外壁のチョーキング現象とは？原因や対策・予防方法を徹底解説！

チョーキング現象が起きると、外壁がチョークで落書きしたように白くなります。見た目が悪くなるだけでなく、外壁の塗装が本来持つ建物を保護する機能が弱まり、建物の構造自体にも悪い影響が出る恐れがあります。

チョーキング現象の原因は何なんでしょうか？また、外壁のチョーキング現象を防ぐにはどうすればよいのでしょうか？

ここでは、そんなチョーキング現象について詳しく見ていきます。起きてしまう理由や、建物に与える影響を説明しますのでぜひ参考にしてください。

外壁のチョーキング現象とは？

そもそもチョーキング現象とはいったいどのような現象なのでしょうか？チョーキング現象の特徴や、なぜ起きるのかについてわかりやすく説明します。

外壁に起こるチョーキング現象について

チョーキング現象は、建物の外壁塗料が長年の風雨で徐々に劣化して、まるで粉を吹いたように白っぽくなる現象を指します。黒板に書いたチョークの文字がだんだん白っぽくぼやけていくように、塗装面も同じように変色していきます。

では、なぜチョーキング現象が起きるのでしょうか。
その原因は、塗料に含まれる「顔料」と「樹脂」という2つの成分にあります。顔料は塗料に色を与え、樹脂はその色を定着させる役割があります。

ところが、まるで色鮮やかな絵の具が日を追うごとに色あせていくように、この2つの成分は太陽の紫外線などによって徐々に分解されてしまうのです。

そうして塗料が劣化すると、外壁の表面には以下のような変化が現れます。

では、実際にチョーキング現象が起きているかどうかを、どうやって見分けたらいいのでしょうか。以下4つの簡単な確認方法を紹介します。

外壁のチョーキング現象が起こるメカニズム

一体なぜ、外壁には、色褪せて白っぽくなるチョーキング現象が起こってしまうのでしょうか。

先述しましたが、塗料の中には、色をつける成分である顔料と、塗膜を形成する成分である樹脂の2種類が入っているのです。

顔料は微細な粒子状の物質で、塗料に鮮やかな色を与える役割を担います。樹脂は塗膜は形成する成分で、塗料が乾くと硬い膜となり外壁を雨風から守る働きを果たします。

ところが、この2つの成分は、長年の紫外線などによってダメージを受けると、次のような過程を経て劣化していきます。

つまり、もともと塗料の中に含まれていた顔料が、樹脂の劣化によって表面に現れることで、外壁が白っぽくくすんで見えるようになるのです。

放っておくと、チョーキング現象はどんどん進行します。例えば、こんな症状が現れることもあります。

こうなると、もはや外壁塗装の役割を果たせなくなり、外壁そのものの劣化も進んでしまいます。

チョーキング現象の主な原因

チョーキング現象が外壁に現れる主な原因は以下の2つです。

それぞれについて詳しく解説していきましょう。

外壁の経年劣化

チョーキング現象は外壁塗装の経年劣化により起こります。外壁の塗装は日々厳しい環境に晒されています。中でも日光の影響は大きく、外壁塗装の劣化を早める一因となっています。

日光には紫外線が含まれており、塗料の主成分である「樹脂」を分解する力が非常に強いのです。

外壁塗料に含まれる、樹脂の役割は塗膜を形成し外壁を雨や湿気から守ることですが、この樹脂が分解されると保護機能が失われ、チョーキング現象が起こってしまいます。

その結果、以下のリスクが高まります。

さらに、日光による塗装劣化の進行度合いは、建物の立地環境によっても変わってきます。外壁塗装の劣化が進みやすい環境は以下のとおりです。

外壁はこういった環境に晒されている場合が多く、常に厳しい条件下に置かれているといえます。そのため、時間の経過とともにダメージが蓄積され、チョーキング現象が起こる可能性が高くなってしまうのです。

外壁の施工不良

外壁のチョーキング現象は、単に年数が経過したことだけが原因ではありません。施工時の不備も大きな要因になり得るのです。

外壁塗装を適切に行わなかった場合、つまり施工不良があると、塗膜の密着性が低下してしまいます。その結果、外壁の塗装が早期に劣化し、チョーキング現象が起こりやすくなるわけです。  

施工不良の例には以下のようなものが挙げられます。

このように、外壁に塗装する前の下地処理や使用する塗料の選定、施工の工程管理など、様々な部分で不備があると外壁の塗膜に悪影響が出てチョーキング現象の原因となる可能性があります。

加えて、施工業者の技量や経験不足も無視できません。外壁塗装工事は高い専門性が求められるため、外壁塗装職人の腕に大きく依存するのが実情なのです。

そのため、チョーキング現象の予防対策として、施工業者の選定は非常に重要なポイントとなります。経験豊富で信頼できる施工業者に依頼することが大切です。

チョーキング現象を放置するとどうなる？

チョーキング現象を放置した結果、一体どうなってしまうのでしょうか？

ここでは放置し続けるリスクについて詳しく解説していきます。

放置したら起こる被害

チョーキング現象を放置すれば、あなたの大切な建物に取り返しのつかない影響を及ぼしかねません。

チョーキング現象によって生じた白い粉は、風に乗って周囲に飛び散り、建物の外観を汚すだけではありません。
この粉は、塗膜が劣化することで生じたものです。雨に濡れると劣化した塗膜は溶け出し、雨水とともに流れ落ちます。また、脆くなった塗膜は、雨水の衝撃で直接剥がれ落ちることもあります。こうしてチョーキング現象は、外壁塗装を剥がす原因となってしまうのです。

もし、チョーキング現象を放置し続けたら、どのような事態に陥るのでしょうか。以下の表にまとめました。

放置した影響	具体的な症状
建物の外観が損なわれる	・塗装が剥がれ落ち下地が丸見えに ・汚れやキズが目立ち建物の価値が下落する
建物の構造が危険にさらされる	・外壁の保護機能が失われ雨水が建物内部に侵入する ・建物の骨組みが腐食し建物の安全性が下がる

この表を見ると、チョーキング現象がもたらす影響の深刻さがよくわかるでしょう。

こうなってしまうと、大規模な補修・塗り替え工事が避けられなくなります。外壁の塗装だけでなく、下地の修復や交換、さらには内部の修繕まで、広範囲な工事が求められるでしょう。多額の工事費用がかかるだけでなく、工事期間中は建物の使用にも制限が生じる可能性があります。

チョーキング現象が発生したばかりのころは、白い粉が外壁から出ているだけに見えるため軽視しがちです。しかし、実は建物の安全性や資産価値に関わる重大な問題なのです。

さらに、以下のような問題も発生します。

カビ・コケが発生する

チョーキング現象によって外壁塗装に亀裂が生じると、雨水が浸入し湿気がこもりやすくなります。特に日光の当たらない場所では、カビやコケが繁殖するのに最適な環境となってしまいます。

カビとコケは以下のような問題を引き起こします。

チョーキング現象を放置することで、建物だけでなく居住者の健康までもが脅かされる可能性があるのです。

建物が倒壊する

チョーキング現象を長期間放置し続けると、最悪の場合、建物が倒壊する恐れがあります。

チョーキング現象によって、外壁塗装が剥がれ落ちると、建物の外壁は雨風にさらされ続けることになります。すると、外壁内部に雨水が浸入し、建物の骨組みを支える材料が損傷を受けます。

例えば鉄筋コンクリート造の建物では、鉄筋が錆びることで強度が低下し、コンクリートにひび割れが生じます。これらの損傷が蓄積されると、建物の構造的な耐力が著しく低下します。

木造建築物の場合も同様です。雨水の浸入によって木材が腐朽し、強度が失われていきます。柱や梁などの重要な構造部材が腐ってしまえば、建物全体が不安定な状態になってしまうでしょう。

こうした構造上の問題は、地震や台風などの自然災害が発生した際に、深刻な事態を引き起こしかねません。建物の耐震性や耐風性が損なわれていれば、倒壊などの甚大な被害につながる可能性が高まるのです。

チョーキングを放置すると、最終的にはこういった恐ろしい事態につながる可能性があります。

チョーキング現象への対策方法

外壁が白っぽいな、くすんでいるなと感じたらそれはチョーキング現象が起きている可能性が高いです。

チョーキング現象だと思ったら、以下の手順で確認・対策するようにしましょう。

それぞれについて解説していきます。

チョーキング現象かどうか確認する

まずはチョーキング現象が起こっているかどうかを確認します。チョーキング現象を見つけるための基本的な手順は、目で見る、手で触る、テープを張るなどです。

これらの方法で白い粉が出ているのが確認できたら、チョーキング現象が起こっている可能性があります。
もし、自己判断でわからない場合は、専門家に依頼してチョーキング現象が起こっているかどうか、確認してもらいましょう。

外壁塗装業者に施工依頼する

チョーキング現象が外壁に見られたら、塗装業者に修繕依頼をしましょう。
粉が吹いているだけだから自分でもできるのでは？と思いがちですが、以下の作業が重要かつ難しい作業になっています。

• 外壁の洗浄を行う
• 外壁の痛みを補修する
• 塗装で補修する

自力でこれらの作業を行うのは非常に困難なので、プロの外壁塗装業者に依頼したほうがよいでしょう。

外壁の洗浄を行う

塗装作業の前に、まずは洗浄作業から始めます。高圧洗浄機を使えば、しっかりと汚れを落とせます。ただし、洗浄時の水圧調整には注意が必要です。

水圧	発生する問題
強すぎる	外壁の塗装を傷つける恐れがある
弱すぎる	汚れが十分に落ちない可能性がある

つまり、外壁の素材や状態を確認し、ちょうど良い水圧に設定することが大切なのです。

洗浄の際は、薬剤を使うケースもあります。カビや苔の発生を防ぐ目的で使われることが多いです。しかし、外壁の材質に合わない薬剤を選んでは行けません。外壁塗装を痛めてしまう恐れがあるためです。

一般に、洗浄作業は天候の良い日に行うのがベターです。雨降り後や曇り空では、外壁が乾きにくくカビが生えやすくなるからです。日差しが強く風通しの良い日になるように、日程調整してもらいましょう。

このように、適切な水圧と薬剤の選定、さらに天候への配慮が重要になります。チョーキング現象に対処する第一歩である洗浄作業を、しっかりと行ってもらうことがこの後の作業にも大きな影響を与えます。

外壁の傷みを補修する

外壁の洗浄が終わったら外壁を補修します。塗装に移る前の下準備です。

まず、古い塗装を取り除きます。ワイヤーブラシなどを使って、剥がれかけた塗装をこすり落とします。そうすることで、新しい塗料がしっかりと外壁に付着しやすくなります。

次に、傷んだ部分を直していきます。外壁のヒビや割れを、パテを使って埋めていきます。パテを上手に使うことで、外壁の表面の凹凸がなくなり、滑らかになります。

塗装で補修する

こうした下準備を終えてから塗装に取り掛かります。

まずは下塗り塗料を塗ります。下塗りは上塗り塗料をはがれにくするために、非常に大事な下処理です。最後に、上塗り塗料を塗っていきます。上塗りは何回かに分けて重ね塗りします。
塗料や外壁材の種類によって、塗り方が変わる場合がありますが、外壁塗装は三度塗りが基本です。

これらの点から、知識と経験を十分に持った外壁塗装業者に依頼することが、住まいの修繕と長寿化につながります。

外壁塗装のより詳しい手順を知りたい場合は以下の記事をご覧ください。

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外壁のチョーキング現象を予防するには

外壁のチョーキング現象を予防するには以下の2つの方法があります。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

ラジカル制御型塗料を使用する

ラジカル制御型塗料は、チョーキング現象を防ぐために非常に効果的な選択肢です。この塗料の特徴は、紫外線によって発生するラジカルを抑制し、塗膜の劣化を防ぐことにあります。

ラジカルとは、塗膜を劣化させる原因となる物質のことです。太陽の紫外線を受けると、塗膜の分子が切断されてラジカルが生成され、劣化が急速に進行してしまいます。

ラジカル制御型塗料には、以下のようなタイプがあります。

タイプ	特徴
紫外線吸収剤配合型	紫外線を吸収し、ラジカルの発生を抑制する
ラジカル捕捉剤配合型	発生したラジカルを捕捉し、連鎖反応を防ぐ

ラジカルが発生しないよう、建物の立地条件や外壁の材質に合わせて、最適なタイプのラジカル制御型塗料を選ぶことが重要です。

ラジカル制御型塗料は、一般的な塗料と比べると価格が高くなる傾向があります。ラジカルを制御するために特殊な添加剤を配合する必要があり、その分コストがかかるからです。

しかし、長期的に見るとラジカル制御型塗料を使用することでトータルコストを抑えられる可能性があります。一般的な塗料を使った場合、チョーキング現象によって塗膜が早期に劣化し、頻繁に塗り替える必要が出てきます。その都度、塗装工事にかかる費用や手間を考えると、トータルのコストは高くなってしまうでしょう。

一方、ラジカル制御型塗料を使えば外壁塗装の寿命が大幅に延びるため、塗り替えの頻度を減らすことができます。そのため、長期的なコスト削減につながる可能性があるのです。

初期投資は多少高くなるかもしれませんが、長い目で見ればコストパフォーマンスが高くなるので、ラジカル制御型塗料を選ぶことが賢明な判断と言えるでしょう。

優良外壁塗装業者に塗装を依頼する

優良外壁塗装業者を選ぶのも、チョーキング現象を防ぐうえで重要です。せっかく良い塗料を選んでも、施工が雑だと意味がありません。

そのため、信頼できる外壁塗装業者に依頼することが大切です。優良業者であれば、適切な下地処理や下塗り塗料の選定、丁寧な外壁塗装工事を行ってくれるでしょう。

しかし、中には信用できない悪徳業者も存在します。悪徳業者の特徴として以下のようなものが挙げられます。

このような悪徳業者に引っかからないためには、業者選びの段階で十分な注意が必要です。優良業者を見極めるためのチェックポイントは以下の通りです。

チェック項目	具体的な内容
実績と経験	豊富な施工実績があり、経験の長い業者かどうか
保険加入状況	万が一のトラブルに備えて、適切な保険に加入しているか
アフターサービス	定期的なメンテナンスや点検を行ってくれるか
見積もりの比較	複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討する

優良な外壁塗装業者を見つけるためには、時間と手間をかけて慎重に選ぶことが肝心です。

「ペイプロ」は全国の外壁塗装業者の中から、厳選された優良業者のみを紹介するサービスです。ペイプロが選ぶ業者は、地域密着型で腕の良い職人が多く、火災保険や助成金の申請サポートも行ってくれるため、工事費用を抑えることが可能です。

外壁塗装は、建物の見た目と性能を守る重要な工事ですが、業者選びを失敗するとチョーキング現象を含む大きな問題につながりかねません。ペイプロのような業者紹介サービスを上手に活用し、信頼できる業者をみつけるとよいでしょう。

よくある質問

外壁のチョーキング現象について、以下のよくある質問とその回答をまとめてみました。

以下で質問と回答を紹介していきます。

時間が経過すると必ず外壁にチョーキングが発生する？

外壁塗装の劣化速度は、建物の置かれた環境や使用されている塗料によって異なります。

一般的に10年以上経過した建物では、チョーキングのリスクが高まると言われていますが、日当たりや風通しの良い場所では早めに発生する傾向にあります。また、塗料の種類によっても、チョーキングの発生時期は変わってきます。

DIYでの補修はできる？

チョーキング現象が発生した外壁を、DIYで補修することは可能ですが、あまりおすすめできません。

外壁塗装は、専門的な知識と技術が必要な作業だからです。適切な下地処理や塗料の選定・塗布にも経験が求められ、素人が行うと外壁や塗膜を傷つけたり、ムラのある仕上がりになったりするおそれがあります。

今すぐ対処しないとまずい？

チョーキング現象を放置すると、外壁の劣化がどんどん進行し、外壁材そのものへのダメージが大きくなります。

雨水の浸入による防水性能の低下やカビ・シロアリの発生、コンクリートの中性化による構造耐力への悪影響など、建物の機能や安全性に関わる問題が生じる可能性があるため、早めの補修工事が賢明です。

業者選びの際に気を付けることは？

チョーキング現象の補修工事を依頼する際は、信頼できる業者選びが何より重要です。

実績と経験、職人の技術力、アフターサービスの充実度、保証内容などをチェックし、優良な業者を見極めましょう。価格の安さだけで業者を決めるのは避け、手抜き工事や非常識な追加料金請求などのトラブルに巻き込まれないよう注意が必要です。

まとめ

建物の外壁に白い粉が吹いているのは、「チョーキング現象」と呼ばれる外壁塗装の劣化サインかもしれません。
チョーキング現象を放置すると、外壁の保護機能が低下し、建物の美観や構造に悪影響を及ぼす可能性があります。

チョーキング現象の予防には、ラジカル制御型塗料の使用や、信頼できる外壁塗装業者への依頼が効果的です。また、定期的なメンテナンスを行うことで、外壁を健やかに保つことができます。

チョーキング現象が原因で外壁の状態が悪化した場合、修繕に高額な費用が必要になる恐れがあります。そのため、チョーキング現象の発生に気が付いたら、早めに業者に依頼して対応することをおすすめします。

その際、悪徳業者を選んでしまうと、適当な施工をされチョーキング現象の改善ができなかったり、不当に高い料金を請求されたりする場合があります。適正料金で丁寧な対応をする優良業者を選び、チョーキング現象の対策を依頼するようにしましょう。

もし、信頼できる業者をみつける方法が分からない場合は、外壁塗装業者の紹介サービス「ペイプロ」をご利用ください。ペイプロは、全国28,000社以上ある外壁塗装業者の中から、厳しい審査基準をクリアした優良業者のみを厳選して紹介しております。

外壁塗装は、建物の見た目と性能を左右する大切な工事です。だからこそ信頼できる業者選びが何より重要なのです。
もしご自宅の外壁にチョーキング現象が見つかったら、ペイプロにご相談ください。ご相談は無料で承っておりますので、お困りであればお気軽にご相談ください。