アルミサッシ塗装はDIYできる?初心者でも失敗しない手順とコツを徹底解説

アルミサッシ塗装はDIYできる?初心者でも失敗しない手順とコツを徹底解説

アルミサッシは、経年劣化で色あせや腐食が目立ってくると、住まい全体の印象が大きく損なわれます。業者に依頼すれば確実ですが、費用面で悩む方も多いでしょう。

実はアルミサッシの塗装はDIYでも十分可能です。適切な準備と手順を踏めば、初心者でも美しく仕上げられます。本記事では、アルミサッシをDIYで塗装する方法を詳しく解説します。

失敗しないコツや必要な道具、おすすめの塗料まで、すべて紹介しますのでぜひ参考にしてください。

監修者:鹿野 博之
保有資格:中小企業診断士・宅建合格者・住環境測定士(補)など
経営改善、事業承継支援、企業研修、補助金申請支援などを得意としています。

目次

アルミサッシをDIYで塗装するのは可能?まずは基本を押さえよう

アルミサッシをDIYで塗装するのは可能?まずは基本を押さえよう

アルミサッシは、DIYでも塗装が可能です。基本を抑えれば、初心者でも塗装ができるのでアルミの特徴などを確認しておきましょう。

アルミ素材の特性と塗装の難易度

アルミサッシは軽量で耐久性に優れていますが、塗装は独特の難しさがあります。アルミは、表面が滑らかで塗料が密着しにくいです。

アルミサッシの塗装は、適切な下地処理と専用の下塗り剤を使用しましょう。

DIYをする際は、3つの点に注意してください。

  1. 表面の油分や汚れをしっかり除去すること
  2. アルミ専用のプライマーを使用すること
  3. 適切な乾燥時間を守ること

ポイントを押さえれば、初心者でもDIYでアルミサッシの塗装ができます。

DIYで塗装できるケースとできないケース

アルミサッシは、DIYで塗装できますが、できないケースもあります。ケース別にまとめたので、DIYが可能か確認しましょう。

【DIYで塗装できるケース】

  • 色あせや軽い腐食のサッシ
  • 開閉に問題がないサッシ
  • 比較的新しい(20年以内)サッシ
  • 手の届く高さにあるサッシ
  • 小規模な面積のサッシ

【DIYで塗装が難しいケース】

  • 深刻な腐食や損傷があるサッシ
  • 開閉機能に問題があるサッシ
  • 高所にあるサッシ(2階以上の外側)
  • 大規模な面積や複雑な形状のサッシ
  • 特殊な仕上げや色合いが必要なケース

高所作業や大規模な修復が必要な場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。DIYで対応できる範囲を見極め、無理なく塗装をしてください。

業者依頼との違いと費用面の比較

DIYと業者依頼の最大の違いは、コストと仕上がりのクオリティです。費用面で比較すると、業者依頼の場合、戸建住宅のアルミサッシ全体で15万円〜30万円程度かかります。

一方、DIYの場合は材料費のみで約1万円〜2万円程度に抑えられるため、大幅なコスト削減が可能です。

【DIY vs 業者依頼 比較表】

項目DIY業者依頼
費用1〜2万円(材料費のみ)15〜30万円
作業時間2〜3日(乾燥時間含む)1〜2日
仕上がり技術によるプロ品質
保証なしあり(1〜5年)
メリット大幅なコスト削減自分のペースで作業可能高品質な仕上がり短時間で完了保証がある
デメリット技術や知識が必要時間がかかる費用が高い

DIYの場合、塗装の経験や技術によって仕上がりに差が出ます。費用対効果を考えると、特に小規模な塗装ならDIYがおすすめです。

アルミサッシ塗装に必要な道具と材料

アルミサッシ塗装に必要な道具と材料

アルミサッシの塗装をDIYする際は、適切な道具と材料が必要です。必要なアイテムをしっかり準備して、スムーズな作業を心がけましょう。

基本の道具一覧

DIYをする際は、以下の道具を揃えます。

【必須道具リスト】

  • マスキングテープ(幅広・幅狭の2種類)
  • 新聞紙やビニールシート(養生用)
  • サンドペーパー(#240〜#400程度)
  • 脱脂用のアルコールまたは専用クリーナー
  • ウエスまたはキッチンペーパー
  • ゴム手袋
  • 刷毛(1〜2インチ幅)
  • 小型ローラー(スポンジタイプ)
  • ペイントトレイ
  • マスク
  • 保護メガネ
  • 軍手

【あると便利な道具】

  • 電動サンダー(広い面積の研磨に)
  • ヘラ(古い塗膜の除去用)
  • 塗料かくはん棒
  • 塗料用スポイト
  • 刷毛洗浄液(油性塗料使用時)

マスキングテープは高品質のものを選ぶと、塗料の染み込みを防ぎ、きれいに剥がせます。サンドペーパーは、目の粗いものから徐々に細かいものを使用すると、表面がきれいに仕上がります。

使用する塗料の種類と選び方

アルミサッシの塗装には、下塗り(プライマー)と上塗りの2種類の塗料が必要です。

プライマーの種類特徴・用途
アルミ用エポキシプライマー密着性が特に高く、アルミサッシ塗装で最も推奨される
金属用プライマーアルミを含む様々な金属に使用できる汎用タイプ
サビ止めプライマー軽度のサビが発生している場合の下塗りに適している

アルミサッシ塗装では、密着性を高めるプライマーを塗布します。特にアルミは塗料が密着しにくい素材のため、専用のプライマーを使用しましょう。

プライマーを省略したり、不適切なプライマーを使用したりすると、塗装後すぐに塗膜が剥がれてしまいます。上記表のように、用途に応じたプライマーを選んでください。

上塗り塗料の種類主な特徴
アクリル系塗料・水性タイプが多く扱いやすい
・乾燥が比較的早く環境負荷も少ない
ウレタン系塗料・耐久性があり密着性も良好
・光沢のある仕上がりになる
シリコン系塗料・耐候性や耐久性に優れている
フッ素系塗料・最も耐久性や耐候性が高い
・価格が高価

プライマーで下地を整えた後、上塗り用の塗料を塗布します。 DIY初心者の方には、臭いが少なく、道具の洗浄も簡単にできる水性のアクリル塗料が扱いやすいでしょう。

ただし、より高い耐久性を求める場合は、ウレタン系やシリコン系の塗料を選ぶのがおすすめです。フッ素系は最も長持ちしますが、価格が高いため、予算や求める耐久性に応じて選択してください。

あると便利な補助グッズと保護用品

基本の道具に加えて、補助グッズや保護用品があると、作業がより安全かつ効率的になります。

【補助アイテム】

  • 養生テープカッター
  • 塗料用こし器
  • 塗料用計量カップ
  • 塗装用スティック(または細い筆)
  • 塗料用ハケ洗浄液
  • 塗装面積計算シート(またはメモ)

補助アイテムは、アルミサッシのDIY塗装作業をより効率的かつ高品質に進めるために役立ちます。養生テープカッターを使えばマスキングテープをきれいにカットでき、塗料用こし器は塗料の不純物を取り除けます。

また、塗装用スティックや細い筆は細かい部分の塗装に便利です。油性塗料を使う場合は、ハケ洗浄液も用意しましょう。補助アイテムを活用することで、作業の手間が省け、より美しい仕上がりが期待できます。

【保護用品】

  • ニトリル手袋
  • 腕カバー
  • ヘアキャップ
  • 防塵マスク
  • 作業用マット(またはシート)

保護用品は、アルミサッシのDIY塗装を安全かつクリーンに行うために重要です。安全に作業を進め、後片付けの手間を減らすためにも、保護用品を適切に活用しましょう。

補助グッズや保護用品は、必ずしも必要というわけではありません。しかし、準備しておくことで作業の質や効率が格段に向上します。

特に、手袋やマスク、腕カバーなどの保護用品は、塗料や粉塵から身体を守ります。安全に作業を進めるためにも、活用してください。

アルミサッシのDIY塗装に適した塗料の種類とメーカー別おすすめ製品

アルミサッシのDIY塗装に適した塗料の種類とメーカー別おすすめ製品

アルミサッシをDIYで塗装する場合は、適切な塗料を選んでください。ここでは、DIYに適した塗料の種類とおすすめ製品を紹介します。

アルミ専用の密着性に優れたプライマー


アルミサッシ塗装で最も重要なのが、アルミ専用のプライマーです。通常の塗料はアルミに直接塗ると密着しにくいため、まずはプライマーでしっかりと下地を作ります。

スクロールできます
メーカー・製品名特徴価格(容量)
和信化学工業「アルミプライマー」アルミに特化した密着性、乾燥時間が短い1,500円前後(150ml)
ニッペホームプロダクツ「金属用プライマー」アルミを含む各種金属に対応、サビ止め効果も2,000円前後(300ml)
アサヒペン「金属下塗り剤」塗りやすく均一に塗布できる、密着性が高い1,800円前後(300ml)

紹介したプライマーは一度塗りで十分です。ただし、劣化が進んでいる場合は2度塗りすることで、より確実な密着性を得られます。

アルミサッシにおすすめの塗料の種類


プライマー塗布後の上塗り用塗料には、4種類あります。それぞれの特性を理解して選びましょう。

スクロールできます
塗料タイプメリットデメリット耐久年数DIY難易度
アクリル系(水性)扱いやすい臭いが少ない乾燥が早い耐久性がやや劣る3〜5年★☆☆(易しい)
ウレタン系耐久性が高い光沢がある臭いが強い乾燥に時間がかかる5〜8年★★☆(普通)
シリコン系耐候性が優れている汚れにくい価格が高め専門知識が必要8〜10年★★★(難しい)
フッ素系最高レベルの耐久性色あせしにくい非常に高価専門技術が必要10〜15年★★★★(非常に難しい)

DIY初心者には水性アクリル塗料がおすすめです。頻繁に塗り替えたくない場合は、ウレタン系塗料を選ぶといいでしょう。

シリコン系やフッ素系は、技術と経験が必要なため、DIYに慣れてから挑戦してください。

DIYユーザーに人気の塗料メーカーと製品比較

【水性塗料】

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メーカー製品名特徴容量価格カラー
アサヒペン水性多用途スプレースプレータイプで塗りやすい、乾燥が早い300ml1,000円前後20色以上
ニッペホームプロダクツ水性シリコンアクリルトタン耐候性に優れ、ハケでも塗りやすい1.6L3,500円前後10色程度
カンペハピオ水性シリコン建物用密着性が高く、長期間美観を保持1.6L3,800円前後12色

【油性塗料】

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メーカー製品名特徴容量価格カラー
アサヒペン油性高耐久アクリルトタン用耐久性が高く、美しい光沢1.6L3,200円前後14色
カンペハピオ油性アルミ用排気ガスや酸性雨、塩害の汚れに強い0.2L1,000円前後3色

DIY塗装が初めての方は、扱いやすさを考慮すると、アサヒペンやニッペホームプロダクツの製品がおすすめです。アルミサッシ専用ではなくても、金属用として販売されている塗料で十分対応できます。

製品選びの際は、使用環境(屋内か屋外か)や求める耐久性、塗装面積などを考慮して選びましょう。

アルミサッシ塗装DIYの前にやるべき下準備とは?

アルミサッシ塗装DIYの前にやるべき下準備とは?

塗装作業の成功は下準備にかかっています。特にアルミサッシは素材の特性上、きちんとした前処理が必須です。ここでは具体的な下準備の手順を解説します。

塗装前に行う洗浄と脱脂の手順

アルミサッシ表面の汚れや油分を落とさないと、良い塗料を使用しても密着不良を起こします。手順通りに洗浄し、塗料を綺麗に塗れる状態にしましょう。

粗洗い

粗洗いの手順を紹介します。

  1. まずは水と中性洗剤で全体の汚れを落とす
  2. バケツに水と中性洗剤を入れスポンジやブラシでサッシ全体を洗う
  3. 特に溝や角などの汚れがたまりやすい場所は、古歯ブラシなどを使って丁寧に洗浄する
  4. 洗い終わったら、きれいな水で洗剤を完全に流す
  5. タオルで水分を拭き取った後、自然乾燥させる
  6. 乾燥させる際は、完全に乾くまで待ちます。

急ぐ場合はドライヤーなどで乾かしても構いませんが、サッシが熱くなりすぎないよう注意が必要です。

脱脂

塗料を密着させるため、脱脂も行ってください。

  1. アルコールや専用の脱脂剤でサッシ表面の油分を除去する
  2. 脱脂用アルコールか金属用脱脂剤をウエスに含ませサッシ全体を拭く
  3. 最終確認

作業の際は、脱脂剤が皮膚に直接触れるのを防ぐため、ゴム手袋や保護手袋を着用しましょう。拭き方のコツは、一定方向に拭き進めることです。 同じ場所を往復して擦ると、除去した油分を再び塗り広げてしまう可能性があるため注意しましょう。

最後に、新しいきれいな白いウエスで表面を軽く拭き、ウエスに汚れや油分が付着しないかを確認してください。 もし汚れが付く場合は、汚れが付かなくなるまで拭き取りを繰り返します。

脱脂作業は塗装の密着性を大きく左右するため、手を抜かずに丁寧に行いましょう。特にタバコのヤニや調理の油汚れがある場合は、脱脂剤を変えながら複数回拭き取ってください。

マスキングテープで養生する範囲とコツ

養生とは、塗料が他の部位に付かないよう保護する作業です。アルミサッシの場合、特にガラスやゴムパッキン、壁との境目などをしっかり養生しましょう。

【養生が必要な箇所】

  • ガラス部分
  • ゴムパッキンやシーリング材
  • 開閉する部分の溝やレール
  • 壁との境目
  • 金具や取っ手 

他にも、塗料を付着させたくない場所があれば、シートなどを利用し保護してください。DIYが初めての方は、養生が難しく感じる可能性もあります。

効率よく養生するためのコツは、以下の通りです。

・適切なマスキングテープを選択する

・一度に貼る長さは30センチ

・角は小さく切って貼る

・テープの端を固定し塗料が入り込まないようにする

・広範囲の場合は新聞紙やビニールシートを貼る

・養生後はスキマがないかチェックする

養生は手間がかかる作業ですが、省略すると塗装後の掃除に何倍もの時間がかかります。特にガラスに塗料が付くと除去が難しいので、丁寧に行いましょう。

サビや劣化のチェックポイント

塗装前に、アルミサッシの状態をしっかりチェックします。状態によっては、塗装前に補修が必要な場合があります。

スクロールできます
チェック項目確認内容判断・対処法
サビの発生・白や赤茶色のサビが発生していないか・サビの範囲と深さ軽度のサビなら研磨で除去可能。深刻な場合は部分的な交換が必要な可能性あり。
腐食の確認・アルミが粉状になっている部分はないか・触ると崩れる箇所はないか腐食が見られる場合は要注意。状態により専門家への相談や交換を検討。
塗膜の剥がれ・既存の塗膜がめくれたり、剥がれたりしていないか剥がれている塗膜は、研磨などで完全に除去する必要がある。
変形・ひび割れ・フレームに変形やひび割れがないか塗装だけでは解決不可。部品交換が必要になる可能性がある。
動作確認・サッシの開閉はスムーズか・戸車や関連部品に不具合はないか不具合がある場合は、塗装前に修理や調整が必要。

劣化のチェックで問題が見つかった場合、程度に応じて対処法が変わります。軽微な問題であれば自分で対処できますが、構造的な問題がある場合は専門業者に相談しましょう。

アルミサッシ塗装DIYの具体的な作業手順

ルミサッシ塗装DIYの具体的な作業手順

下準備が整ったら、いよいよ実際の塗装作業に入ります。ここでは失敗しないための具体的なステップを解説します。

ステップ① 表面を研磨して塗料の密着性を高める

  • アルミサッシの表面を軽く研磨することで、塗料の密着性が大幅に向上します。ただし、力を入れすぎるとアルミを傷つけてしまうため注意しましょう。

【研磨の手順】

・サンドペーパーで研磨する

・研磨後の粉塵を除去する

・研磨した面を確認する

研磨作業をより効果的に行うために、使用するサンドペーパーを目の粗いものから段階的に変えます。最初は#240程度の中目のものを選び、表面の酸化被膜や頑固な汚れを落とします。

その後、#320~#400程度の細目のサンドペーパーで表面を滑らかに整え、塗料の密着に最適な状態を作ります。なお、研磨作業中は細かな粉塵が飛散するため、必ず保護メガネと防塵マスクを着用し、安全に配慮しながら作業を進めましょう。

ステップ② プライマーをムラなく塗布する


プライマーは塗料の密着性を高める重要な工程です。均一に薄く塗るのがポイントです。

プライマーは使用前によくかき混ぜ、必要なら説明書に従い希釈して準備します。塗装は刷毛で隅から塗り始め、広い面はローラーを使うと効率的です。厚塗りを避け、ムラなく一方向に薄く均一に塗布しましょう。

塗布後は説明書の指示に従い、気温や湿度も考慮して十分に乾燥させることが肝心です。乾燥後に塗り残しがないか最終確認を行ってください。

プライマーは塗装の土台となる重要な工程です。下塗りの作業が、最終的な仕上がりを左右します。特に角や接合部などの細部にも、しっかりプライマーが塗布されているか確認しましょう。

ステップ③ 上塗り塗料を丁寧に重ね塗りする

ステップ③ 上塗り塗料を丁寧に重ね塗りする

プライマーが完全に乾いたら、いよいよ上塗り塗装です。まず、上塗り用の塗料も使用前によくかき混ぜて均一にし、説明書に従って希釈してください。

1回目の塗装はプライマーの時と同様に、隅などの細かい部分から塗り始め、広い面へと進みます。液ダレやムラ、厚塗りに注意し、薄く均一に塗ることを心がけましょう。もし塗料がはみ出してしまった場合は、乾かないうちに素早く拭き取ります。

十分に乾燥したら、1回目と同じ要領で2回目の塗装を行います。重ね塗りをすることで色ムラがなくなり、塗膜の耐久性も向上し美しい仕上がりになります。

2回目を塗る際は、1回目と刷毛やローラーを動かす方向を少し変えて塗ると、ムラなく均一に仕上がります。

塗装作業中は定期的に休憩を取ることも大切です。疲れると集中力が低下し、塗りムラやはみ出しの原因になります。また、塗料が乾かないうちに雨や埃が当たらないよう、天候や周囲の環境にも注意しましょう。

ステップ④ 乾燥後のチェックと仕上げ

すべての塗装工程が終わったら、しっかりと乾燥させた後、最終チェックと仕上げを行います。

乾燥後、塗膜を傷つけないよう養生テープをゆっくり慎重に剥がしてください。次に、塗装面の状態(塗り残し、ムラ、ゴミ付着など)を確認し、必要なら小さな箇所を補修します。

サッシがスムーズに開閉するか動作確認も行い、動きが悪い場合は必要に応じて潤滑剤を少量使用しましょう。最後に、作業場所を清掃すれば完了です。

乾燥と硬化は、1週間程度かかります。特に水性塗料は触って表面が乾いていても、完全な強度が出るまでに時間がかかります。乾燥中は、強い衝撃を与えたり、水に濡らしたりしないよう注意しましょう。

DIYでよくあるアルミサッシ塗装の失敗例と対策

DIYでよくあるアルミサッシ塗装の失敗例と対策

DIYによるアルミサッシ塗装では、いくつかの失敗パターンが見られます。ここでは代表的な失敗例と、予防策や対処法を紹介します。

塗装が剥がれる・浮く原因とその予防策

塗装後に塗膜が剥がれたり浮いたりするのは、DIY塗装でもっとも多い失敗例の一つです。

主な原因具体的な内容
下地処理の不足・汚れや油分が残ったまま塗装した・研磨が不十分で、塗料が密着しにくい状態だった
プライマー不使用または不適切・アルミ専用プライマーを使用しなかった・プライマーが十分に乾燥する前に上塗りした
不適切な塗料の選択・アルミサッシに適さない種類の塗料を使用した・屋外用と屋内用の塗料を間違えた
環境条件の問題・湿度が高い日や気温が低い日に塗装した・塗装後、完全に乾く前に雨や夜露に濡れた

アルミサッシ塗装の剥がれや浮きを防ぐには、下地処理を丁寧に行いましょう。アルコールや専用の脱脂剤を使用し、サッシ表面の油分や汚れを完全に取り除きます。サンドペーパーで均一に研磨して、塗料の密着性を高めましょう。

アルミに適したプライマーや塗料を使用し、完全に乾燥させてください。

もし塗料が剥がれてしまった場合は、剥がれた部分を完全に除去し、再度下地処理から行います。部分的な補修は目立ちやすいため、できれば該当部分全体をやり直してください。

塗りムラ・タレ・刷毛跡が出る原因と改善方法

均一できれいな仕上がりを目指しても、塗りムラやタレ、刷毛跡などの問題が発生することがあります。

失敗例原因
塗りムラ・塗る方向が一定でない
・かき混ぜ不足
塗料のタレ・塗料の粘度が低い
・ 垂直面を上から塗っている
・一度に厚塗りしすぎ
刷毛跡・適切でない刷毛を使用している

塗装の不具合を改善するには、まず塗料をよくかき混ぜてから使用します。塗りムラは、小さな区画ごとに一定方向へ均一に塗り、2度塗りで仕上げると防げます。

タレは、薄く重ね塗りし、垂直面は下から上へ塗ると良いでしょう。刷毛跡は、良質な道具を使い、手早く一定方向に、特に仕上げは薄く塗ることで目立たなくできます。これらの点を意識して丁寧に作業しましょう。

塗装中に問題が発生した場合は、完全に乾燥させてから、軽く研磨して再塗装するのが確実な対処法です。部分的な修正は色ムラの原因になるため、一面単位での修正をおすすめします。

乾燥時間の短縮によるトラブルとリスク

塗装作業では、適切な乾燥時間を確保しましょう。乾燥時間を短縮すると、様々なトラブルのリスクが高まります。

トラブルの種類原因・詳細
密着不良・十分乾かないうちに上塗りした
・塗装後早期に剥がれが発生しやすくなる
シワやひび割れ・下層の塗料が未乾燥の状態で上塗りした
色ムラ・厚塗りした
・内部が未乾燥の「半乾き状態」になりやすい
耐久性低下・塗料が十分に硬化していない
・塗膜の寿命が短くなる

塗装の品質を保ち、トラブルを防ぐためには、適切な乾燥時間を確保します。基本として、塗料メーカーが製品説明書に記載している乾燥時間は必ず守りましょう。

ただし、あくまで標準的な条件下での最低限の目安であるため、指定されている時間よりも少し長めに乾燥時間を取る方が確実です。

塗装後は時間をおき、触って乾いているかチェックしてください。塗装面に指で軽く触れて、粘り気(タック)が完全になくなっていれば乾燥しています。

部分的に乾燥が遅れていないか、塗装面全体が均一に乾いているかを目視で確認します。完全に乾燥したら、次の工程に進みましょう。

塗装は、十分な乾燥時間を確保することで、美しく耐久性のある仕上がりになります。特に多湿の梅雨時期や気温の低い冬場の作業では、乾燥時間を長めに取りましょう。

アルミサッシの塗料に関する注意点

ルミサッシの塗料に関する注意点

アルミサッシの塗装では、塗料の選択や色の決定も重要なポイントです。ここでは、塗料に関する注意点を詳しく解説します。

外壁やサッシ周辺とのカラーバランスの考え方

アルミサッシの色を選ぶ際は、住宅全体のカラーバランスを考えることが大切です。周囲との調和を考えた色選びのポイントを紹介します。

カラーバランスの基本原則

アルミサッシの色を選ぶ際は、住宅全体の印象が大きく変わるため、外壁や周囲の要素とのカラーバランスを考慮します。

まず基本となるのは、外壁の色との調和です。

例えば、明るい色の外壁に濃い色のサッシを合わせると、全体が引き締まって見えます。逆に、濃い色の外壁に同系色や明るめのサッシを選ぶと、軽やかでソフトな印象になります。

次に、色のコントラスト(対比)をどう活かせるかも考えます。白壁に黒いサッシのような強いコントラストは、建物をモダンでシャープに見せる効果があります。

一方で、ベージュ系の壁にブラウン系のサッシといった、弱いコントラストの組み合わせは、優しく落ち着いた雰囲気を演出します。

全てを同じ色にする必要はありませんが、建物全体として調和が取れているかを意識して色を選びましょう。ポイントを参考に、自宅のスタイルや目指す雰囲気に合わせて最適なサッシ色を検討してください。

おすすめの組み合わせ例

・白系外壁×ダークブラウンのサッシ:定番の組み合わせで失敗が少ない

・グレー系外壁×黒サッシ:モダンでシャープな印象

・ベージュ系外壁×ブロンズサッシ:温かみのある落ち着いた印象

・ナチュラル系外壁×ダークグリーンサッシ:自然な雰囲気で庭と調和

DIYでは、既存の外壁色に合わせてサッシの色を選びましょう。迷った際は、住宅メーカーのカタログやインテリア雑誌なども参考にしてください。

艶あり・艶なしの選択で印象が変わる理由

塗料には、艶あり(グロス)や半艶(セミグロス)などの種類があり、同じ色でも仕上がりの印象が大きく変わります。

  • 屋外のサッシ:半艶〜艶ありが一般的(耐候性や汚れの付着を考慮)
  • 屋内のサッシ:用途や好みに応じて選択可能
  • 新築または築浅の住宅:艶ありでモダンな印象
  • 古民家や和風住宅:艶消しで落ち着いた印象

DIY初心者の場合、塗装ムラが目立ちにくい半艶を選ぶと失敗しません。サンプルや色見本では、艶の違いが分かりにくいです。可能であれば実際の塗装面を見るか、小さな面積でテスト塗装してから決めてください。

色見本の活用と実際の仕上がりとのギャップ

塗料の色見本と実際の仕上がりには、しばしばギャップが生じます。ギャップが起こる大きな要因として、光の影響が挙げられます。塗料販売店の店内照明(人工光)と、屋外の自然光とでは、色の見え方が異なります。

また、同じ自然光でも季節や時間帯、天候によって色合いは変化して見えます。塗装後に後悔しないためにも、施工事例や試し塗りをして実際の色を確認しましょう。

色選びは塗装の中でも特に重要なポイントです。一度塗ってしまうと簡単には変更できないため、慎重に検討してください。外観を大きく左右するアルミサッシの色は、家族や周囲の人の意見も参考にしながら決めると良いでしょう。

アルミサッシ塗装DIYに関するよくある質問Q&A

ルミサッシ塗装DIYに関するよくある質問Q&A

アルミサッシのDIY塗装を進めるにあたって、多くの方が疑問に思う点や、つまずきやすいポイントについて解説します。Q&A形式でまとめましたので、作業前の不安解消にお役立てください。

Q1. プライマーは絶対に必要?

はい、特にアルミサッシの場合、プライマーは必須です。アルミは表面が滑らかで塗料が密着しにくい性質があります。

プライマーなしで塗装すると、すぐに塗膜が剥がれてしまいます。プライマーはアルミと塗料の間の「のり」のような役割を果たし、しっかりと密着させます。

プライマーを省略すると、数週間〜数ヶ月で塗膜の剥がれが発生します。確実に長持ちさせるためにも、アルミ専用または金属用プライマーは必ず使用しましょう。

Q2. 雨の日でも塗装は可能?

基本的に、雨の日や湿度の高い日の塗装は避けるべきです。理由は4つあります。

  • 湿気が塗料の中に入り込み、密着性が低下する
  • 乾燥時間が大幅に長くなる
  • 水滴が付着すると塗膜表面に跡が残る
  • 屋外の場合、雨が直接当たると塗料が流れる

理想的な塗装条件は、気温15〜25℃、湿度80%以下の晴れた日です。また、塗装後24時間は雨に当たらない方がいいため、天気予報を確認してから作業を始めましょう。

室内のサッシであれば、外の天候に左右されにくいですが、湿度の低い日を選んでください。

Q3. サッシ周りのゴム部分にはどう対応すべき?

サッシ周りのゴムパッキンや防水ゴムには、基本的に塗料を塗らず養生しましょう。もし誤って塗料が付いてしまった場合には、塗料が乾燥して固まる前に、すぐに拭き取ってください。

どうしてもゴム部分も色を変えたい場合は、ゴム・プラスチック専用の塗料を使用しましょう。ただし、耐久性はアルミ部分より劣ります。

Q4. マンションの共有部でも塗っていいの?

マンションの共有部分(共用廊下の窓やエントランスのサッシなど)を個人で塗装することは、原則としてできません。多くのマンションでは管理規約によって、勝手に外観を変更することが禁止されています。

また、外観の変更は、建物の防火性能など建築基準法上の規定にも影響を与える可能性があります。一方、専有部分(自分の部屋の窓サッシなど)については、以下の点に注意すれば可能な場合があります。

  • 管理規約で色の変更が認められているか確認する
  • 管理組合や管理会社に事前相談・承認を得る
  • 外から見える部分は、建物の外観統一のために色の制限がある場合が多い

特にベランダ側のサッシは、外観に関わります。元の色と同系色での塗り直しであれば認められるケースが多いですが、必ず事前に確認しましょう。

Q5. DIYで塗って保証や資産価値に影響ある?

DIYで住宅の塗装を行う際には、保証や資産価値の影響も考慮しましょう。

新築や保証期間が残っている場合は、保証の維持を優先しDIY塗装は避けましょう。一方で、築年数が経過し、保証期間が終了している住宅であれば、コストを抑えられるDIY塗装がおすすめです。

ただし、将来的な売却を考えている場合は、一般的に受け入れられやすい色を選ぶなど工夫しましょう。

DIYでアルミサッシを塗装するなら塗料選びに気をつけよう

DIYでアルミサッシを塗装するなら塗料選びに気をつけよう

アルミサッシのDIY塗装を成功させるためには、塗料選びが非常に重要です。アルミや金属に適した塗料を選びましょう。DIYをする際は、下準備を必ずし塗料が密着するように進めてください。

欠陥がある場合は、業者に相談し無理にDIYをしないようにしましょう。紹介したポイントを抑え、アルミサッシを自分の好みの色にしDIYを楽しんでください。

アルミサッシの塗装を検討されている方は、ぜひペイプロをご利用ください。ペイプロは、外壁塗装の専門業者を比較・紹介してくれる無料のマッチングサービスです。

厳選された優良な外壁塗装業者を紹介しているため、アルミサッシ塗装に対応している業者も揃っています。ご相談は無料で行っておりますので、お気軽にお問い合わせください!

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