外壁塗装業者は資格で選ぶ!特に重要な資格と判断ポイントを解説

外壁は家の美観を決める、家の顔ともいうべき箇所です。外壁塗装を行う時は、信頼できる業者に依頼したいものです。

塗装に関する資格の有無は、業者選びの重要な基準になります。しかし、資格があれば良いというわけではありません。資格の種類や等級についても目を向け、資格の有用性を見極める必要があります。また、資格だけではなく、実績や対応力があるかどうかを確認することも重要です。

今回の記事では、外壁塗装で特に重要な資格や、外壁塗装業者の選び方を紹介します。外壁塗装業者選びで悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

外壁塗装に必須の資格はない

外壁塗装に必須の資格はない

実は、外壁塗装に必須の資格はありません。手続きを踏めば誰でも塗装業者になれます。そのため、悪質な業者や技術不足の業者も多数いるのが現状です。

しかし、だからこそ資格を持っていることが重要になるのです。塗装に関する資格の有無は、業者の質を判断するポイントになります。塗装の技術や知識が豊富であるのはもちろんのこと、職人のスキルアップに熱心な業者であるという証明にもなります。

外壁塗装で重要な資格

外壁塗装で重要な資格

塗装業において必須ともいえる資格は以下の4つです。

  • 塗装技能士
  • 有機溶剤作業主任者
  • 足場の組立て等作業主任者
  • 建築業許可

上の3つの資格は国家資格、一番下は厳しい要件のもととれる資格です。そのため、所持している業者であればかなり信頼度が高いでしょう。

それぞれの資格の内容と重要性を詳しくご紹介します。

塗装技能士

塗装技能士

塗装技能士は塗装技術や知識、実績を備えていることを認定する国家資格です。一定の実務経験を積んだあと、実技試験・筆記試験に合格することで取得できます。実務試験は実際に塗装を行うという本格的なものです。

塗装技能士には1級から3級まであり、1級は7年以上の実務経験が必要になります。1級の所有者は、経験も知識も豊富な塗装の専門家といえるでしょう。

塗装技能士が多く在籍している業者は、国が認める知識と技術を持つ経験豊かなプロが揃う、優良な業者であると判断できます。

有機溶剤作業主任者

有機溶剤作業主任者は、有機溶剤を安全に取り扱う知識と技術を有することを認定する国家資格です。

有機溶剤は他の有機物を溶かす性質を持っています。取り扱いを誤ると人体に悪影響を及ぼしたり、火災事故が起こったりする恐れもある危険な薬品です。

外壁塗料や塗料を薄めるためのシンナーには、有機溶剤が含まれています。そのため、有機溶剤作業主任者を配置することで安全に工事を進めることができます。

学科の講習を受けることにより取得できるため、有資格者の多い資格です。つまり持っていて当たり前であり、この資格すらない塗装業者には注意が必要です。

足場の組立て等作業主任者

足場の組立て等作業主任者

足場の組立てや解体に関する知識や技術を有していることを認定する国家資格です。

工事事故の起こりやすい危険箇所である足場を使用する際には、必ず足場の組立て等作業主任者の有資格者が指揮をしなければなりません。

足場の組立て等作業主任者は年齢と実務経験の条件を満たした後、技能講習を受けることで取得可能です。

 建設業許可

500万円以上の建設工事を請け負う事業者は、建設業許可を取得する必要があります。

建設業許可は工事の種別によって29種類に分類されており、その中の一つが「塗装工事業許可」です。

塗装工事業許可を得るためには、以下の条件を満たしたうえで、国土交通大臣もしくは都道府県知事の許可を得る必要があります。

  • 塗装工事業での経営経験が合計6年以上
  • 他の建設工事業で6年以上経営していた経験がある
  • 経営業務の経験がある人が社長や役員として在籍している
  • 国家資格を保有した専任技術者がいる
  • 資本金500万円以上

戸建て住宅の場合は外壁塗装費が500万円を超えることはほぼないため、建設業許可は必要ありません。

しかし、建設業許可は技術や実績だけではなく、経営面でも優秀であると国や地方自治体が認めたことの証です。そのため、建設業許可の有無は業者の質を見極めるうえで、重要な判断基準になりえます。

外壁塗装であると安心な資格

外壁塗装業者は資格で選ぶ!特に重要な資格と判断ポイントを解説

続いて、外壁塗装においてあると安心な資格をご紹介します。これらの資格を取得している業者は技術や経験が申し分ないだけではなく、塗装に対する意識が高いと判断できます。

建築士

建築・建設分野全般の知識を有していることを認定する国家資格です。

塗装工事には外壁の下地補修やシーリング工事、防水工事、左官工事などさまざまな工事が関わることもあります。建築士が在籍する塗装業者は塗装工事の範囲に留まらない施工の進捗をトータルに監理できる機能を有していると判断できるでしょう。

建築士資格は1級・2級・木造の3種類があります。所定の学歴、資格、経験を満たしたうえで学科と課題制作試験に合格することで取得可能です。

建築施工管理技士

施工管理技士は、現場監督になる知識や経験を有していることを認定する国家資格です。業種によって建築、土木、電気工事など7種類があります。

建築施工管理技士は建築工事全ての施工計画作成や工程管理を担います。建築業許可を得るためにも重要な資格であり、建築施工管理技士のいる塗装業者は大規模な工事を請け負えるレベルであると判断できます。

施工管理技士は1級、2級があり、規定の学歴、資格、実務経験を満たした後、学科試験と実務試験に合格することで取得可能です。

外装劣化診断士 

外装劣化診断士 

外装劣化診断士は、外壁の劣化の診断と補修法に関する知識や技術を有していることを証明するもので、一般社団法人 住宅保全推進協会が定める民間資格です。

劣化した原因を断たなければ、塗装しても再劣化するという堂々巡りに陥りかねません。外壁の劣化状況を把握し、適切な塗装・補修方法を提案できる外壁劣化診断士がいれば安心です。

戸建住宅劣化診断士

木造住宅塗装リフォーム協会が主催する資格で、木造住宅の劣化診断とリフォームの提案ができる知識・技術を有していることを認めるものです。

戸建住宅劣化診断士は外壁だけではなく、住宅構造や耐震性、内装、設備、給排水など、戸建住宅の劣化状況を診断できます。

単に「外壁が劣化している」というだけではなく、なぜ劣化しているのか、他にどのような問題が生じているのかを関連付けてアドバイスできるため、外壁以外に気になる点がある場合は、戸建住宅劣化診断士のいる塗装業者に依頼すると良いでしょう。

外壁診断士

外壁診断士は、外壁の状態や補修に関して、適切なアドバイスができる技能を備えていることを認定する民間資格です。一般社団法人 全国住宅外壁診断士協会実施の学科試験に合格することで取得できます。

外壁診断士の資格所有者は、外壁に関する知識や経験があり、適切なアドバイスができると判断できます。

雨漏り診断士

NPO法人 雨漏り診断士協会が定める民間資格で、雨漏りの対策や修理に関して、専門知識を有していることを認定するものです。

雨漏りはさまざまな要因が重なって生じます。要因に応じた対策をしなければ、根本的な解決は望めません。

雨漏り診断士は建物の構造を把握し、雨漏りの原因を突き止めて適切な対策を講じます。また、再発を防ぐためのアドバイスも行います。

雨漏りで悩んでいる方は、まず雨漏り診断士のいる外壁塗装業者に相談してみましょう。

窯業サイディング塗替診断士

窯業サイディング塗替診断士

窯業サイディングとは、セメントに繊維質を混ぜ高温で焼成した外壁材で、現代日本の外壁の多くを占めています。

この窯業サイディングの塗替え、張替えの専門家であることを認める資格が、窯業サイディング塗替診断士です。

窯業サイディングメンテナンス診断士

上述の窯業サイディング塗替診断士と同じく、木造住宅塗装リフォーム協会により定められた資格で、窯業サイディングのメンテナンス専門家を認定するものです。

窯業サイディング材は普及から20年を超えており、張替えが必要な時期を迎えているものも多く見られます。窯業サイディング塗替診断士及び窯業サイディングメンテナンス診断士の役割は、これからさらに重要性を増すと考えられます。

防水施工技能士

防水施工技能士

防水に関しての知識や技能があることを証明する国家資格です。

外壁塗装と防水工事には密接な関係があります。雨漏りを防がなければ、塗装をしてもひびや剥がれを繰り返すことになってしまいます。外壁塗装と並行して防水工事を行うことで、外壁の耐久性アップが可能です。

防水施工技能士は1級、2級があり、資格取得のためには実技試験と学科試験の両方に合格する必要があります。試験では防水材の施工方法や塗料の扱い方、法令、建築についての一般知識など、幅広い知識が求められます。

外壁塗装マイスター

日本外壁塗装マイスターズが定める民間資格です。塗装業者の選定に悩む消費者のために、外壁塗装に関する知識と技術がある技術者を認定するものです。

最も大きな特徴は、顧客視点で評価している点です。技術面だけではなく、実績や倫理性、顧客からの信頼の有無も考慮して選定されます。資格所有者が多い塗装業者は、対応力も十分であると評価できるでしょう。

外壁塗装業者を資格で選ぶ際のポイント

外壁塗装業者を資格で選ぶ際のポイント

外壁塗装業者を資格で選ぶ場合は、その中身にも目を向けなくてはなりません。資格の確認法と着目ポイントをご紹介します。

資格所有の確認方法

外壁塗装業者の多くは、公式サイトに職人の資格所有状況や所有者数を掲載しています。まずは公式サイトを確認してみましょう。

公式サイトに情報がない場合は、業者に直接尋ねると良いでしょう。信頼できる業者であれば、隠すことなく情報を教えてくれるはずです。

資格所有を確認する際の注意点

資格所有を確認する際の注意点

資格は単にあれば良いわけではありません。その内容や資格取得者数も重要な選定ポイントになります。特に注意したい点は以下の通りです。

所有人数や等級を確認する

資格の有無だけではなく、所有人数を確認することも重要です。資格所有者が数人程度しか在籍していない場合、資格所有者が自宅の塗装を担当する可能性が低くなるためです。

また、等級の確認も忘れてはなりません。

塗装技能士や建築士は1級から3級まであります。3級は初心者レベルであり、技能や経験を評価するには不十分です。

等級のある資格にも関わらず、公式サイトや資料に明記していない場合は注意が必要です。

公式の資格であるかを確認する

資格の内容に「○○マイスター」や「○○技能」というような、聞いたことのない資格が列挙されている場合は要注意です。そうした資格は企業が勝手に作った資格であり、信頼性に欠けるためです。

上記でご紹介したような公的資格であるかどうかを確認しましょう。

資格だけで判断しない

資格は外壁塗装業者の質を判断する重要な要素ではありますが、全てではありません。たとえ有資格者が多くても、対応が不誠実な業者は存在します。実際に担当者と話をして、信頼に足る業者であるかどうかを判断しましょう。

優良な外壁塗装業者を選ぶ際のポイントは、次項で解説します。

外壁塗装業者を資格以外で選ぶ際のポイント

外壁塗装業者を資格以外で選ぶ際のポイント

外壁塗装業者を選ぶ際には、資格の有無だけではなく、実績や対応などの面も確認する必要があります。以下の点に気を付けて、外壁塗装業者の良し悪しをしっかり判断しましょう。

工事の実績を開示しているか

優良な塗装業者は、公式サイトに工事の実績を開示しています。施工事例やお客様の声、見積もり例などを細かく掲載している所もあり、自分が望む施工を行ってもらえるかどうかの判断材料になるでしょう。また、実績を積極的にアピールする塗装業者は、技術力に自信があると考えられます。

ホームページに実績を掲載しておらず、尋ねても教えてくれない塗装業者は要注意です。施工の質に自信がない、もしくは悪徳業者である危険性があります。

営業マンの対応は丁寧か

営業マンの対応は丁寧か

ホームページや口コミだけではなく、実際に話をして対応力を見極めることも重要です。まずは営業担当とじっくり話をしてみましょう。

信頼できる営業マンの特徴は以下の通りです。

  • 専門用語を分かりやすく説明してくれる
  • 質問に丁寧に答えてくれる
  • 契約を急がせない

見積書は明確か

見積書も塗装業者の良し悪しを判断する貴重な材料になります。

特に注意したいのは「一式」と記載されている見積書です。一式としてまとめられると、塗料費・施工費などの内訳が分かりません。この曖昧さを利用して、塗料の質を下げたり、量を間引いたりして不当に利益を吊り上げる悪徳業者もいるため注意が必要です。

工事の内容や塗装の面積、塗料名とメーカー名が正確に記載されているかどうかを確認しましょう。

保証やアフターフォローはあるか

保証やアフターフォローはあるか

優良な塗装業者は、施工後の保証やアフターフォローも手厚いのが特徴です。10年保証や定期メンテナンスを設けている塗装会社であれば、万が一施工に不具合があった時も低コストでリカバリーできます。

ただし、質の悪い塗装業者の中には、保証内容を極めて限定的に定めており実質保証がない、口約束だけで保証書を渡さず、結局保証をしないといったところもあるため注意が必要です。

保証期間や内容は慎重に確認したうえで、必ず保証書を受け取るようにしましょう。

まとめ

まとめ

塗装業者にあると安心な資格や塗装業者の選び方について解説しました。資格の有無は塗装業者を評価するうえで重要なポイントになります。資格の種類や等級、所有者数まで入念に調べ、塗装業者の質を見極めることができます。

ただし、資格だけで判断するのは好ましくありません。自分自身で塗装業者と話をして、対応力や知識・経験の程度を把握することも重要です。

塗装業者選びでお悩みの方は、ぜひペイプロをご利用ください。ペイプロでは、全国28,000の塗装業者の中から150社を厳選してご紹介します。地元密着型の自社施工にこだわる優良業者ばかりのため、アフターフォローも充実しています。

電話やLINEでのお問い合わせもできますので、まずはお気軽にご相談ください。

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