屋根塗装のとき太陽光パネルは?注意点がすぐわかるメンテナンスガイド

屋根の塗装をしようと思ったら、大きな太陽光パネルが載っていて、どうしたらいいの?となっていませんか?

屋根の再塗装は美観のためだけでなく、家を守り長持ちさせるために必要な作業です。太陽光パネル付きの屋根を塗装するための、施工上の注意点を知っておきたいですよね。

この記事では、屋根塗装のときに太陽光パネルはどう扱うのか、作業の流れや注意点などを解説します。助成金のこともご紹介していますので、太陽光設置済みで屋根塗装を検討中、もしくは太陽光設置と両方を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

屋根に設置する太陽光パネル

太陽光パネルの下は塗装できる?

住宅用の太陽光発電システムが普及し始めてから25年が経ち、現在では新築の4割の家が太陽光パネルを設置しています。今後、太陽光パネル付きの屋根塗装はますます増えるでしょう。

太陽光パネルが設置されている屋根の場合、塗装は可能ですが、方法やいくつかの注意点もあります。屋根塗装を行うための予備知識として、太陽光パネルとは何か、屋根の上でどのような状態のものかを知っておきましょう。

太陽光パネルとは?

太陽光パネルは、自家発電で電気料金の節約や売電が可能な設備です。屋根の上にソーラーパネルを設置し、日光から発電します。

設置のために初期費用ははかかりますが、太陽光発電なしに比べて電気代がかからず、設置費用の回収や副収入にも期待ができます。また、経済的なだけでなく環境に優しく、今後設置する住宅は増えていくと考えられます。

太陽光パネル設置のメリット

自家発電がクリーンな理由は、CO2の排出量を減らしたり、大規模発電による電気の使用量を減らしたりできる点です。これによって環境への負荷を抑えることができます。

生活のエコ性能向上が図れるため、施工などの際に各種の助成金を申請できることが多く、それだけ施工費用が安くできます。

太陽光パネルの設置方法

屋根塗装と太陽光パネルの関係

スレート屋根を例に、太陽光パネルはどのように設置されているのかをご説明します。

太陽光パネルは畳1枚ほどの大きさがあります。1枚単位で15~20kgとかなりの重量があるため、スライダー(昇降機)を使って慎重に屋根の上に上げます。

続いて、パネルの設置位置を屋根の上に正確にマーキングします。この位置が狂っていると、メーカー保証やJISの安全規格を満たせなくなります。

屋根に架台を固定するビス穴をあけ、穴をコーキングします。この工程にミスがあると雨漏りに直結します。架台を取り付けたあとも、架台の部品を徹底的にコーキングし、防水します。

架台にフレームを取り付けたら不陸調整と言って、歪みがないようにフレームの水平出しをします。パネルを取り付けたら軒先のカバー、パネル押さえの金具を付けて配線を行い、屋根の作業は完了です。

太陽光パネルのメンテナンス方法

太陽光パネルは3年に1回ほど定期点検を行って、発電低下などがないかを調べるとされています。併せてパネルの清掃を行うと、発電量が上がることがあります。

また、10年強ほどでパワーコンディショナーという部品の交換が必要となる場合があります。

メンテナンス費用は定期点検で3万円前後、パネル清掃で3万円から、パワーコンディショナー交換は21万円前後かかります。

太陽光パネル下の屋根はどんな風になっている?

太陽光パネルの下になった屋根材は、太陽光や雨水の直撃を免れる分、傷みの進行は遅くなります。

ただし、太陽光パネルの陰で湿気が長時間こもりやすくなることと、年数を経ることでの劣化の進行は避けられません。

屋根塗装の際の太陽光パネルの扱いは3パターン

屋根塗装と太陽光パネルの関係

屋根の塗装の際に、太陽光パネルを載せたままでも、作業することは可能です。その場合もちろんパネルの下は施工はできないので、パネルを除いた部分だけになります。太陽光パネルがある屋根塗装の際は、以下の3つのパターンとなります。

1.屋根塗装を太陽光パネル設置前に行う

これから太陽光パネルを設置、あるいは交換する場合は、先に屋根塗装を完了し、その流れで太陽光パネルの工事を組み合わせることがもっとも効率的です。

この方法では施工期間を一度に、かついくらか短くできる上、足場の設置が屋根塗装と太陽光パネルで合わせて1回で済むため、費用も安く済みます。

太陽光パネルの交換時期の場合は、以下の順番で行いましょう。

1.古い太陽光パネルを撤去
2.屋根塗装を行う
3.新しい太陽光パネル設置を行う

2.屋根塗装のために太陽光パネルを脱着

太陽光パネルよりも屋根の塗装までの耐用年数が短かかった場合、太陽光パネルは現在のものを使い続けることになります。

また、完全な塗装施工のためには、パネルを取りはずして下の部分まで塗装する方が、防水や補修などの効果がフルに発揮され、屋根のためにも良いです。

ただし、デリケートな太陽光パネルを一度取りはずして、再度設置し直すことになるため、パネルの破損などに気を遣うことになります。

塗装やカバー工法などでパネルを外すと保証が切れる

また、塗装や屋根材のカバー工法など、屋根のメンテナンスで太陽光パネルを一度取りはずすと、太陽光パネルのメーカー保証がうけられなくなる場合があるので、事前に確認をしておきましょう。

3.太陽光パネル設置分部以外の屋根のみ再塗装

太陽光パネルを載せたままで、できる限りの部分を塗装することもできます。塗装工事の施工費用は屋根の面積で左右されるため、塗装の価格は安く済ますことができます。

ただし屋根塗装の際に、太陽光パネルを傷めないように注意が必要で、塗装工事の難易度は高くなります。

また、太陽光パネルの下の屋根の傷み具合がひどい場合、せっかく塗装しても十分な保護効果が得られず、施工の価値がないことも考えられます。事前に専門家への相談で、確認してもらいましょう。

以上のことからたとえば、新築時からの寿命で塗装を20年、太陽光パネルを17年とした場合、17年目に屋根塗装とパネル交換を同時に行った方が、長い目で見て経済的な場合があるのです。

太陽光パネル付きの屋根塗装をした場合の費用は?

太陽光パネル付きの屋根塗装をした場合の費用は?

では、前項の太陽光パネル付きの屋根塗装を、費用面で比較してみましょう。

費用は高くつく?

1回あたりの費用については、パネル設置部分以外の塗装をするのがもっとも安上がりとなります。太陽光パネルの必要な面積は発電したい量で決まるため、屋根のどのくらいの面積を占めるかが分かります。

  • 3kWの太陽光発電の設置に必要な屋根の面積 ⇒ 約22㎡
  • 6kWの太陽光発電の設置に必要な屋根の面積 ⇒ 約42㎡

これにより、平均的に屋根の面積の7~8分の1を太陽光ぺネルが占めることになります。(切妻や片流れの屋根の場合)

この面積の分、塗料代と作業量が減るため、その分の価格は安くなります。ただし、通常の塗装では行わないパネルの養生などの工程に対する費用が加わるほか、パネルの下の屋根材の劣化を保護できない関係で、塗装の効果が限定的となるため、長い目で見て経済的かは、施工時の屋根の状態によっても変わります。

太陽光パネル設置や脱着の費用は?

太陽光パネルを一度取りはずして、再度付け直す場合は、架台設置をやり直す必要などもあり、脱着の工賃のみで20万円以上が追加で必要となります。

塗装工事と、太陽光パネルの脱着工事で別に足場をかけるとさらに20万円ほど追加でかかるため、足場を流用するのは必須です。

塗装中の発電量は?

屋根塗装で太陽光パネルを取りはずしている間は、当然ですが発電はしません。また、屋根にパネルを載せたまま塗装工事をする場合、塗料の付着を防ぐためにパネル周辺を養生するため、発電量は落ちるでしょう。そのため、施工期間中の電気料金も左右されます。

天候不良で塗装やパネル脱着の工期が延びると、発電量はその分の影響も受けることになります。

屋根・外壁塗装と太陽光パネル設置を一緒に行うメリット

屋根・外壁塗装と太陽光パネル設置を一緒に行うメリット

以上の点からすれば、屋根塗装と、太陽光パネルの設置・交換を同時に行うことが一番効率的で、一度に多額の出費となるかわりに、長い目で見ると費用を抑えられることになります。

可能であれば計画的に外壁の塗装までを予定に組み入れて一度に施工をおこなうと、更にお得になるでしょう。

一緒に行うことのメリット

足場、太陽光パネル、塗装と施工者は異なりますが、一連の流れで施工できれば工程管理はスムーズになり、延べの工期も短くなります。また、別々の施工では足場代が3回必要なところを1回で済めば、その分で金額にして40万円がお得になります。

また、見積もりから施工状態のチェック、近隣へのご挨拶などの、施主としてしなければならないことも、一度に済ませられます。

費用はかかるが長い目ではお得

塗装、パネル設置と、一度に必要となる工事費は高くなるものの、長い目で見るとバラバラに施工するよりもお得になる上、屋根塗装の職人がパネルに気を遣って作業する必要がなくなります。

ただし、短期間に現場に出入りする業者の数が増えるため、天候などに起因する業者間でのスケジュール調整は要注意です。

また、そこまで計画的に施工するためには、新築の竣工時に屋根・太陽光パネル・外壁の耐用年数をもとに、メンテナンス時期を考えておくのがおすすめです。

計画的に施工スケジュールを立てておけば、そのための予算化も可能ですし、気づかないうちに進行してしまう家の傷みも抑えることができて安心です。ハウスメーカーの保守プランで準備されている場合もありますが、自主的に予算や施工内容を確認し、計画しておくのもおすすめです。

太陽光パネル付きの屋根塗装の流れと注意点

太陽光パネル付きの屋根塗装の流れと注意点

この項では、太陽光パネル付きの屋根塗装の具体的な工程をご紹介します。

太陽光パネル付きの屋根塗装の流れ

太陽光パネル付きの屋根塗装の流れは以下です。

事前打ち合わせ・挨拶回り・太陽光パネル下の屋根材の傷み具合を確認し、パネルを載せたままの施工が可能か検討
・屋根塗装、パネルなど、各業者が集まって要望や注意点を共有するのが良い
足場設置・養生・樋や外壁に屋根の塗装が付着しないように養生する

・パネルを載せたまま施工する場合:塗装前にパネルの養生をする
(パネル取り外し)・パネルを取りはずす場合:昇降機を設置して、一度パネルを地上に降ろす

・ついでに太陽光パネルの洗浄を行う場合は、屋根上か地上かを問わず、屋根の高圧洗浄とは別の水源や機械で、専門業者が行う
屋根の洗浄・補修・洗浄やケレンによる屋根の汚れ落としと、ひび割れなどの補修を行う

・太陽光パネルを新設するか載せ直す場合、野地板の傷み具合を確認
下塗り・下塗りは、中塗りと上塗りを下地によく密着させる役割をする
中塗り・上塗り・上塗りは、中塗りの塗装の色ムラ補正の役目をする
完了検査・塗装施工の出来具合を施主がチェックする

・パネルを取りはずす場合:パネルを再設置した後に、発電の動作確認も行う
足場撤去・施工に問題がなければ、足場を撤去する


太陽光パネル付きなどの要望にも、良心的に答えてくれる塗装業者探しは、価格の比較サイトだけでは困難です。安心して依頼できる業者探しは、ペイプロをご利用ください。

太陽光パネル付きの屋根塗装の注意点

塗装業者は太陽光パネルの扱いに注意する必要があります。上に乗ったり塗料で汚したりすることはできません。また、屋根用の高圧洗浄も太陽光パネルの故障の原因となるため、屋根洗浄のついでにそのままパネルを洗うことはできません。

パネルを載せたままの塗装でも問題ないか、載せたままの塗装施工に慣れているかは、塗装業者によく確認しましょう。
そのほか、前述のように屋根塗装の施工中は、養生しているなどの関係から発電力が落ちることがあります。

エコリフォームで助成金を受けよう【東京都の例】

エコリフォームで助成金を受けよう【東京都の例】

住まいの環境性能に貢献するエコリフォームは、工事費用に対する助成金が設けられている場合があります。太陽光発電のほかに屋根塗装も、断熱塗料や遮熱塗料を使ってヒートアイランド現象や光熱費を抑えられるため、助成金が利用できることがあります。

屋根の断熱・遮熱塗装施工の助成金

屋根の断熱・遮熱塗装施工の助成金

以下は2024年・東京23区内の屋根の断熱・遮熱塗装に対する助成金の一覧です。全部で14区が事業を行っています。

自治体名称内容期間
足立区省エネリフォーム補助金施工費1/3 
上限5万円
2024年4月11日~2025年1月31日
葛飾区《個人住宅用》かつしかエコ助成金1,000円/m²もしくは施工費1/4までのいずれか小さい方 上限20万円2024年4月14日~2025年3月31日
江東区地球温暖化防止設備導入助成1,000円/m² 
戸建て上限20万円
集合住宅150万円
2024年4月1日~2025年2月14日
品川区住宅改善工事助成事業(エコ&バリアフリー住宅改修)施工費の10%
上限20万円~100万円
2024年4月1日~2025年2月12日
新宿区新宿区省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度2,000円/m² 
上限20万円
2024年4月15日~2025年3月31日
杉並区エコ住宅促進助成 杉並区断熱改修等省エネルギー対策助成 高日射反射率塗装(屋根・外壁)施工費の20% 
上限15万円(屋根・外壁合わせて)
2024年4月10日~2025年1月31日
墨田区地球温暖化防止設備導入助成制度施工費の10% 
上限15万円~30万円
2024年4月1日~2025年2月28日
世田谷区世田谷区エコ住宅補助金1戸当たり10万円2024年4月1日~2025年2月末日
台東区高反射率塗料施工助成金制度施工費の20% 
上限15万円
2024年4月1日~2025年3月31日
中央区住宅・共同住宅用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成施工費の20% 
上限10万円
2024年4月1日~2025年3月15日
千代田区ヒートアイランド対策助成施工費の50%もしくは2,000円/m²の低い額2024年4月1日~2025年2月14日
文京区文京区新エネルギー・省エネルギー設備設置費助成施工費の33% 
上限40万円
2024年4月1日~2025年2月28日
港区地球温暖化対策助成制度材料費全額もしくは2,000円/m²の低い額 
上限30万円
2024年4月1日~2025年2月28日
目黒区住宅リフォーム資金助成施工費の10% 
上限10万円
2024年4月1日~2025年3月31日に工事完了

各種の助成金は、既定の応募総数に達して早期に締め切りになる場合があるため、常に最新の情報を確認しましょう。また、同種の助成金と併願できるもの、できないものがありますので、その点も確認が必要です。

関連記事:
助成金/補助金を使うには|ペイプロ

太陽光パネル設置の助成金

東京都は、太陽光パネル設置を新築施工の義務化レベルにまで推進している自治体です。太陽光パネルについても、「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」という名称の事業で、太陽光発電部分の新設時・メンテナンス時に助成金の申請が可能です。

助成金は太陽光パネルを載せる屋根の防水や補強にも適用され、前述の屋根塗装のエコリフォームとも併願の申請が可能なので、費用を抑えながら屋根まわりのリフォームが可能となります。

特に東京都は手厚い制度が準備されています。申請にはサイクルや予算の先着限りがある場合もあるため、最新の情報を確認するようにしましょう。

屋根塗装工事と太陽光パネルについてのQ&A

屋根塗装工事と太陽光パネルについてのQ&A

記事のまとめを兼ねて、屋根塗装と太陽光パネルについて、よくある質問をご覧ください。

屋根塗装や修理はなぜ必要?

屋根塗装は家の美観を保ち、傷みの箇所を修復しながら、屋根材の機能を復活させるために必要です。傷みがひどくなる前に、早めの施工をおすすめします。

太陽光パネルがある場合の屋根の塗り替え寿命は?

できれば塗装は太陽光パネルの交換時期と合わせて行うのが理想です。パネル以外の箇所を塗り替える場合は、パネル下の部分の屋根の傷みの状態や、パネルが載っている屋根の架台の状態をよく確認しましょう。

太陽光パネルの上に乗っても平気?

パネルは上に乗るようには作られていません。壊れてしまうこともあるので、塗装の際も取り扱いは慎重におこないましょう。

築20年の家に新しく太陽光パネルを設置したい

可能ならば、設置の前に屋根の塗装を行っておき、足場を流用してパネル設置も施工するのがおすすめです。また、パネルを載せる屋根材の下の野地板の厚みや耐久性に問題がないかチェックしましょう。

屋根塗装のときに一緒に太陽光パネルも洗浄してもらえる?

屋根塗装の際の、通常の高圧洗浄の水道の水質は、太陽光パネルの方面を損なう可能性があります。別途専門業者に依頼しましょう。

まとめ

屋根塗装工事と太陽光パネルについてのまとめ

屋根塗装のときに太陽光パネルはどう扱うのか、作業の流れや注意点などを解説しました。屋根塗装と太陽光パネルに限らず、住まいのリフォームやメンテナンスは時期を計算して計画的に実施すると、経済的で手間も少なくなります。

また、太陽光パネルもの知識も持ち、スムーズにコミュニケーションがとれる業者を探すことが、トラブルの少ない、満足のいく屋根塗装につながります。

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