モルタル外壁は、風雨や紫外線の影響を受けやすく、定期的な塗装が欠かせません。そこで本記事では、モルタル外壁の劣化のサインや塗装の手順を解説します。適した塗料や費用の目安もまとめてありますので、ぜひ参考にしてください。
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モルタル外壁とは?基本知識を解説

モルタル外壁は、セメントと砂を混ぜて仕上げられた外壁材です。独特の質感と高い耐火性があります。ここでは、モルタル外壁の基本情報(メリット・デメリット・他の外壁材との違い)をわかりやすく解説します。
モルタル外壁のメリット
優れたデザイン性と施工の自由度が、モルタル外壁のメリットです。
モルタル外壁のメリット | 詳細 |
優れたデザイン性 | 左官職人の手仕事によって、様々な表情を演出できる (リシンやスタッコ、吹き付けタイルなど) 個性的な外観に仕上げられる |
施工の自由度 | 継ぎ目がない構造で、防火性や耐久性に優れている 地震の揺れにも、ある程度耐えられる |
このように、モルタル外壁はデザイン性と機能性を両立した魅力的な外装仕上げ方法です。
モルタル外壁のデメリット
ただし、モルタル外壁にはクラック(ひび割れ)が入りやすいというデメリットがあります。
- モルタルは乾燥や温度変化の影響を受けやすい
- 施工後に細かな亀裂が入ることが少なくない
- クラックから雨水が内部に浸入すると、建物全体の劣化につながる
- 塗装の劣化によって防水性が失われると、汚れやコケが付着する
モルタル外壁には、定期的な塗り替えが不可欠です。性質を理解し、早めにメンテナンスを計画してください。
モルタル外壁の種類
モルタル外壁にはいくつかの仕上げ方法があり、それぞれに特徴や風合いが異なります。代表的な種類は、「リシン仕上げ」「スタッコ仕上げ」「吹き付けタイル仕上げ」などです。
モルタル外壁の種類 | 特徴 |
リシン仕上げ | 吹き付けて塗装する 細かい砂状の骨材入りで通気性が良い コストが低め |
スタッコ仕上げ | 厚みのある塗材をコテやローラーで塗りつける 重厚感がある 断熱性が高い |
吹き付けタイル仕上げ | 凹凸のあるタイル模様をスプレーで表現する 耐久性が高い 塗膜が厚い |
仕上げ方によって、モルタル外壁の印象やメンテナンスのしやすさが変わります。建物の用途や好みに合わせて選ぶことが大切です。
他の外壁材(サイディング等)との違い
モルタル外壁と他の外壁材との違いは、材質と施工方法です。
外壁材の種類 | 材質 | 施工方法 |
モルタル外壁 | セメントに砂を混ぜて作られる 無機質で防火性が高い | 左官職人が手作業 コテや吹き付けで仕上げる |
窯業系サイディング | セメントと繊維質から成型される デザインが豊富にある | 工場でパネルを成型する 現場で張り付ける |
金属系サイディング | ガルバリウム鋼板などの金属から製造される 断熱材一体型の製品もある | 軽量な金属パネルを使用する ビスや金具で壁に取り付ける |
現場で職人が手作業で塗りながら仕上げるモルタルは、独自のデザインを実現できます。ただし、仕上がりは職人の技術に左右されやすく、劣化も比較的早いため、こまめなメンテナンスが必要になります。それぞれの特徴を理解して、自宅に合った外壁材を選ぶことが大切です。
モルタル外壁の劣化のサインと塗り替え時期

モルタル外壁は時間の経過とともに劣化し、外観や機能に影響が出てきます。ここでは、代表的な劣化のサインと塗り替え時期、劣化を放置するリスクについて詳しく解説します。
劣化のサインとは?(チョーキング・ひび割れ・剥がれなど)
モルタル外壁の塗り替えが必要かを見極めるには、劣化のサインを正しく知っておくことが大切です。代表的な症状をご確認ください。
モルタル外壁の劣化のサイン | 症状 |
チョーキング現象 (塗膜の防水機能が低下している) | 手で外壁をこすった際に白い粉がつく |
ひび割れ (クラック) | 雨水が浸入する |
塗膜の剥がれやふくらみ | 塗装の密着性が失われている |
モルタル外壁の耐久性と美観を保つためには、劣化のサインを見逃さずに早めの塗装メンテナンスにつなげることが重要です。
塗り替えタイミングの目安は?
モルタル外壁の塗り替え時期の目安は、一般的に築10年程度です。
- 一般的な塗料の耐用年数は、7〜15年程度
- 吸水性の高いモルタルは、経年劣化が進みやすい
もちろん使用された塗料の種類や建物の立地条件などによって、適切な塗り替えのタイミングは異なります。築10年を過ぎたら、一度モルタル外壁の状態をチェックしてみるのがおすすめです。劣化が進む前に塗り替えを行うことで補修範囲が小さく済み、結果的にコストを抑えることにもつながります。
放置するとどうなる?劣化によるリスクは?
劣化したモルタル外壁を放置してしまうと、さまざまなリスクが発生します。
モルタル外壁の劣化 | 放置するリスク |
チョーキング | 防水性が低下していく 断熱性能の低下やカビの発生にもつながる |
クラック | 雨水が侵入し、内部の木材を腐らせてしまう |
塗膜の剥がれやふくらみ | 塗膜が落下して事故を引き起こす |
外壁塗装の劣化を放っておくと、見た目だけでなく建物の構造や住環境にも悪影響が出てしまいます。大きなトラブルを防ぐためにも、早めに対策しておきましょう。
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モルタル外壁塗装の手順と期間

モルタル外壁の塗装には見た目を整えるだけでなく、耐久性を高めて建物を長持ちさせる効果もあります。塗装工程には複数のステップがあり、適切な手順で進めることが品質を左右するコツです。ここでは、モルタル外壁塗装の手順と期間について、わかりやすくご紹介します。
足場の設置と養生
モルタル外壁塗装において、最初に足場の設置と養生を行います。塗装作業は高所で行われるため、作業の安全性と仕上がりの美しさを確保するためにとても重要です。
- 足場をしっかりと組むことで、職人が安定した姿勢で作業できる
- 養生で、塗料が付着してはいけない部分をシートやテープで保護する
- 窓や玄関、エアコンの室外機、植木などを養生する
- 足場の設置と養生には、数時間から1日程度がかかる
養生が丁寧に行われていないと、塗料の飛び散りやはみ出しによって美観が損なわれるだけでなく、清掃の手間や追加費用の原因にもなります。足場と養生は塗装工事の「土台」ともいえる大切な工程であり、塗装工程の品質にも直結します。
下地処理(高圧洗浄・クラック補修・ケレン作業など)
モルタル外壁塗装の成功には、下地処理の質が大きく影響します。
- 高圧洗浄で外壁の汚れやカビ、古い塗膜を除去する
- ひび割れ(クラック)があれば補修材で埋める
- 浮きや剥がれが見られる箇所をケレン作業で整える
- 半日から1日程度がかかる
下地処理が丁寧に行われてこそ、モルタル外壁の塗装が長持ちするのです。
重ね塗り(下塗り・中塗り・上塗り)
モルタル外壁の塗装は、基本的に三度塗りで仕上げます。
- 下塗りで、下地と塗料を密着させる(プライマーの塗布)
- 中塗りで、色味や膜厚を均等に整える
- 上塗りで、最終的な仕上がりと耐久性を確保する
- 各工程に、半日から1日程度がかかる
工程ごとに乾燥させながら丁寧に塗り重ねることで、美しく丈夫な塗膜が完成します。塗り回数をごまかさず、誠実に施工してくれる業者を選びましょう。
乾燥
モルタル外壁の塗装では、各工程の間に十分な乾燥時間を確保することが不可欠です。下地が乾燥していない状態や塗料が硬化していない状態で次の工程に進むと、剥がれやムラの原因になります。
- 1回の塗布後に乾燥するまで、数時間から1日程度がかかる
- 塗料の種類や温湿度によって、乾燥時間は変化する
- 特に湿気の多い時期には、乾燥に時間をかける
十分な乾燥時間は、仕上がりの品質と塗膜の寿命を大きく左右するポイントです。
解体・清掃
モルタル外壁の塗装が完了したら、養生シートや足場の撤去、周辺の清掃などを行います。
- 塗料の飛散や養生の跡が残っていないかを細かくチェックする
- 玄関まわりや植栽の洗浄など、建物周辺まで配慮する
解体や清掃の丁寧さは、塗装工事の質にもつながります。最後まで気持ちよく工事を終えるためにも、清掃や片付けをきちんと行うことが大切です。
引き渡し
モルタル外壁塗装の全工程が完了したら、施主への引き渡しが行われます。
- 施工内容や仕上がりを最終チェックする
- 気になる箇所があれば、修正対応してもらう
- 保証書やメンテナンス方法などを説明してもらう
信頼できる業者は、引き渡し時も丁寧な対応をしてくれます。疑問があれば、遠慮せず質問することが大切です。
モルタル外壁におすすめの塗料と選び方

モルタル外壁の特性上、選ぶ塗料によって仕上がりや耐久性が大きく変わります。ここでは、モルタルと相性の良い塗料の種類や性能、コストパフォーマンスなど、塗料選びのポイントをわかりやすく解説します。
モルタルと相性の良い弾性塗料を選ぶ
モルタル外壁には、柔軟性と密着性の高い弾性塗料を選ぶことが重要です。モルタルは水分を吸収しやすく、ひび割れが生じやすい素材のため、弾性のある塗料が適しています。
モルタル外壁に合う塗料 | 用途 | 特徴 |
微弾性のフィラー | 下塗り | 弾力性があり、微細なクラックを埋める 密着性が高く、防水性にも優れている |
弾性のシリコン塗料 | 重ね塗り | シリコンの撥水性に、弾性が加わっている ひび割れに対する追従性が高い |
弾性のフッ素塗料 | 重ね塗り | 耐候性・耐久性がとても高い 本体価格は高くなる |
塗料選びで失敗しないためには、素材に合わせた性能を持つ製品を選定することが大切です。適切な塗料を使えば、仕上がりの美しさと耐久性の両方を手に入れることができます。
種類ごとの性能を比較する
塗料の性能は、種類ごとに大きく異なります。
塗料の種類 | 性能 |
アクリル塗料 | 価格が安い分だけ紫外線や雨に弱く、劣化が早い |
ウレタン塗料 | クラックに対応しやすいが、耐久性がやや短い |
シリコン塗料 | 撥水性と追従性が高い |
フッ素塗料 | 紫外線や雨風に強いが、塗膜が割れやすい |
同じ弾性塗料であっても、性能の違いを踏まえて選ぶことが大切です。
塗装工法を検討する
ひび割れへの追従性や防水性が求められるモルタル外壁には、弾性塗料を用いた塗装工法(「微弾性塗料工法」「単層弾性工法」「複層弾性工法」)が適しています。
モルタル外壁の塗装工法 | 特徴 |
微弾性塗料工法 | 微弾性フィラーの下塗りに、通常の塗料で上塗りする 軽微なクラックを対策できるコストが安く済む |
単層弾性工法 | 通常の下塗りに、弾性塗料で上塗りする 仕上がりが比較的シンプルでコストも抑えられる 小規模住宅や軽微な劣化に向いている 膜厚が薄くなりがちで、クラックへの追従力は限定される |
複層弾性工法 | 通常の下塗りに、弾性フィラーの中塗りと上塗りを重ねる 膜厚があるため、ひび割れ追従性や防水性が高い 模様付けができるため、意匠性も優れている クラックが多い外壁や高級感を出したい外壁に適している |
モルタル外壁の劣化状態や予算、仕上がりの希望などによって、適した塗装工法は異なります。業者と相談しながら、機能性と見た目の両方を満たす塗装方法を選ぶことが大切です。
コストパフォーマンスを検討する
モルタル外壁に合う塗料を選ぶためには、初期費用だけでなく「長期的なコストパフォーマンス」を意識することが重要です。
塗料の種類 | コストパフォーマンス |
アクリル塗料ウレタン塗料 | 安価だが、塗り替え頻度が多い (5〜10年ごとに塗り替えが必要になる) |
シリコン塗料フッ素塗料 | 初期費用が高いものの、耐久性が高い (15〜20年ごとの塗り替えで済む) |
長い目で見て、初期費用とメンテナンスコストのバランスを検討することで、より満足度の高い選択ができます。
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モルタル外壁塗装の費用

モルタル外壁塗装を検討するときには、費用が気になるものです。ここでは1㎡あたりの単価や施工全体の相場、費用に影響する要素、さらにコストを抑える方法について解説します。
1㎡あたりの単価と施工全体の相場
モルタル外壁塗装費用の相場は、1㎡あたりおよそ4,000円~8,000円程度です。例えば100㎡の外壁であれば、総額40万円~80万円程度がかかります。
- 一般的な見積書には、工賃に足場代や下地処理代なども含まれる
- 使用する塗料のグレードや立地条件などによって、費用は上下する
事前に複数の業者から見積もりを取ることで、適正価格を把握しやすくなります。
費用を左右する要素(劣化の状況や塗料のグレードなど)
モルタル外壁塗装の費用は、さまざまな要素によって変動します。
費用を左右する要素 | 詳細 |
劣化の状況 | 外壁の劣化が激しいと、補修や下地処理に手間がかかる (追加費用が発生する) |
塗料のグレード | 選ぶ塗料の種類によって、価格が大きく異なる (アクリル・ウレタン塗料は比較的安価だが、フッ素・無機塗料は高価である) |
施工環境 | 建物の形状や塗装面積、足場の設置難易度などが影響する |
以上の要素を総合的に考慮して、予算に応じた計画を立てましょう。
費用削減の方法(複数業者の相見積もりなど)
モルタル外壁塗装費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取り比較検討することが基本です。相場よりも明らかに安い場合は、手抜き工事や材料の質が低い可能性があります。
- 適正価格で丁寧な施工を行う業者を選別する
- 塗料のグレードを下げなくても、コストを削減できる
例えば工事内容の見直しや不要なオプション作業の排除で、コストの削減が可能です。無理のない範囲で費用対効果の高いプランを選ぶことが、満足度の高い外壁塗装につながります。
モルタル外壁塗装を依頼する業者を選ぶときのポイント

モルタル外壁の塗装を長持ちさせるためには、信頼できる業者に依頼することが不可欠です。ここでは、経験豊富な業者の見分け方や保証内容・口コミの確認などのポイントを解説します。
経験豊富な業者を見分ける
モルタル外壁塗装は職人の技術力によって仕上がりが大きく左右されるため、経験豊富な業者を選ぶことが重要です。モルタル外壁はひび割れしやすく、下地処理の丁寧さや塗料の選定が耐久性に直結するからです。以下のようなポイントをチェックしましょう。
- 施工実績が豊富か
- モルタル専門の施工事例があるか
- 建物の状況に応じた提案をしてくれるか
公式サイトの施工事例や営業担当者の説明を確認しながら、信頼できる経験豊富な業者を選定しましょう。
施工保証やアフターフォローの内容をチェックする
業者選びでは、施工後の保証やアフターフォローの中身も重要な判断基準になります。万が一、施工後に不具合が発生したときに保証がないと、追加費用が発生するからです。
- 「5年保証」「定期点検」「無料補修」などが整っていると安心感がある
- 契約前に保証内容を文書で確認する
将来的なトラブルを未然に防ぐためにも、アフターサービスの内容を確認することがとても重要です。
口コミ・評判を調査する
実際にモルタル外壁塗装を依頼した人の口コミや評判は、判断材料として非常に参考になります。なぜなら施工の丁寧さや対応の良し悪しは、業者の公式サイトだけではわかりにくい部分だからです。
- Googleマップのレビューや比較サイト、地域の掲示板などを活用する
- 良い評価だけでなく、悪い評価にも目を通す
「現場の清掃が丁寧だった」「説明がわかりやすかった」といった具体的な声はとても参考になります。口コミや評判をしっかりチェックして、後悔しない業者選びにつなげましょう。
モルタル外壁塗装に関するよくある質問(FAQ)

モルタル外壁塗装を考えるときに、気になるポイントはいくつかあります。ここでは、「メンテナンスの必要性」「雨の日の作業」「DIYでできるか」など、よくある質問にわかりやすくお答えします。
塗装後のメンテナンスは必要か?
はい、モルタル外壁塗装後に定期的なメンテナンスは必要です。モルタル外壁には年月とともに微細なひび割れが生じやすく、放置すると雨水が侵入しやすくなります。
- 年に数回は外壁の点検を行う
- チョーキング(白い粉が出る現象)やひび割れがないかを確認する
- 塗膜の劣化を早期に発見して対処すれば、大規模な修繕を避けられる
塗装の美観と耐久性を維持するために、モルタル外壁のメンテナンスは欠かせません。
雨の日でも作業できるか?
いいえ、基本的に雨の日にはモルタル外壁塗装を行えません。塗料がうまく乾燥せず、仕上がりにムラや剥がれが生じるリスクが高くなります。
- 塗料が雨に流されると再塗装が必要で、工期が長引いてしまう
- 高圧洗浄や乾燥が必要な工程も、雨天では適切に行えない
そのため、天気予報を見ながらスケジュールを調整するのが一般的です。品質を保つためにも、天候に合わせた対応が求められます。
DIYでも可能か?
はい、モルタル外壁塗装はDIYでも可能です。ただし基本的には、専門業者に依頼することをおすすめします。モルタル外壁の塗装には、専門的な知識と技術が必要だからです。
- 正しい手順を踏まなければ、塗料の性能が発揮されない
- 施工経験が浅いと仕上がりにムラが出たり、すぐに劣化したりしてしまう
信頼できる業者に依頼すれば、高圧洗浄や下地処理、クラック補修、弾性塗料選びまでしっかり任せられます。長く住まいを守るためにも、プロの技術に頼るのがおすすめです。
まとめ:モルタル外壁の塗装で美観と耐久性を維持しよう

モルタル外壁の塗装は、住まいの美観を守り、劣化を防ぐために欠かせないメンテナンスです。適切な塗料と信頼できる業者を選んで、住まいの寿命を延ばしましょう。
外壁・屋根塗装を検討されている方は、ぜひペイプロをご利用ください。ペイプロは、外壁塗装の専門業者を比較・紹介してくれる無料のマッチングサービスです。厳選された優良な外壁塗装業者を紹介しています。ご相談は無料で行っておりますので、お気軽にお問い合わせください!