屋根塗装には高い防水性が必要?防水塗装や雨漏り対策のポイントを解説!

気候変動や気温上昇によってゲリラ豪雨と呼ばれる大雨が年々増え、住宅被害のニュースも度々報道されるため、住宅の防水など、心配に思っている方も多いと思います。

今回は、屋根の防水対策や屋根塗装の必要性を解説いたします。
施工までの手順やよくあるトラブルなど、安心して屋根塗装を進められるポイントも紹介いたしますので、是非最後までご覧ください。

目次

屋根塗装は必要?防水性の落ちた外壁を放置すると危険!

屋根の塗り替えは必ず行ってください。日本瓦など一部を除きますが、屋根は定期的な塗装が必要です。

一般的なストレート屋根、ガルバリウムなどの金属屋根も、本来は水に弱い素材でできているため、塗装やメッキを施すことで防水性を高めています。

その表面処理加工も経年劣化が進むことで、防水性を失ってしまいます。防水性を失った屋根は、雨漏りを起こし、家の劣化を加速させてしまいます。

一度雨漏りが起こってしまうと、塗装で表面を防水しても、家の中まで補修することができません。大きな補修工事が必要になる前に、屋根の塗り直しが重要です。

屋根塗装で防水性を高めるには?塗料の種類と特徴

屋根塗装に使われる塗料は様々な種類があり、防水の耐久性も多種多様です。

そのため、どれを選んだらいいか困ってしまいますよね。普段の悩みや要望、お住まいの環境に合わせて塗料を選ぶ必要があります。

屋根塗装に使われる塗料の種類と特徴

塗料に含まれている樹脂の種類で耐久性が異なります。
以下の4種類の塗料で比較してみましょう。

塗料耐久年数特徴
ウレタン系8~10年最も安価で密着性・伸縮性が高い塗料。
綺麗な状態を保ちたい方、色を頻繁に変えたい方におすすめ。
耐久年数が短いため、防水性維持のために、こまめに塗装をする必要がある。
シリコン系10~15年耐久年数も長く、比較的安価なため、1番人気な塗料。
色の種類も豊富で外壁に合わせた色が見つかりやすい。密着性が低いため下地処理を慎重に行う必要がある。
種類が多く、価格だけで決めてしまうと耐久年数が短くなってしまう事もあるため、塗料選びの際に注意が必要。
フッ素系15~20年耐久性が高く、汚れ、紫外線に強いのが特徴。
高い耐久性が求められる公共建築に多く使われていたが、現在は種類も増え、一般住宅にも普及している。
費用が高額になってしまうが、塗膜の劣化が早い、海沿いや日当たりの良い地域などにおすすめ。
無機20~25年セラミックと似た性質を持っており、石やガラスなど経年劣化に強い素材を含んだ塗料。
耐久性が非常に高く、塗り替え頻度も抑えられるため、長期的なコストパフォーマンスが高い。
無機塗料の取り扱いがない業者も多いため、希望する場合は施工が可能か確認が必要。

特殊機能塗料

先ほど紹介した4種類の塗料以外にも、「特殊機能塗料」という種類もあります。

特殊機能塗料とは防水性以外にも機能性のある塗料のことを言います。お住まいの地域環境や室温などのお悩みに合わせて選ぶことができます。

特殊機能塗料特徴
遮熱塗料熱や光を反射する効果のある塗料。
2階が熱い、エアコンの効きが悪い、などのお悩みがある方におすすめ。
しかし、遮熱塗料のみで効果を感じることは難しく、実際は室温-2℃程度のため、他の断熱工事等と合わせて採用するのが良い。
断熱塗料熱伝導を抑える効果がある。
遮熱効果も備わっているため、冬は室内の暖かさを守り、夏はエアコンの冷気を逃さないのが特徴。
遮熱塗料より高い効果を感じることができるが、より断熱性を高めるには二重窓などの対策を同時に行うことがおすすめ。
光触媒塗料光触媒とは光を利用して化学反応を起こし、汚れを分解させる機能。
雨などの際に汚れが流れやすく、セルフクリーニングしてくれるという特徴がある。
急な傾斜の屋根など、表面の状況が見えやすい形状の屋根におすすめ。費用は上がるが、耐久性も高く、綺麗な屋根を維持することができる。

陸屋根・屋上・バルコニーは防水工事が必須!

家の屋根が陸屋根・屋上の場合、排水がある場合も水が溜まりやすく、防水性を失ってしまうと雨漏りが起きてしまいまうため、定期的な防水対策が必要です。

また、バルコニーやベランダの下が、1階の部屋と重なる場合も、防水に気を付ける必要があります。

防水工事・塗装の種類と特徴

防水工事は主に下記の3種類です。

  • ウレタン樹脂防水
  • FRP防水
  • 塩ビシート防水

 それぞれの特徴や作業工程を見てみましょう。

ウレタン樹脂防水

ウレタン樹脂防水は陸屋根に適した防水方法です。

施工後、硬化した後はゴム質に仕上がるため、建物の動きで割れる心配もなく、繋ぎ目がない綺麗な仕上がりとなります。しかし、樹脂を厚く塗る施工は手作業で行われるため、業者によって仕上がり具合に差が出てしまうこともあります。

施工事例が豊富で、信頼できる業者へお願いする事が重要です。また、耐水・防水機能を維持するために、5年に一度、トップコートを塗り直す必要があります。

ウレタン樹脂防水の手順

  1. モルタル樹脂で下地を調整
  2. 浮き上がり防止の脱気シート・脱気筒を設置
  3. ウレタンを2層塗り
  4. トップコートで仕上げ

FRP防水

ベランダ・バルコニーに適した防水方法です。

強度・防水性・耐久性が高く、人の歩く場所におすすめの防水工事です。しかし、機能性が高い防水材のため費用負担が上がってしまいます。

短時間で硬化するため、早く仕上がりますが、硬化までの間、ポリエステル樹脂の激臭がするため、近隣との距離が近い場合は施工日に配慮が必要です。

FRP防水の手順

  • 密着性のあるプライマーで下地処理
  • ガラスマットと呼ばれる繊維強化プラスチックのシートにポリエステル樹脂を染み込ませて密着させ、防水層を形成
  • 防水層を紫外線から守るトップコートで仕上げ

塩ビシート防水

屋上・陸屋根に適した防水方法です。

重ね塗りやトップコート処理の必要がなく、工程が少ないため、低コストで防水工事を行うことができます。

鋼板やビスを使わず、下地に直接接着剤を塗布してシートを貼り付ける〈密着工法〉の場合は、更にコストを抑えることが可能です。しかし、形状が複雑な場合や平らな面でない場合などは施工が困難な場合もあります。

雨の侵入を防ぐため、シートの端を接着・融着させる必要があり、条件に合う物件のみ施工が可能です。

塩ビシート防水の手順

  • 下地の清掃・凸
  • 凸凹を処理する
  • 絶縁シートや脱気シートを敷く
  • シートを固定するための金具を取り付ける
  • 塩ビシートを敷いて接着剤、又は熱融着で貼り合わせる

屋根点検と種類でわかる!屋根塗装のタイミング

劣化状況や屋根の種類によって屋根塗装が必要となる時期は様々です。

台風や強風、ゲリラ豪雨などの影響で、屋根の寿命が来る前に劣化や破損が起きて、防水性を失っている場合もあります。定期的に屋根点検を行い、屋根の状況を把握しておく事が重要です。

屋根の種類別にメンテナンス時期や劣化症状を見ていきましょう。

屋根の種類塗替時期劣化症状
ストレート設置から10〜15年汚れが落ちず、目立ってきたと感じたら塗装時期。
コケの繁殖が見られた場合は、早めの塗装がおすすめ。屋根材の防水性が下がり、雨水が染み込んだ屋根材にコケが繁殖している可能性がある。
セメント瓦設置から15〜20年色褪せが見られてきた場合、表面がザラつき、塗装が剥がれてしまうと、セメントに含まれている成分のカルシウムが流出し、瓦がスカスカになって防水性が失われる。
トタン設置から6〜10年チョーキング現象、色褪せ・サビが見られた場合。
トタンは薄く軽いため施工がしやすい素材だが、一度サビが起きてしまうと、広がるスピードが早いため、小まめなメンテナンスが必要。
ガルバリウム設置から20〜25年表面の塗膜の劣化が見られた場合。
メンテナンスフリーのガルバリウムでも、防水性が失われることがある。金属でできているため、海沿いの地域など、塩害の可能性がある場合は、早めのメンテナンスがおすすめ。
日本瓦60年〜100年塗装の必要なし。20年程度で葺き直しは必要。
瓦の寿命は60〜100年ほどあるが、瓦の下に敷いている防水シートは先に劣化してしまう。そのため、葺き直しは必要になる。また、強風などにより瓦のズレや破損が起きている場合もあるため、定期的な点検が必要。

※チョーキング現象とは:塗膜の成分が経年劣化で分解し粉状になって剥がれてしまう現象

見えない劣化に注意!

雨漏りというと、屋根から水が垂れてくる現象を想像すると思います。しかし、雨漏りのほとんどは、室内からは見えない場所で発生します。

そのため、気づいた時には大掛かりな補修工事が必要となり、費用負担も大きくなってしまいます。屋根が原因の雨漏りは、屋根材の破損やズレ、ゴミが溜まって排水が上手くいかない、などの理由で起こります。

定期的に屋根点検を行って雨漏りを防ぐのが最善の策です。

屋根の防水・雨漏り対策にはどんな方法があるの?

劣化の進んでいない屋根の場合は、塗装の塗り直しで防水性を高めることが可能ですが、屋根の劣化が進んでしまっている場合や、一度雨漏りを起こしてしまった場合は、屋根塗装では雨漏りを防ぐことはできません。

雨漏りが広がってしまう前に対策が必要です。

屋根のカバー工法

既存の屋根に防水シートを敷き、更に上から新しい屋根を被せる工法です。

屋根の重さなどで、耐震性等が心配されがちですが、カバー工法用の屋根材は軽い金属板でできており、ほとんど問題がありません。

断熱性のある屋根材を選ぶことで省エネ効果も期待できます。工程が少なく、廃材処分費もかからないため、低コストで行うことができます。

また、2004年以前の屋根はアスベストが含まれている可能性が高く、撤去する場合は、専門的な解体や処分方法で処理しなければいけません。その場合にもカバー工法がお勧めです。

しかし、瓦の屋根には施工することができませんので、ご自宅の屋根が何でできているか確認は必要です。

屋根の葺き替え

屋根全体の劣化がひどい場合や、雨漏りの影響で基礎の部分まで補強が必要な場合は、屋根を葺き替える必要があります。

既存の屋根を撤去して、野地板と呼ばれる下地材を重ね張りします。その後、防水シートを敷き、屋根材を張ります。

屋根そのものが新しくなるため、屋根の寿命も新築と同様となります。

屋根の葺き直し

日本瓦の場合、屋根材の寿命より前に防水シートや板金部分が寿命を迎えるため、既存の屋根材が問題なく使用できる場合は、屋根を葺き直すことも可能です。

瓦を一時撤去し、防水シートや谷樋板金を取り替え、瓦を戻します。葺き替えより低コストで施工が可能です。

ルーフィングの重要性

カバー工法や葺き替えなどに必ず使われる【ルーフィング】という防水シートは、雨から家を守る重要な役割を持っています。

屋根からの雨漏りで多い原因は、ルーフィングの劣化・破損です。種類が多いため、安価なものを選びがちですが、屋根材と同等の耐久年数を持った物を選ぶ必要があります。

せっかく屋根を葺き替えても、屋根材より先にルーフィングが劣化してしまうと、短期間で再リフォームが必要となってしまいます。

屋根板金の点検・補修

屋根の面と面が合わさる場所や頂点などには板金が使われています。この屋根板金は薄い金属でできているため、小さな傷や塗装の剥がれからサビが広がり、短期間で穴が空いてしまう事があります。

屋根に異常がなくても板金部分から雨漏りを起こす場合がありますので定期的な点検が必要です。

特に注意が必要なのは、屋根の頂点に使われる棟板金です。釘打ちで固定されているため、家の動きなどで釘が抜けてきてしまいます。

釘の緩みを放置しておくと、台風などの風で飛ばされて二次被害が起こってしまう可能性も。5〜10年に一度の点検が必要です。

屋根塗装の手順

屋根塗装を行うには多くの手順があります。

施工をお願いする業者もスケジュールを提案してくれますので、在宅しなければいけない期間など、しっかり相談をしてプランを立ててください。

  1. 現場調査

相談する業者を決めたら現場調査から始めます。屋根の種類、立地、近隣の状況なども見積もり金額に影響します。
この工程を飛ばして見積もりやプランを進めようとする業者や現場調査が短い業者はやめておいた方がいいでしょう。

  1. プラン作成・見積もり請求

見積もりは複数の業者に依頼しましょう。業者によって提供してくれるプランも様々です。

  1. 契約

内容をよく確認してから契約を結んでください。施工後の保証の記載が無いなど、簡単すぎる契約は施工後トラブルに巻き込まれる危険もあります。

  1. ご近所挨拶

音や車の出入りなどで近隣トラブルとなる場合もあります。施工前に挨拶をしておくことをお勧めします。
業者が立ち会ってくれる場合もありますので相談してみてください。

  1. 現場確認・足場設置

現場の状況を確認して足場設置をします。

  1. 養生作業

屋根以外の外壁等に塗料がかからないよう、養生処理をします。

  1. 塗装

塗料の種類によって、下塗り、中塗り、上塗りの回数が決まっています。下塗り後の乾燥が甘いと劣化も早まってしまうため、乾燥を含めると3日以上の日数がかかります。

  1. 完了後検査

表面の仕上がり具合、塗り残し、養生の外し忘れ、塗料の飛び散りが無いかをチェックします。

  1. 足場解体

足場を撤去します。近隣に迷惑がかからないよう慎重に行います。

  1. 施主様確認・引き渡し

仕上がりを確認して引き渡し、完了

屋根塗装の失敗事例

後悔のない施工にするため、屋根塗装の失敗例を見てみましょう。

屋根塗装の重要な工程「縁切り」が行われなかった

縁切りとは、屋根材と屋根材の間の隙間を作る作業です。屋根の上から塗装をすると、本来あった隙間を塗料が埋めてしまいます。

防水性が高まったように感じますが、雨漏りを起こしてしまう大きな原因となってしまいます。屋根の構造上、屋根材と屋根材の隙間は排水をするための大切な役割を持っています。

屋根塗装の後に切れ目を入れたり、塗装前にジョイントを設置して隙間を確保する方法があります。

塗装前の下地調整が甘い

塗装を始める前の洗浄など、下地処理を怠ってしまうと、塗装をしても数年で劣化し、防水性を失ってしまう事もあります。

しっかりと塗装前の基礎を行ってくれる、塗装に慣れた業者にお願いすることをお勧めします。

塗装を塗る回数が規定より少なかった

塗料によって重ね塗りの回数が決まっています。基本は三度塗りという3回重ねて塗装することになっています。

詳しくは、塗料メーカーのホームページでも確認できますので、プラン段階で確認しておくと安心です。

雨漏りの原因が分からないまま塗装してしまった

現場調査が甘く、雨漏りの原因を突き止める前に塗装を行ってしまうと、表面が防水されても雨漏りが改善されず、劣化が進んでしまいます。

雨漏りの心配がある場合は、原因と対処方法を確認してから施工を行ってもらいましょう。

見積もりが安すぎる業者を選んでトラブルになった

金額の安さだけで契約をしてしまうと、後から追加費用を請求されるなど、トラブルにあってしまう事もあります。見積もり項目が簡単で詳細が書かれていない場合は要注意です。

もちろん、作業中に追加施工が必要となる場合もありますが、通常なら追加施工をする前に確認し、再契約をしてから施工します。

許可なく追加施工され、高額な追加費用を請求されてしまった場合は、国民生活センターへ相談しましょう。

まとめ

家を雨風から守るという、重要な役割を持っている屋根には、定期的な点検とメンテナンスが重要です。

そろそろメンテナンスが必要?雨漏りが心配!など少しでもお悩みがある場合は、まず屋根点検をすることをお勧めします。プロの点検で思いがけない劣化が見つかることもあります。

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