近年、外観がスタイリッシュで耐久性にも優れた、ガルバリウム鋼板の外壁が人気を集めています。しかし「ガルバリウム鋼板外壁の費用はどれくらい?」「コストを抑える方法はある?」と疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ガルバリウム鋼板の特徴から価格相場、コストを抑える方法まで徹底解説します。外壁工事を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

監修者:鹿野 博之
保有資格:中小企業診断士・宅建合格者・住環境測定士(補)など
経営改善、事業承継支援、企業研修、補助金申請支援などを得意としています。
ガルバリウム鋼板の特徴とは?他の外壁材との違いを比較

ガルバリウム鋼板は、耐久性や施工性に優れた優秀な外壁材です。一般的な外壁材と比較して、どのような特徴があるのか解説します。
ガルバリウム鋼板の基本的な性能
ガルバリウム鋼板とは、鉄の表面に亜鉛やアルミニウム、シリコンの合金をコーティングした金属板です。従来のトタン(亜鉛めっき鋼板)と比較して軽量なうえ、耐食性や耐久性に優れています。
熱伝導率が高く断熱性は低いものの、モダンでスタイリッシュなデザインが人気です。また施工性が良く工期が短く、リサイクル可能な環境配慮型素材であることも大きな利点です。
特に耐食性はトタンの約2~3倍とされ、適切なメンテナンスを行えば30年以上の長期使用も可能です。軽量なため既存の建物への負担も少なく、リフォーム材料としても適しています。
サイディングやモルタルとの違い
ガルバリウム鋼板と他の外壁材料を比較すると、それぞれに違いがあります。
比較項目 | ガルバリウム鋼板 | サイディング | モルタル |
---|---|---|---|
素材 | 金属板 | セメント、木材など | セメント系 |
耐久性(目安) | 約30年 | 約15~20年 | 約10~15年 |
重量(目安) | 約3~4kg/㎡ | 約15~20kg/㎡ | 約40~60kg/㎡ |
断熱性 | 低い | 中程度 | 低い |
防音性 | 低い | 中程度 | 中程度 |
デザイン | モダン・金属的 | 多様な柄・質感 | シンプル |
価格(材料費目安) | 約3,000~8,000円/㎡ | 約3,000~7,000円/㎡ | 約2,000~4,000円/㎡ |
ガルバリウム鋼板はサイディングと比較すると軽量で耐久性に優れていますが、断熱性や防音性では劣ります。価格は同程度ですが、デザイン性に違いがあります。
モルタルと比較すると、ガルバリウム鋼板は軽量で耐久性も高いですが、価格は若干高めです。また、ひび割れなどの劣化が、モルタルに比べて少ないというメリットがあります。
表から分かるように、ガルバリウム鋼板は耐久性と軽量性に優れた外壁材といえます。
ガルバリウム鋼板外壁の価格や耐用年数を紹介

ガルバリウム鋼板の価格と耐用年数について、詳しく解説します。初期投資とメンテナンスコストを確認し、外壁に使用するか検討しましょう。
ガルバリウム鋼板の一般的な価格
ガルバリウム鋼板の価格は、種類や厚み、仕上げの違いによって変わります。一般的な価格相場は、以下の通りです。
種類 | 板厚の目安 | 塗膜仕様・主な特徴 | 価格(㎡あたり) |
---|---|---|---|
標準タイプ | 0.35 mm(住宅屋根・外壁の一般的厚み) | ポリエステル樹脂焼付塗装(塗膜約20 µm)色数:10~15色耐候年数:20~30年 | 3,000~5,000 円 |
高級タイプ | 0.4~0.6 mm(外壁用に多い厚み) | フッ素樹脂焼付塗装(塗膜約25~30 µm)カラーバリエーション豊富(20色以上)耐候保証:20年以上 | 5,000~8,000 円 |
特殊仕様 | 0.5 mm以上(公共施設など高耐久要求向け) | PVDF系フッ素樹脂塗装(塗膜約30 µm以上)二層塗り・エンボス加工オプション防汚・防指紋コート | 8,000~15,000 円 |
ただし、あくまで材料費の目安であり、施工費や付帯工事費は含まれていません。また板厚や表面処理、メーカーによっても価格は大きく異なります。
また、ガルバリウム鋼板は。板厚0.35mm~0.4mmが一般的です。0.5mm以上の厚みを選ぶと耐久性は向上しますが、価格も上がります。
ガルバリウム鋼板の耐用年数
ガルバリウム鋼板の耐用年数は、一般的に25~30年程度です。トタンやモルタル、サイディングと比較して長いです。
耐用年数に影響する主な要因としては、設置環境(海岸部や工場地帯では短くなる傾向)、板厚と表面処理の品質です。メンテナンスの頻度や質、施工品質などでも、耐用年数が前後します。
適切なメンテナンスを行うことで、耐用年数を超えて使用できる可能性もあります。一般的には、10~15年程度で塗装のメンテナンスが必要です。
税法上の耐用年数は、金属製外壁で15年とされていますが、実際の使用可能期間は長いケースが多いです。
ガルバリウム鋼板外壁の工事にかかる費用相場

ガルバリウム鋼板外壁の、施工にかかる費用について解説します。材料費だけでなく、施工費や付帯工事費も含めた総額を把握しましょう。
ガルバリウム鋼板の外壁工事における費用の内訳
ガルバリウム鋼板の外壁工事費用は、材料費や施工費、足場設置などの項目が含まれています。全体的な割合としては、以下の通りです。
費用内訳 | 全体の割合 |
---|---|
材料費 | 25%〜30% |
施工費 | 40%〜45% |
足場代 | 15%〜20% |
その他 | 10%〜15% |
工事の難易度や、地域による労務単価の違いなどによっても価格は変動します。特に都市部と地方では人件費に差があるため、同じ条件でも総額が異なります。
【坪数別】ガルバリウム鋼板の外壁リフォーム価格をシミュレーション
一般的な住宅の坪数別に、ガルバリウム鋼板外壁工事の費用シミュレーションを行いました。以下は、標準的な施工条件での目安です。
家の大きさ | 外壁面積の目安 | 張り替え工法の費用 | カバー工法の費用 |
---|---|---|---|
20坪(66㎡) | 約80~100㎡ | 120~180万円 | 100~150万円 |
30坪(99㎡) | 約100~130㎡ | 150~230万円 | 130~200万円 |
40坪(132㎡) | 約130~160㎡ | 200~300万円 | 170~250万円 |
50坪(165㎡) | 約160~200㎡ | 250~350万円 | 210~300万円 |
表の金額は、材料費や施工費、足場代などを含んだ総額です。実際の費用は、建物の形状や既存外壁の状態、地域差などによって変動します。
カバー工法と張り替え工法における費用を比較
外壁リフォームには「カバー工法」と「張り替え工法」の2種類があります。それぞれの特徴と、費用の違いを説明します。
工法 | 概要 | メリット | デメリット | 費用目安(材工共) |
---|---|---|---|---|
カバー工法 | 既存の外壁の上からガルバリウム鋼板を重ねて施工する方法 | 工期が短い、廃材が少ない、費用が抑えられる | 既存外壁の問題点が隠れる、建物が若干厚くなる | 約 8,000~12,000円/㎡ |
張り替え工法 | 既存の外壁を全て撤去してから新しいガルバリウム鋼板を施工する方法 | 下地の状態を確認できる、正確な施工が可能 | 工期が長い、廃材処理が必要、費用が高い | 約 10,000~15,000円/㎡ |
一般的に、カバー工法は張り替え工法より2~3割程度費用を抑えられます。ただし、既存外壁の状態が悪い場合は、カバー工法ができない場合もあります。
工事費(施工費・人件費)の目安
ガルバリウム鋼板外壁の、施工費や人件費の相場は以下の通りです。
工事内容 | 単価(㎡あたり) | 備考 |
---|---|---|
標準施工 | 5,000~7,000円 | 一般的な施工条件 |
複雑な形状 | 7,000~9,000円 | 出入りが多い、複雑な形状 |
高所作業 | 8,000~10,000円 | 3階建てなど高所での作業 |
施工費は、作業の難易度や建物の条件によって大きく変わります。複雑な形状の住宅や高所作業が多い場合は割増になります。また、地域によっても労務単価が異なるため、目安として考え実際は見積もりを取り比較しましょう。
足場設置・撤去費用の相場
外壁工事には、安全確保のために足場の設置が必須です。足場の設置や撤去費用の相場は、以下の通りです。
項目 | 費用(㎡あたり) | 備考 |
---|---|---|
一般的な足場 | 600~900円 | 一般的な住宅用足場 |
高所用足場 | 900~1,200円 | 3階建て以上など |
養生シート | 100~200円 | 粉塵・騒音対策用 |
一般的な2階建て住宅の場合、足場設置や撤去費用の総額は15~25万円程度が目安です。ただし、敷地条件や建物形状によっては、追加費用が発生します。
足場代は、工事費用全体の約15~20%を占める重要な費用項目です。複数の工事を同時に行うと、足場代を分散させられます。外壁以外のリフォームも考えている方は、一度に依頼するのがおすすめです。
ガルバリウム鋼板の外壁費用を安く抑える方法

ガルバリウム鋼板外壁の費用は、価格交渉などで安く抑えられる可能性があります。外壁工事は、まとまった費用が必要なので、以下の方法を参考に費用負担を減らしましょう。
複数の業者から相見積もりを取得して価格交渉する
外壁の費用は、業者によって大きく異なります。最低でも3社以上から見積もりを取り、価格交渉すると費用を抑えられます。見積もりを比較する際は、使用する材料のメーカーや品番、施工面積の計算方法などを確認するとよいでしょう。
ただし、単に価格だけを見ず、施工品質や実績、アフターサービスなども確認し適正価格か判断しましょう。
火災保険が適用できるか確認する
台風やひょうなどの自然災害によって、外壁が損傷した場合、火災保険の補償対象となる可能性があります。保険が適用されれば、リフォーム費用の一部または全額が補償されます。
保険を活用するためには、まず契約している火災保険の補償内容を確認し、損害状況を写真で記録します。その後、保険会社に調査を依頼ます。修理業者からの見積もりを取得して、手続きを行いましょう。
適用されるかは、保険会社の調査で決まるため、工事前に確認してください。
国や自治体の補助金や助成金制度を活用する
省エネ改修や耐震改修を伴う外壁リフォームの場合、国などの補助金を利用できる可能性があります。
制度の名前 | 特徴 |
長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 既存住宅を「長期優良住宅」の性能基準(耐震・断熱・バリアフリー等)に引き上げる改修を補助。改修費用の一部(上限あり)を国が負担 |
省エネ住宅ポイント | 窓の断熱改修、外壁・屋根の断熱材工事、エコ住宅設備導入などでポイントを付与。貯まったポイントは家電や地域産品などと交換可能 |
自治体独自の住宅リフォーム支援制度 | 市区町村ごとに対象工事・補助率・上限額が異なる。省エネや耐震、バリアフリーなど、地域の重点分野に応じた支援メニューが設定されている |
表の制度は年度や地域によって内容が変わるため、最新情報を確認することが重要です。また、申請には条件や期限があることが多いです。早めに調査して、計画的に進めてください。
リフォームローンの利用を検討する
外壁工事の費用負担を軽減するために、リフォームローンの利用も検討しましょう。リフォームローンには、銀行が提供するローン、住宅金融支援機構の「リフォーム融資」など様々な種類があります。
金利の低い固定金利タイプや、繰り上げ返済が可能なものもあります。自分のライフプランに合わせて、選んでください。金利や返済期間、審査条件などを比較検討し、負担の少ないプランを選びましょう。
工事の時期(閑散期など)を調整する
外壁工事にも、繁忙期と閑散期があります。一般的に、梅雨時や冬季は工事が少ないので閑散期です。閑散期を狙って工事を依頼すると、5〜10%ほど価格を安くできる可能性があります。
ただし、天候不順のリスクもあるため、スケジュールに余裕を持たせて工事を行いましょう。
ガルバリウム鋼板でおしゃれな外壁に!おすすめメーカーを紹介

ガルバリウム鋼板の外壁材は、各メーカーから様々な製品が発売されています。デザイン性や耐久性に優れた代表的な製品を紹介します。
アイジー工業「ガルバリウムサイディング」シリーズ
アイジー工業は、国内でガルバリウム鋼板の外壁材を扱う代表的なメーカーです。「SP-ガルスクエア」や「ガルスパン」など多彩なシリーズを提供しています。
【主な特徴】
- 豊富なカラーバリエーション(20色以上)
- 様々な施工方法に対応(横葺き、縦葺きなど)
- 30年以上の実績と耐久性
- 防火性能にも優れている
価格帯は、材料費で3,500~9,000円/㎡程度です。シンプルなデザインから木目調まで幅広い選択肢があり、様々な建築スタイルに対応可能です。
ニチハ「センターサイディング」シリーズ
ニチハは、窯業系サイディングで有名なメーカーですが、金属サイディングも展開しています。「センターサイディング」シリーズは、ガルバリウム鋼板を使用した製品です。
【主な特徴】
- 優れた防火性能
- 独自の施工システムによる高い防水性
- 耐候性に優れたフッ素樹脂塗装
- 断熱材との組み合わせが可能
ニチハの価格帯は、材料費で4,000~10,000円/㎡です。窯業系サイディングのノウハウを活かした施工方法で、高い防水性を実現しています。
ケイミュー「はる・一番」シリーズ
ケイミューは住宅外装材の大手メーカーで、「はる・一番」シリーズではガルバリウム鋼板を使用した製品を提供しています。
【主な特徴】
- 独自の金具施工システム
- 豊富な表面意匠とカラー
- 耐震性に配慮した設計
- 高い防水性能
価格帯は、4,500~11,000円/㎡ほど。特殊な施工方法により、地震による建物の揺れを吸収する設計です。
各メーカーとも製品の特徴が異なるため、デザインや性能、価格などを比較して最適な製品を選びましょう。
ガルバリウム鋼板を外壁に取り入れるポイント

ガルバリウム鋼板を外壁に選ぶ際の、ポイントを紹介します。ポイントを把握し、住宅にあった外壁にしましょう。
多様なデザインから自宅のスタイルに合うものを選ぶ
ガルバリウム鋼板の外壁材には、さまざまなデザインやカラーがあります。窓や屋根との組み合わせを考え、デザインを検討しましょう。
濃い色は、色あせが目立ちやすく、シルバーなどの明るい色は汚れが目立ちにくい傾向です。経年劣化は避けられないので、長期的な視点でカラーを選んでください。
長期的な視点で耐久性やメンテナンス性を考慮する
ガルバリウム鋼板の耐久性は、板厚や表面処理によって大きく異なります。初期費用を抑えるために薄い板厚を選ぶと、凹みやすくなるので注意が必要です。
欠陥につながらないように、0.4mm以上の板厚を選んだり、特殊塗料で対策をしてください。
メンテナンス性も、重要なポイントです。10~15年後の塗り替えのしやすさも、考慮しましょう。
適正価格の業者に依頼する
ガルバリウム鋼板の外壁工事は、専門的な技術が必要です。適正な価格で、確かな技術を持つ業者を選ぶことが重要です。
業者を選ぶ際は、見積もり内容を確認したり施工実績を見せてもらったりと、比較できるようにしましょう。施工内容が明確で実績がある業者は、信頼でき外壁の相談もしやすいです。
安さだけを追求すると、施工不良などのトラブルが発生します。適正価格で依頼でき、信頼性のある業者を慎重に選んでください。
将来的なメンテナンス計画も視野に入れて検討する
ガルバリウム鋼板は、定期的なメンテナンスが必要です。。
メンテナンス計画としては、5年ごとの点検や10~15年での塗装メンテナンスなどが考えられます。将来的なコストも含めて、ガルバリウム鋼板を取り入れるか判断するとよいでしょう。
失敗しない!ガルバリウム鋼板外壁の施工を依頼する業者の選び方

ガルバリウム鋼板外壁の工事を依頼する、業者の選び方を紹介します。ガルバリウム鋼板は、施工が難しいので、慎重に技術力がある業者を選びましょう。
ガルバリウム鋼板の施工実績が豊富な業者を探す
ガルバリウム鋼板の施工には、専門的な知識と経験が必要です。業者を選ぶ際は、施工実績や施工数などを確認します。
実績が豊富だと、ガルバリウム鋼板の知識も豊富なので、安心して依頼できるでしょう。顧客の評価や口コミもチェックすると、リアルな声を把握できます。
また、メーカー認定施工店もあります。認定された業者は、ガルバリウム鋼板に詳しいです。依頼する際は、認定されているかも確認してください。
複数の業者から見積もりを取り内容を比較する
適正価格を知るためには、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。各社の見積もりを比較する際は、使用材料のメーカーや工事範囲、保証内容などにに注目しましょう。
単に総額だけでなく、内訳の詳細を確認し、項目ごとの費用を明確にしてください。不必要な費用が含まれていないか、適正な価格設定か判断できます。
保証内容やアフターサービスの充実度を確認する
外壁工事後のトラブルに対応してくれるかも、業者選びの重要な基準です。保証内容や、アフターサービスの充実度を確認しておきましょう。
具体的には、保証期間や適用範囲、アフターフォローの内容などをチェックします。
顧客からの口コミや評判を参考にする
実際に施工を依頼した顧客の声は、業者選びの参考になります。インターネットの口コミサイトや知人の紹介など、さまざまな情報を収集します。
評価を確認する際は、施工品質に関する評価や対応の丁寧さ、価格などをみます。ただし、口コミ情報はあくまで参考程度にとどめ、実際に担当者の対応から自分自身で判断してください。
担当者との相性やコミュニケーションの取りやすさを確認する
外壁リフォームは、打ち合わせから完成まで数ヶ月かかります。担当者との関係性や相性も、業者選びの重要なポイントになります。
質問への対応や提案力、連絡の取りやすさなどを確認して信頼できる業者か見極めます。最初の打ち合わせや見積もり時の対応を通じて、長期的な関係を築けそうか判断してください。
建設業許可や必要な資格の有無を確認する
業者を選ぶ際は、各種許認可や資格の有無も重要な確認ポイントです。
・建設業許可(500万円以上の工事の場合は必須)
・住宅リフォーム事業者団体登録
・増改築相談員
・建築士事務所登録
上記の資格や許可を持っているかを、確認するとよいでしょう。
資格や許可を持っている業者は、施工技術が高く信頼できます。特に大規模な外壁リフォームの場合は、建設業許可を持つ業者に依頼すると安心できるでしょう。
ガルバリウム鋼板の外壁工事の基本的な流れ

ガルバリウム鋼板外壁の、工事の流れを紹介します。工事の基本的な流れを把握しておくと、進捗管理や業者とのコミュニケーションがスムーズになります。
業者による現地調査と見積もり
外壁工事をする際は、業者の現地調査から始まります。調査段階では、建物の状態や劣化状況、外壁の面積などが確認されます。
現地調査の結果をもとに、詳細な見積書が作成されます。不明点があれば質問しましょう。見積書の内容を理解することで、トラブルを防げます。
工事範囲や保証期間などを確認し契約
見積内容に納得できたら、契約に進みます。契約前には、工事の範囲と使用する材料、工期のスケジュールなどを確認しましょう。
契約書は細部まで目を通し、不明な点があれば必ず質問してから署名してください。特に工事内容や保証範囲は、書面で残しておかなければいけません。トラブルを防ぐためにも、契約前の確認は必ず行いましょう。
工事開始前に近隣への挨拶
外壁工事は騒音や粉塵が発生するため、近隣住民への配慮が欠かせません。工事開始前には、挨拶回りをし、工事期間を伝えましょう。
業者が代行して挨拶回りをしてくれる場合もありますが、可能であれば施主も同行してください。近隣への配慮は、工事をスムーズに進めるうえで重要です。
事前の丁寧な説明と対応が、後のトラブルを未然に防ぐことにつながります。
足場の設置
外壁工事の最初の工程は、足場の設置です。
足場の設置は、通常1~2日程度で完了します。足場が設置されたら、養生シートの設置も行われます。
外壁工事とは関係ない設備を、保護する工程です。車などが側にある場合は、業者に伝えておくと安心です。
下地処理とガルバリウム鋼板の設置
外壁材の施工前に、下地の状態確認と処理が行われます。カバー工法の場合は、既存外壁の状態確認します。張り替え工法の場合は、既存外壁の撤去と下地補修が行われます。
下地処理後は、透湿防水シートの施工や下地材の設置へと進みます。下地処理が完了したら、ガルバリウム鋼板が設置されます。
雨仕舞い部分(窓周り、屋根との取り合い部など)は雨漏りの原因になるため、丁寧な施工が必要です。施工品質が長期的な耐久性や防水性を左右するため、定期的に進捗を確認してください。
工事完了後の検査と引き渡し
工事が完了したら、施工業者と一緒に仕上がり確認をします。施工不良がなければ、引き渡しされます。引き渡しの際は、保証書や取扱説明書、メンテナンス方法の説明などが行われます。
完成した外壁を長持ちさせるためには、適切な維持管理が重要です。メンテナンス計画についても、事前に把握しておきましょう。
ガルバリウム鋼板を外壁に使用する注意点5つ

ガルバリウム鋼板の外壁は多くのメリットがある一方で、いくつかの注意点も存在します。事前に理解しておくべき主な注意点を5つ紹介します。
遮音性や断熱性の低さ
ガルバリウム鋼板は金属製のため、遮音性や断熱性に課題があります。雨音や外部音が室内に伝わりやすく、雨音が気になると後悔する方もいます。また、熱を通しやすいため、夏は暑く冬は寒くなりやすいです。
結露も発生しやすいため、注意が必要です。遮音性や断熱性を高めるためにも、遮音材と断熱材を併用しましょう。
グラスウールなどの断熱材を外壁の内側に施工すると、断熱性と遮音性を向上させられます。新築や大規模リフォームの場合は、壁体内部の断熱設計を検討するのがおすすめです。
沿岸部や工場地帯では錆びやすい
ガルバリウム鋼板は、一般的に耐食性が高いですが、環境によっては錆びが発生します。塩害地域や工場地域では、腐食が進みやすいです。また、傷がついた部分から錆が広がる可能性もあります。
沿岸部などでは、より耐食性の高い製品を利用し、定期的なメンテナンスをしてください。定期的な点検と早期のメンテナンスで、長い期間耐久性を確保できます。
傷や凹みがつきやすい
ガルバリウム鋼板は衝撃に弱く、傷や凹みがつきやすい特性があります。台風時の飛散物による凹みや、作業中についた傷などが欠陥につながる可能性があります。
傷や凹みの対策は、板厚0.4mm以上の製品を選択したり、保護材を設置したりする方法があります。また、樹木の剪定など、外壁に傷をつけない環境整備も大切です。
子どもの遊び場や車の出入りが多い場所などには、注意が必要です。
施工が難しい
ガルバリウム鋼板の外壁施工は、高い技術が必要で施工ミスによるトラブルも少なくありません。雨仕舞い部分は、熱膨張による伸縮を考慮した施工が必要です。また、切断面は防錆処理をし、下地と固定する際も注意しなければいけません。
施工不良を防ぐためにも、技術力が高い業者を選びましょう。施工前には、過去の施工例や施工方法について詳しく説明を受け、納得したうえで依頼してください。
メンテナンスの手間がある
ガルバリウム鋼板は、定期的なメンテナンスが必要です。
表面の汚れの清掃やシーリング部分の点検などのメンテナンスを怠ると、早期劣化や雨漏りにつながります。長期的なメンテナンス計画と費用も考慮し、ガルバリウム鋼板を利用するか検討しましょう。
ガルバリウム鋼板の外壁に関するQ&A

ガルバリウム鋼板の外壁に関して、よくある質問と回答をまとめました。疑問解消の参考にしてください。
DIYでガルバリウム鋼板を外壁に施工することは可能ですか?
ガルバリウム鋼板は、DIYには向いていません。専門的な技術が必要なので、業者に依頼しましょう。無理にDIYをすると、雨漏りなどが発生してしまいます。
DIYをする際は、小規模な物置や倉庫にし、住宅は避けてください。
ガルバリウム鋼板外壁は部分的な補修はできますか?
損傷した板材の交換、部分的な防錆処理と塗装などは部分補修可能です。しかし、時間が経過した外壁は、新しい材料と色合いが異なります。部分補修をする際は、目立たない箇所のみにしましょう。
広範囲を補修する場合は、全体の交換を検討した方が見た目の統一感を保てます。補修範囲や方法は、専門業者に相談してください。
工事期間はどのくらいかかりますか?
一般的な戸建住宅の場合、準備から完了まで2~4週間程度かかります。
工事は複数の段階に分かれており、それぞれにおおよその所要期間があります。
工程 | 日数 |
---|---|
足場設置 | 1〜2日 |
既存外壁の撤去(張り替え工法の場合) | 2~5日 |
下地処理 | 1~3日 |
ガルバリウム鋼板の施工 | 5~10日 |
仕上げ・付帯工事 | 2~3日 |
足場撤去 | 1日 |
ただし、上記の期間は建物の規模や形状、天候の影響などで変動します。雨天時は、作業が中断されることが多いため、季節によっては余裕を持った工期設定が必要です。
また、工事中に欠陥が発見された場合は、追加の修繕作業が行われます。補修作業が増えるので、全体の工期が延びます。
工事開始前に、業者とスケジュールを確認しましょう。多くの業者は、工事の進捗状況を随時報告してくれます。適度にコミュニケーションを取りながら、進めてください。
ガルバリウム鋼板外壁は価格相場を理解して取り入れよう

ガルバリウム鋼板の外壁は、耐久性とデザイン性に優れています。しかし、適切な費用と知識を持たずに導入すると、予算オーバーにつながります。
費用負担を減らすためにも、相場を理解し施工費用を必ず確認しましょう。依頼する際は、適正価格の業者を選び、納得できる予算で工事を行ってください。
ガルバリウム鋼板を外壁に使用したい方は、ぜひペイプロをご利用ください。ペイプロは、外壁塗装の専門業者を比較・紹介してくれる無料のマッチングサービスです。
厳選された優良な外壁塗装業者を紹介しているため、ガルバリウム鋼板に対応している業者も揃っています。ご相談は無料で行っておりますので、お気軽にお問い合わせください!