素材を使用した外壁材です。ホルムアルデヒドの放散量が極めて低く、シックハウス症候群のリスクを抑えられます。健康を重視する家庭に適しています(※2)。
また環境への配慮も、ジョリパットの大きなポイントです。透湿性が高く、塗膜が劣化しにくいため、頻繁な再塗装を必要としません。塗料や施工にかかる資源の消費を抑え、エコな住まいづくりに貢献できます。
ジョリパット外壁のデメリット

ジョリパット外壁はデザイン性や耐久性に優れている一方で、以下のデメリットもあります。
- 施工技術により仕上がりが左右される
- 汚れが付きやすい
- 施工費用が高くなる
ここでは、ジョリパット外壁のデメリットについて詳しく解説します。
施工技術により仕上がりが左右される
ジョリパット外壁は、職人の施工技術によって仕上がりに大きな差が出る外壁材です。
- 施工の際にコテやローラーを使って、塗り壁を仕上げなくてはならない
- 職人の技術や経験が不足していると、ムラが出る(希望したデザインにならない)
例えば同じ「ゆず肌仕上げ」でも、熟練した職人が施工すれば均一で美しい表面になります。しかし施工技術が未熟な場合は、仕上がりにバラつきが生じることがあります。施工不良が発生すると耐久性が低下し、ひび割れや剥がれの原因にもなります。
そのためジョリパット外壁を選択する際は、実績が豊富で信頼できる施工業者を選ぶことが非常に重要です。
汚れが付きやすい
ジョリパット外壁は、他の外壁材に比べて汚れが付きやすい傾向があります。
- ジョリパットの表面がザラザラとした質感になりやすいため、ホコリや雨だれが付着しやすい
- 特に白や淡色系のカラーでは汚れが目立ちやすくなる
例えば道路沿いや工場の近くに建つ住宅では、排気ガスのススや砂ぼこりがジョリパット外壁に付着し、定期的な清掃を行わないと黒ずんでしまうことがあります。通気性の高い素材ですが、北側の壁など日当たりが悪い部分ではカビやコケが発生しやすいです。
したがってジョリパットを施工した外壁には、定期的なメンテナンスが必要です。
施工費用が高くなる
ジョリパット外壁は、他の外壁材に比べて施工費用が高くなる傾向があります。職人の手作業による塗り仕上げのため、施工に時間と技術が必要になるからです。
- サイディングのようにパネルを貼る工法に比べて手間がかかる分だけ、人件費が高くなる
- デザイン性の高い仕上げを希望すると、さらに施工費用が高くなります。
ただし耐久性が高く、適切なメンテナンスを行えば長期間美観を保てるため、長い目で見ればコストパフォーマンスは悪くありません。初期費用とメンテナンスコストのバランスを考慮しながら選ぶことが重要です。
ジョリパット外壁の価格(施工費用)

ジョリパット外壁はデザイン性や耐久性に優れていますが、価格(施工費用)はどのくらいかかるのでしょうか?
- ジョリパットの施工費用はどれくらい?
- 他の外壁材とのコスト比較
- コストを抑えるコツ
上記の3点について、詳しく解説します。
ジョリパットの施工費用はどれくらい?
ジョリパットの施工費用は、一般的に1㎡あたり5,000円前後(材料費を含む)が相場です。例えば約100㎡の外壁にジョリパットを施工する場合、トータルの施工費用は50万円前後かかります。
- デザインの種類や塗装の範囲によって、施工費用は変動する
- 特に複雑な模様やこだわりの仕上げ方を希望すると施工に時間と技術が必要になるため、費用が高くなりやすい
- 下地処理や防水工事が必要な場合は、追加費用が発生する
そのため施工前に業者から見積もりを取ったうえで、予算に合ったプランを選ぶことが重要です。
他の外壁材とのコスト比較
下表のとおり、ジョリパット外壁の施工費用は他の外壁材と比較するとやや高めです。
外壁材の種類 | 施工費用の相場(材料費を含む) |
土壁・漆喰 | 1㎡あたり20,000円前後 |
ジョリパット | 1㎡あたり5,000円前後 |
モルタル | 1㎡あたり4,000円前後 |
サイディング | 1㎡あたり3,000円前後 |
以上のように、ジョリパット外壁の施工費用は「サイディング・モルタルよりは高額だが、土壁・漆喰よりは手頃」といった中間的な位置にあります。施工費用とデザイン性のバランスを考慮しながら選ぶことが大切です。
コストを抑えるコツ
ジョリパット外壁の施工費用を抑えるには、以下のコツがあります。
ポイント | 理由 |
複雑なデザインを避ける | シンプルな仕上げ方を選ぶことで、人件費を抑えられる (例えば細かい模様を入れずに単色のフラット仕上げする) |
他のリフォーム工事を同時に行う | 足場代や人件費をまとめることができる (トータルコストを抑えられる) |
相見積もりを取る | 複数の業者から見積もりを取って、比較・検討できる (適正価格で施工できる業者を選ぶ) |
以上のコツを掴んでジョリパット外壁の施工費用を抑えつつ、美しい外壁を実現しましょう。
外壁にジョリパットを施工する際の注意点

ジョリパット外壁を美しく仕上げて長持ちさせるためには、以下の注意点に気をつけてください。
- 信頼できる業者に依頼する
- 丁寧に高圧洗浄をする
- 専用塗料を使用する
ここでは、外壁にジョリパットを施工する際の注意点について詳しく解説します。
信頼できる業者に依頼する
ジョリパット外壁を施工する際には、経験豊富で信頼できる業者に依頼することが最も重要です。ジョリパットの仕上がりは、職人の技術によって大きく左右されるためです。
- 施工前に業者の実績や口コミを確認し、信頼できる業者を選ぶことが大切である
- 適切な業者を選ぶことで、ジョリパット本来の美しさと耐久性を最大限に引き出すことができる
適切な下地処理が行われないと塗りムラが発生したり、耐久性や美観が損なわれたりします。例えばジョリパットの施工実績が少ない業者に依頼すると、塗膜の剥がれや仕上がりの不均一が生じるリスクがあります。
丁寧に高圧洗浄をする
ジョリパットの施工前には、外壁の汚れを高圧洗浄で落とすことが欠かせません。下地に汚れやカビ、ホコリが残った状態で施工すると塗料の密着が悪くなってしまうため、剥がれやひび割れの原因になるためです。
- 施工前に高圧洗浄を行い、下地を清潔な状態に整える必要がある
- 適切な水圧で丁寧に高圧洗浄を行えば、古い塗膜や付着した汚れを除去でき、塗料が均一に定着しやすい
したがって施工前の下準備として丁寧に高圧洗浄を行うことが、ジョリパット外壁を長持ちさせるポイントです。
専用塗料を使用する
ジョリパットを外壁に施工するには、メーカー推奨の専用塗料を使用することが重要です。専用塗料は通常の外壁塗料に比べて密着性や柔軟性が高く、ジョリパット特有の質感や機能性を引き出します。
- アイカ工業が提供するジョリパットフレッシュシリーズは、透湿性や防汚性に優れている
- ジョリパットの持つ独特の風合いを維持しながら長期間美観を保つことが可能である(※3)。
専用塗料を使用しないと色ムラや剥離が発生し、施工後のメンテナンスコストが増えてしまいます。ジョリパット外壁を施工する際は必ず専用塗料を使用し、外壁の耐久性と美しさを長く維持することが大切です。
ジョリパット外壁のメンテナンス方法

ジョリパット外壁を長く美しく保つためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。適切なメンテナンスを行うことで、耐用年数をさらに延ばすことができます。
ここでは以下の3点に分けて、ジョリパット外壁のメンテナンス方法を解説します。
- 汚れの落とし方(デッキブラシ・中性洗剤の使用)
- ひび割れの補修方法
- 再塗装のタイミングと目安
汚れの落とし方(デッキブラシ・中性洗剤の使用)
ジョリパット外壁の汚れには、デッキブラシ・中性洗剤を使うことが効果的です。ジョリパットの表面はざらつきがあるため、ホコリや雨だれ、排気ガスのススが付着しやすく、放置すると外壁の美観が損なわれるだけでなく、カビやコケの発生につながります。
- 軽度の汚れには水をかけながら柔らかいブラシでこすり、頑固な汚れには中性洗剤も使用すると除去しやすい
- ジョリパットの下地には高圧洗浄が必要ですが、施工後の表面に高圧洗浄を使用するとデザイン性を損なってしまう
ひび割れの補修方法
ジョリパット外壁にひび割れが発生した場合は、早めに補修することが重要です。ひび割れの主な原因には、経年劣化や地震、施工時の不具合などが挙げられます。小さなひび割れを放置すると雨水が侵入し、下地の劣化やカビの発生を招くリスクが高まります。
- 幅1mm以下の軽微なひび割れであれば、専用の補修材や弾性塗料で簡単に補修できる
- 幅1mm以上の大きなひび割れがある場合は、補修材を充填した後に再塗装を行う
早めの補修を心がけて外壁の耐久性を維持し、余計な修理費用を抑えましょう。
再塗装のタイミングと目安
ジョリパット外壁の再塗装のタイミングは外壁の状態や気候条件によって異なりますが、以下の状態を再塗装の目安としてください。
- 施工から15~20年程度が経過したとき
- 色あせやひび割れ、汚れの定着が目立ち始めたとき
- 内部に雨水が浸入し始めたとき
- 手で外壁を触った際に白い粉が付着するとき(チョーキング現象)
塗膜が劣化した状態を放置すると外壁の防水性が低下し、補修費用がかさんでしまいます。定期的に外壁の状態をチェックし、適切なタイミングで再塗装を行うことでジョリパット外壁を長持ちさせることができます。
ジョリパット外壁はこんな人におすすめ!

デザイン性と耐久性に優れたジョリパット外壁は、以下の人に人におすすめです。
- デザインにこだわりたい人
- 周辺住居との差別化を図りたい人
- 耐久性とメンテナンスコストのバランスを重視する人
ここでは、ジョリパット外壁をおすすめできる人について詳しく解説します。
デザインにこだわりたい人
ジョリパット外壁は、独自の質感や多彩な仕上げが可能なため、デザインにこだわりたい人におすすめです。
- 「モダンな雰囲気にしたい」「ナチュラルな風合いを出したい」など、希望するテイストに合わせて質感や色を選ぶことができる
- 模様やパターンを組み合わせることで、タイル調や石目調などの個性的なデザインも可能である
塗り壁ならではの自由度の高さがあり、サイディングのように規格化されたデザインではなく、コテやローラーで職人が仕上げるため、オリジナルの表情を作ることができます。
周辺住居との差別化を図りたい人
ジョリパット外壁は、周囲の住宅と差別化したい人にもおすすめです。
- サイディングの住宅が多い地域で、新築やリフォームの住宅にジョリパット外壁を施工すると、スタイリッシュなモダンやヨーロッパ風のクラシカルなテイストを演出することが可能である
- カラーリングを工夫すれば、和風やナチュラルなテイストにも対応できる
カラーバリエーションや仕上げ方法が豊富です。他の住宅と一線を画す外観デザインが可能です。さらに、塗り壁ならではの独特な風合いもアピールできます。
耐久性とメンテナンスコストのバランスを重視する人
ジョリパット外壁は耐久性が高く、適切なメンテナンスを行えば長期間美観を保てます。メンテナンスコストを減らしたい方にも適しています。
- ジョリパットの塗膜は柔軟でひび割れしにくく、耐候性にも優れています。
- 通気性もあるため湿気による内部結露を防ぎ、外壁の劣化を抑える効果も期待できる
ジョリパットは塗膜の寿命が長めで、一般的な塗り壁材よりも長持ちします。定期的に清掃や部分補修をすれば、15〜20年は再塗装が不要です。
まとめ:ジョリパットでおしゃれな外壁をデザインしよう

デザイン性・耐久性・コストパフォーマンスに優れた外壁材が、ジョリパットです。定期的なメンテナンスを心がければ、外壁の美しさが長持ちします。おしゃれな外壁をデザインするために、ジョリパットを活用しましょう。
外壁にジョリパットの施工を検討されている方は、ぜひペイプロをご利用ください。ペイプロは、外壁塗装の専門業者を比較・紹介してくれる無料のマッチングサービスです。厳選された優良な外壁塗装業者を紹介しているため、ジョリパット外壁に対応している業者も揃っています。ご相談は無料で行っておりますので、お気軽にお問い合わせください!
※1参照元:AICA「パターンバリエーション一覧」(https://www.aica.co.jp/products/wall-material/jolypate/pattern/)
※2参照元:AICA「ホルムアルデヒド等級区分証明書」(https://www.aica.co.jp/mypage/tech_doc?pcategory_l=塗り壁材・外壁材)
※3参照元:AICA「塗り壁材・外壁材/ジョリパット」(https://www.aica.co.jp/products/wall-material/jolypate/)