「外壁塗装ならフッ素塗料が良いって聞いたけれど本当?」「シリコン塗料とフッ素塗料の違いが知りたい」外壁塗装にはフッ素塗料以外の選択肢もあるため、悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
外壁塗装の塗料選びは、塗料の特性や耐用年数、単価相場を理解すれば失敗を防ぐことが可能です。
本記事では、外壁塗装に用いるフッ素塗料の単価相場や特徴、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。フッ素塗料とシリコン塗料の比較も行っていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
外壁塗装に使う「フッ素塗料」の概要

外壁塗装に使う「フッ素塗料」について、特徴や耐用年数、単価相場などを解説します。
フッ素塗料とは
外壁塗装に使われるフッ素塗料は、フッ素樹脂を主成分とした塗料で、高い耐久性と耐候性(雨風や日光に対する耐久性)が特徴です。
長期間美観を保てるため、戸建住宅やマンションなど幅広く使用されています。
フッ素塗料のタイプ
フッ素塗料には、溶剤型・水性型・遮熱型があります。
溶剤型は密着性と耐久性が高く、水性型は環境への配慮や施工時の臭いが少ないのがメリットです。
遮熱型は、塗膜表面で赤外線や紫外線を反射・遮断し、外壁が吸収する熱量を軽減するため、室内の温度を一定に保つ効果が期待できます。
フッ素塗料の耐用年数

一般的なフッ素塗料の耐用年数は15〜20年程度です。比較されることが多い「シリコン塗料」の耐用年数(8〜10年)と比べ約2倍長いため、メンテナンスの頻度を抑えられます。
また、適切な施工と定期的な点検によって耐用年数はさらに延ばせるでしょう。
フッ素塗料の単価相場
フッ素塗料の単価相場は1㎡あたり3,000〜4,500円前後です。たとえば、40坪の住宅をフッ素塗料で外壁塗装した場合、約130万円かかります。
無機塗料との違い
無機塗料とは、セラミックやケイ素(シリカ)などの無機成分を主成分とした高性能塗料のことです。
フッ素塗料と無機塗料では、主に耐候性と硬度が違います。無機塗料はフッ素塗料よりもさらに耐候性が高く、紫外線劣化に強いのが特徴です。
一方で、無機塗料は塗膜が硬すぎるため、建物の動きや振動によってひび割れが起きやすいデメリットもあります。
フッ素塗料は無機塗料に比べて耐候性と柔軟性のバランスが取れているので、使い勝手の良い塗料と言えるでしょう。
【外壁塗装】フッ素塗料とシリコン塗料の比較

比較されやすい「フッ素塗料」と「シリコン塗料」の違いを押さえておきましょう。
シリコン塗料とは
シリコン塗料は、シリコン樹脂を主成分とした塗料です。外壁塗装に用いる塗料として、フッ素塗料に次ぐグレードとして位置付けられています。
シリコン塗料のメリットの1つは、コストパフォーマンスに優れていることです。そのため、住宅用の外壁塗装に広く使われています。
フッ素塗料とシリコン塗料の比較表
フッ素塗料とシリコン塗料を、耐用年数・1㎡あたりの価格相場・耐候性・防汚性で比較しました。
項目 | フッ素塗料 | シリコン塗料 |
---|---|---|
耐用年数 | 15〜20年 | 8〜10年 |
価格相場(1㎡あたり) | 3,000〜4,500円 | 1,800〜2,500円 |
耐候性 | 非常に高い | 高い |
防汚性 | 非常に高い | やや高い |
フッ素塗料のほうが、耐用年数・耐候性・防汚性で優れており、シリコン塗料はコストパフォーマンスの高さが魅力です。
外壁塗装にフッ素塗料を使うメリット4つ

外壁塗装にフッ素塗料を使うメリットは以下の4つです。
- 長持ちする
- 汚れが落ちやすい
- メンテナンスコストを減らせる
- ツヤのある仕上がりになる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット1.長持ちする
フッ素塗料を使えば、長期的に外壁の劣化を防げます。
フッ素塗料の塗膜は非常になめらかで撥水性が高く、微生物が定着しにくいので、約15~20年以上にわたって美観を維持することが可能です。頻繁な塗り替えが不要なため、メンテナンス費用を抑えられるでしょう。
メリット2.汚れが落ちやすい

フッ素塗料には「セルフクリーニング効果」があります。
表面に汚れが付着しても、雨水で自然に洗い流されるため、汚れが蓄積しにくい効果です。頻繁な洗浄作業が不要なため、汚れが付きやすい部位や美観を重視する場所に適しています。
メリット3.メンテナンスコストを減らせる
メンテナンスコストが減らせるのも、フッ素塗料のメリットです。フッ素樹脂の特性により、フッ素塗料は紫外線や温度変化に強く、外壁の劣化を最小限に抑えられます。
また、遮熱型を使用することで、赤外線や紫外線を反射・遮断し、夏場の暑さを和らげることも可能です。屋内の気温を2〜5℃程度低く保てるため、室内環境の改善と光熱費の節約につながるでしょう。
メリット4.ツヤのある仕上がりになる
フッ素塗料を使うと、ツヤのある仕上がりになるのもメリットです。
フッ素塗料の主成分であるフッ素樹脂は、非常に分子が細かく均一で密度の高い塗膜を形成します。塗膜表面がなめらかなため、光を均一に反射し、独特のツヤや光沢が生まれるのです。
外壁塗装にフッ素塗料を使うデメリット4つ

外壁塗装にフッ素塗料を使う場合、デメリットもあります。
- 価格が高い
- ひび割れしやすい
- 施工が難しい
- 次回の塗装が大変
上記4つのデメリットも理解して、外壁塗装にフッ素塗料を使うか判断すると良いでしょう。
デメリット1.価格が高い
フッ素塗料は、価格が高いのがデメリットです。比較表でもご紹介しましたが、シリコン塗料と比べると約1.5倍〜2倍は費用が高くなります。
外壁塗装にかけられる予算や、メンテナンスコストも踏まえて、フッ素塗料の使用を検討しましょう。
デメリット2.ひび割れしやすい
フッ素塗料は、ひび割れしやすいこともデメリットです。ひび割れは、フッ素塗料の硬度が高いことで起こります。
外壁塗装にフッ素塗料を用いる際には、ひび割れしないよう下地処理を丁寧に行うほか、弾性の高いタイプのフッ素塗料を選ぶと良いでしょう。
デメリット3.施工が難しい

フッ素塗料は、施工が難しい塗料です。外壁塗装には高い施工技術を要するため、適切な施工ができる業者が限られます。そのため、十分な知識や施工実績のある信頼できる業者を慎重に選ぶことが重要です。
デメリット4.次回の塗装が大変
フッ素塗料を使用する場合、次回の塗装が大変なことも押さえておかなければなりません。
フッ素塗料は塗膜が硬く耐久性が高いため、一部分だけの補修や再塗装が困難です。修繕時には、全体的な塗装が必要になるケースもあります。
塗装を依頼する業者に、次回の塗装計画についても事前に相談するなど、対策を行っておくと安心です。
外壁塗装にフッ素塗料が向いている建物や部位

外壁塗装にフッ素塗料が向いているのは、以下のような建物や部位です。
【向いている建物】
- 高層建築物
- 商業施設などの大規模な建物
【向いている部位】
- 屋根
- 建物の北側や湿気の多い場所
それぞれ詳しく解説します。
向いている建物1. 高層建築物
定期的なメンテナンスが難しい高層建築物に、フッ素塗料は向いています。高層建築物の塗装を行う場合、足場の設置など費用・工数がかさみやすいのが課題です。
そのため、耐用年数が高いフッ素塗料を用いて、塗装する頻度を抑える方法が適しています。
向いている建物2. 商業施設などの大規模な建物
商業施設などの大規模な建物にも、フッ素塗料が向いています。
とくに商業施設やオフィスビルなどは、外観の美しさが非常に重要です。外観の劣化や汚れは施設のイメージ低下につながるため、汚れがつきにくく、美観を長期間保てるフッ素塗料は理想的でしょう。
さらにフッ素塗料にはセルフクリーニング効果があるため、日々の手入れにかかる労力やコストを最小限に抑えられます。
向いている部位1. 屋根

フッ素塗料は、屋根塗装にも向いています。
屋根は日光、風雨、紫外線、熱など厳しい環境条件にさらされる場所です。そのため、耐候性や耐熱性、遮熱性の高いフッ素塗料が適しています。
フッ素塗料は紫外線にも強く、色あせや劣化を長期間防ぎ、屋根の寿命を延ばすことが可能です。とくに遮熱型のフッ素塗料を使うことで、夏場の室内の温度上昇を抑え、冷房効率を高められるでしょう。
向いている部位2. 建物の北側や湿気の多い場所
フッ素塗料は、建物の北側や湿気の多い場所にも向いています。
建物の北側や湿気の多い場所は、コケや藻、カビが発生しやすいのが問題です。フッ素塗料は表面がなめらかで水を弾く性質が強いため、コケや藻、カビなどの付着を防ぐ効果があります。
これにより、美観を維持しつつ、建物の耐久性向上も可能です。
外壁塗装用おすすめフッ素塗料3選

外壁塗装におすすめのフッ素塗料を溶剤型・水性型・遮熱型に分けて、3つご紹介します。
溶剤型:エスケー化研「クリーンマイルドフッソ」
溶剤型フッ素塗料のおすすめは、超低汚染性と超耐久性を兼ね備えたエスケー化研の「クリーンマイルドフッソ」です。
二液タイプの弱溶剤型フッ素樹脂塗料で、強固な塗膜を形成し、長期間にわたり外壁を美しく保ちます。また、臭いが少なく環境にも配慮された塗料です。
水性型:アステックペイント「フッ素REVO1000-IR」
アステックペイントの「フッ素REVO1000-IR」は、水性一液タイプのフッ素塗料でありながら優れた耐候性と遮熱性を発揮します。
耐用年数は約16~20年と長く、チタン複合遮熱無機顔料により近赤外線を効果的に反射し、室内の温度上昇を抑制することが可能です。
さらに、低汚染性も備えており、塗りたての美しさを長期間維持できます。
遮熱型:日本ペイント「サーモアイ4F」
弱溶剤型で二液タイプ4フッ化フッ素樹脂塗料の日本ペイント「サーモアイ4F」は、優れた遮熱性能を持つ屋根用塗料です。
JIS規格(JIS K5675屋根用高日射反射率塗料)の認証品であり、太陽光の反射による効果で電気代の削減が期待できます。高耐久・高耐候性により、長期にわたって日射反射率を維持し、省エネ効果が期待できる塗料です。
外壁塗装でフッ素塗料を使うときの5つの注意点

外壁塗装でフッ素塗料を使うときに注意することは以下の5つです。
- 最適なタイプのフッ素塗料を選ぶ
- 下地処理を徹底する
- ひび割れリスクに対応する
- リフォーム計画に留意する
- 信頼できる業者に施工を依頼する
それぞれ詳しく見ていきます。
注意点1. 最適なタイプのフッ素塗料を選ぶ
住宅の環境に合わせて溶剤型や水性型、遮熱型などタイプを適切に選びましょう。
溶剤型が最適なパターン
溶剤型は、海沿いの地域や塩害の影響を受けやすい場所におすすめです。潮風によって外壁が腐食やサビの影響を受けやすいため、耐候性と防食性に優れた溶剤型のフッ素塗料が適しています。
水性型が最適なパターン
臭いが非常に少ない水性型は、住宅が密集している地域や小さな子ども・高齢者・ペットがいる家庭などにおすすめです。安全性や健康面で周囲に配慮が必要な地域での施工に用いると良いでしょう。
遮熱型が最適なパターン
南向きの住宅や夏場に気温が高くなる地域では、遮熱型のフッ素塗料を選ぶと良いでしょう。
遮熱型は太陽光の赤外線や紫外線を反射し、外壁の温度上昇を防ぐため、室内を快適な温度に保ちます。その結果、夏の冷房効率が改善されるため、省エネ効果と光熱費の削減が可能です。
注意点2. 下地処理を徹底する
耐久性を最大限に活かすには、下地処理が重要です。
汚れや古い塗料が完全に取り除けていないなど、下地処理が不十分だと塗膜の性能を最大限に発揮できません。とくにフッ素塗料は、下地の影響を受けやすいため注意が必要です。
注意点3. ひび割れリスクに対応する

硬度の高いフッ素塗料は、気温変化による外壁の膨張・収縮、建物の微小な振動などによって、小さなひび割れが生じる可能性があります。
ひび割れリスクを軽減するために、フッ素塗料の中でも塗膜に柔軟性がある「弾性タイプ」を選びましょう。通常タイプよりやや費用が高くなりますが、ひび割れリスクを大幅に抑えられます。
注意点4. リフォーム計画に留意する
外壁塗装にフッ素塗料を選ぶ場合、将来的なリフォーム計画に留意しましょう。
フッ素塗料は耐久性が高く、一度施工すると約15年〜20年と長期間にわたり外観が維持されます。しかし、住宅設備や外壁の素材自体は経年劣化していくため、塗装部分以外のリフォームが必要になる場合があるでしょう。
たとえば、外壁の補修や断熱改修、増築・改築などを検討している場合、フッ素塗料で施工した外壁に再び手を加える際には全体的に塗装を削るなど、追加コストや手間が発生します。
そのため、次回のリフォームやライフプランと塗料の耐用年数が一致するようにスケジュールを組むことが重要です。
注意点5. 信頼できる業者に施工を依頼する
フッ素塗料を使用した外壁塗装は、高い技術を要します。そのため、施工経験が豊富で信頼できる業者に依頼することが重要です。
技術力や実績をしっかりと確認し、適正価格で施工してくれる業者に依頼しましょう。将来の補修やメンテナンス計画を事前に想定し、計画的に対応できる業者を選定しておくことも重要です。
まとめ

本記事では、フッ素塗料の特徴やメリット・デメリット、シリコン塗料との比較やおすすめフッ素塗料3選、フッ素塗料を使うときの注意点などを詳しく解説しました。
フッ素塗料は単価相場が1㎡あたり3,000〜4,500円前後とシリコン塗料と比較して高いのがデメリットです。一方で、耐久性や防汚性・美観の維持に優れており、長期的にはコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えます。
住宅環境に合ったタイプの塗料を選ぶことや、高い技術力・実績のある施工業者に依頼することで、外壁を長く美しく保てるでしょう。
本記事を、外壁塗装の塗料選びに役立ててもらえると幸いです。
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