トタン屋根はサビが発生しやすく、塗料の選び方を間違えると、数年で塗膜が剥がれてしまうこともあります。耐久性やメンテナンス頻度は、塗料によって大きく変わるため注意が必要です。
この記事では、シリコン・フッ素・無機などの塗料の特徴をわかりやすくまとめました。「どれを選べばいいのか分からない」という方に向けて、人気メーカーのおすすめ塗料や選び方のポイントも紹介しています。
トタン屋根塗装で後悔しないための知識を得て、大切な住まいを守りましょう。
トタン屋根におすすめの塗料

トタン屋根の塗料にはさまざまな種類があるため、どれを選べばよいか迷う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、トタン屋根におすすめの塗料を3つ紹介します。
- シリコン塗料|コスパと性能のバランス◎
- フッ素塗料|耐久性重視の方におすすめ
- 無機塗料|最高クラスの耐候性
シリコン塗料|コスパと性能のバランス◎
シリコン塗料は、価格と性能のバランスに優れた、人気の塗料です。
1㎡あたり2,200〜2,800円程度(塗料代+施工費込み)が相場で、比較的リーズナブルに塗装できます。
防水性と耐候性(紫外線・雨による劣化防止)に優れており、屋根の美観を長期間保てるのが特徴です。また、シリコン樹脂特有の耐熱性により、塗膜の変形や劣化が起こりにくいため、屋根材を保護する効果も期待できます。
※ただし、遮熱機能(室内温度を下げる効果)は、遮熱機能をもつシリコン塗料でないと得られません。
シリコン塗料は製品ごとに品質の差があります。エスケー化研や日本ペイントなど、信頼できるメーカー品を選ぶことが重要です。
「費用を抑えつつ、耐久性も確保したい」「初めての塗装で、失敗したくない」そんな方におすすめできる、バランス型の塗料といえるでしょう。
フッ素塗料|耐久性重視の方におすすめ
フッ素塗料は、屋根をできるだけ長く美しく保ちたい方におすすめの塗料です。紫外線や酸性雨に強く、過酷な環境でも劣化しにくいことから、高い耐久性が最大の特長です。
一般的なシリコン塗料の耐用年数が10〜15年程度なのに対し、フッ素塗料は15〜20年程度と約1.5〜2倍長持ちします。そのため、塗り替えの頻度を減らしたい方に最適です。
また、塗膜表面に親水性があり、雨水によって汚れが自然に洗い流されやすい「セルフクリーニング効果」も期待できます。これにより、お手入れの手間が少なく、美しさを長期間キープできます。
費用は1㎡あたり3,500〜4,500円程度(塗料+施工費込み)が目安です。シリコン塗料に比べると初期費用は高めですが、長期的なメンテナンスコストを抑えられるメリットがあります。
「頻繁な塗り替えは避けたい」「手間をかけずに屋根をきれいに保ちたい」
そんな方にこそ選んでいただきたい、高性能な塗料です。
無機塗料|最高クラスの耐候性
無機塗料は、美しい仕上がりと高い耐久性の両方を求める方におすすめの塗料です。
紫外線や雨風に強く、塗膜が劣化しにくいため、20〜25年程度の耐用年数が期待できます。そのため、塗り替えの頻度をできるだけ減らしたい方には特に向いている塗料といえるでしょう。
無機塗料の特長は、原料にガラスや鉱物などの無機成分を使用していること。これにより、以下のようなメリットがあります。
- 紫外線に強く、色あせしにくい
- カビやコケが付着しにくく、外観を清潔に保てる
- フッ素塗料よりもさらに高い耐久性
一方で、施工には専門的な技術が必要なため、無機塗料の取り扱い実績がある信頼できる業者に依頼することが大切です。
費用の目安は1㎡あたり4,000〜5,500円程度(塗料+施工費込み)と、他の塗料に比べてやや高め。ですが、長期を見据えてメンテナンス費用を抑えたい方には最適な選択といえます。
「塗り替えの手間を最小限にしたい」「見た目の美しさを長く保ちたい」という方におすすめしたい最上位グレードの塗料です。
トタン屋根の塗料おすすめ3選

トタン屋根の塗料として、具体的にどの商品を選べばよいのか気になりますよね。
そこで、実績のあるメーカーから厳選したおすすめの塗料を3つ紹介します。
- 水系ナノシリコン|水谷ペイント
- クールタイトSi|エスケー化研
- サーモアイSi|日本ペイント
水系ナノシリコン|水谷ペイント
「水系ナノシリコン」は、水谷ペイントの代表的な水性シリコン塗料です。耐久性・施工性・安全性のバランスに優れており、多くの現場で採用されています。
出荷実績は500万缶を超え、信頼性の高い製品として知られています。品質と価格のバランスが良く、費用を抑えたい方にもおすすめです。
項目 | 内容 |
特徴 | 微細なシリコン粒子が強固な塗膜を形成。 スレートや乾式洋瓦にも対応可能。 |
水性の利点 | シンナー臭がなく、周囲への臭気の影響を抑えながら施工できる |
カラーバリエーション | 標準色は29色。 オーダーによる調色も可能で、柔軟に色を選べる |
価格帯(目安) | 約2,000〜2,800円/㎡程度(※施工条件により変動) |
こんな方におすすめ | 匂いの少ない塗料を選びたい方実績と安心感を重視したい方バランスの取れた塗料を求める方 |
クールタイトSi|エスケー化研
「クールタイトSi」は、低汚染機能を備えており、汚れの付着による遮熱効果の低下を回避できるため、長期に亘って高い遮熱性を保てます。
カビやコケが付きにくく、トタン屋根でも長期間美しさをキープできます。
項目 | 内容 |
特徴 | 遮熱性+シリコン塗料の耐久性。 低汚染性塗膜で汚れにくく、遮熱効果が長続き。 |
防汚・防カビ効果 | カビやコケが発生しにくく、屋根の見た目を清潔に保てる |
対応屋根材 | スレート・トタンなどの薄型屋根材に適しており、幅広い住宅に対応 |
色展開 | カラーバリエーションは全41色。 外観に合わせた色選びが可能 |
価格帯(目安) | 約2,400〜3,000円/㎡程度(施工条件によって変動) |
こんな方におすすめ | 遮熱対策をしたい方屋根の美観も重視したい方コストを抑えたい方 |
屋根塗装で冷房効率を高めたい方や、メンテナンスの手間を減らしたい方に向いています。
サーモアイSi|日本ペイント
「サーモアイSi」は、日本ペイントが手がける遮熱性と耐久性を兼ね備えたシリコン塗料です。
屋根の温度上昇を抑えながら、しっかりとした塗膜で長く屋根を守ってくれます。
項目 | 内容 |
特徴 | 遮熱性と耐久性を兼ね備えたシリコン塗料。 下塗りとの組み合わせで高反射性能を発揮 |
色展開 | 全40色以上。 クールホワイトは反射率91.0% |
施工仕様 | 弱溶剤2液型+専用下塗り材で密着性・耐候性に優れる |
価格帯(目安) | 約2,500〜3,200円/㎡(施工内容により変動あり) |
こんな方におすすめ | 夏の暑さを軽減したい方長持ちする塗料を選びたい方品質と価格のバランスを重視する方 |
はじめて遮熱塗料を検討する方にもおすすめできる、信頼度の高い商品です。
トタン屋根の塗料の選び方

トタン屋根に使う塗料を選ぶときに知っておきたいポイントを詳しく解説します。
- 予算で選ぶ
- 耐用年数・耐久性で選ぶ
- 防サビ性能が高いものを選ぶ
予算で選ぶ
上述のとおり、トタン屋根に使われる塗料には、シリコン・フッ素・無機などの種類ごとに、価格帯が異なります。
たとえば、上述でおすすめしたシリコン塗料は手ごろな価格で扱いやすく、一定の耐久性も備えています。一方、無機塗料は価格が高めですが、その分より長く使用でき、メンテナンスの手間を省けるのが魅力です。
「数年ごとに塗り替えても問題ない」「一度塗ったら長く持たせたい」など、ご自身の考え方と予算に合わせて選びましょう。
耐久性で選ぶ
屋根は紫外線・風雨・温度変化といった過酷な環境にさらされるため、塗料の耐久性が非常に重要です。耐用年数が長い塗料を選べば、塗り替えの頻度を減らし、長期的なメンテナンスコストを抑えることができます。特に、フッ素系や無機系塗料は耐候性が高く、塗り替えの手間を最小限にしたい方におすすめです。
以下は耐用年数の目安です。塗料選びの際に参考にしてください。
塗料の種類 | 耐用年数(目安) | 特徴 |
シリコン系 | 約10〜15年 | 価格と性能のバランスが良い |
フッ素系 | 約15〜20年 | 耐久性に優れ、長期的に安心 |
無機系 | 約20〜25年 | 最高クラスの耐久性 |
防サビ性能
トタン屋根は鉄を主成分とするため、サビや腐食に弱いのが特徴です。そのため、塗料選びでは防サビ性能が欠かせません。塗装時は、下塗りに錆止め効果のある塗料(エポキシ樹脂系など)を使用し、上塗り塗料とセットで防サビ効果を高めるのが一般的です。
サビの進行を防ぐことは、屋根そのものの寿命を延ばすことにつながります。塗料選びの際は、必ず防サビ性能注目しましょう。
トタン屋根の塗装にかかる費用相場

トタン屋根の塗装費用は、塗料の種類や施工内容によって大きく変わります。トタン屋根の塗装にかかる費用相場は、以下のとおりです。
トタン屋根の塗装費用の目安(屋根面積:50〜70㎡)
項目 | 費用の目安 | 備考 |
仮設足場(メッシュシート含む) | 約120,000円 | 安全確保のため必須 |
下地調整費 | 20,000~35,000円 | サビ・汚れの除去、状態によって変動 |
下塗り | 42,000~56,000円 | 錆止め塗料などを使用 |
中塗り | 49,000~59,500円 | 使用塗料の種類で価格差あり |
上塗り | 49,000~59,500円 | 耐久性や仕上がりに影響 |
諸経費 | 30,000~50,000円 | 養生・運搬・人件費など含む |
合計(税抜) | 310,000~380,000円 | ウレタン塗料使用時の目安 |
価格が変動する主な要因
塗料の種類
使用する塗料によって価格に差が出ます。シリコン塗料は比較的安価ですが、耐久性はやや劣ります。フッ素塗料や無機塗料は高価な反面、長期間メンテナンスの必要がなく、結果的にコストを抑えられる場合もあります。
塗料ごとの単価の目安(1㎡あたり)
塗料の種類 | 単価の目安 |
アクリル系 | 1,500円〜1,800円程度 |
ウレタン系 | 2,000円〜2,500円程度 |
シリコン系 | 2,200円〜2,800円程度 |
フッ素系 | 3,500円〜4,500円程度 |
無機系 | 4,000〜5,500円程度 |
屋根の勾配(傾斜)
傾斜が急な屋根は足場の設置が難しく、安全対策に手間がかかるため、足場費用が高くなる傾向があります。
屋根の下地状態
サビや塗膜の剥がれが進んでいると、下地処理に時間とコストがかかります。高圧洗浄やケレン作業が必要なケースも多く、費用が加算される要因になります。
施工範囲の広さ・形状の複雑さ
面積が広い場合や、形が複雑な屋根は、作業に時間がかかるため、そのぶん費用も高くなります。
塗装費用が異なる背景を理解しておくことで業者との相談も進めやすくなるでしょう。
トタン屋根の塗装が必要な症状・タイミング

トタン屋根は、雨風や紫外線の影響を直接受ける場所です。そのため、定期的な塗装メンテナンスが欠かせません。
特に、以下のような症状が見られた場合は、塗装のタイミングと考えましょう。
【塗装が必要な主な症状】
- 色あせや変色が目立つ
- 表面にサビが出ている
- 手で触れると粉がつく(チョーキング現象)
- 塗膜の剥がれがみられる
これらの症状は、塗膜の劣化によって屋根材が保護されていないサインです。多くの場合、塗装や下地処理で対応できますが、放置すると腐食が進行し、塗装では対処できなくなる恐れがあります。
その場合、屋根材の交換(葺き替え)が必要になるケースもあります。大がかりな工事と費用負担につながるため、定期的なチェックが重要です。
塗料のグレードや耐久性にもよりますが、塗り替えを検討する目安は約5〜10年ごとです。
トタン屋根の塗装に関する注意点

トタン屋根の塗装を検討する際に注意すべきポイントは以下です。
- 葺き替えが必要な場合がある
- 専門業者への依頼が最適
- 丁寧な洗浄や下塗りが仕上がりに影響する
葺き替えが必要な場合がある
屋根の劣化が塗装だけでは補修できないほど進行している場合、葺き替え工事が必要になることがあります。
特に以下のような場合は塗装が難しくなります。
- 穴あきや著しいサビの進行
- 下地材(野地板)の腐食
- 塗膜だけでなく、屋根材自体が劣化している
塗装と葺き替えの費用相場は以下のとおりです。
工事内容 | 費用相場(30坪の住宅の場合) |
塗装工事 | 約35〜50万円 |
葺き替え工事 | 約90〜160万円 |
葺き替え工事は、屋根材の撤去・処分費用も含まれるため、塗装より高額になります。
状態が不安な場合は、専門業者に診断を依頼し、適切な工法を選びましょう。
専門業者への依頼が安心
トタン屋根の塗装は、高所での危険を伴う作業であり、専門的な知識と経験が求められます。
専門業者への依頼が安心な理由として、具体的には以下が挙げられます。
- 高所作業による転落リスクを避けられる
- 屋根の劣化状況を正確に診断できる
- 最適な塗料や施工方法を提案してくれる
- 下地処理や補修を適切に行える
- 保証やアフターフォローが付いている場合が多い
費用の安さだけで選ぶのではなく、実績や対応の丁寧さも比較しながら、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
丁寧な洗浄や下塗りが仕上がりに影響する
塗装の仕上がりや耐久性は、事前の下地処理の丁寧さで大きく変わります。特に、洗浄と下塗りの工程が重要です。
以下のポイントに留意しましょう。
- 高圧洗浄:汚れ・ホコリ・古い塗膜をしっかり除去し、塗料との密着性を確保する
- 下塗り(さび止め):塗料の密着性を高め、サビの発生を防ぐ
こうした基礎の作業を丁寧に行うことで、見た目も耐久性も大きく変わってきます。業者選びの際は「下地処理にどこまで時間と手間をかけてくれるか」も、重要な確認ポイントです。
トタン屋根の塗料に関する質問

トタン屋根の塗料に関するよくある質問を紹介します。
Q1. トタン屋根の塗装は何年ごとに必要?
A,.約5〜10年ごとが目安です。
トタン屋根の塗装は、おおよそ5~10年ごとが目安です。
ただし、年数だけでなく、屋根の状態を定期的にチェックすることが大切です。
次のような症状が見られたら、塗り替えを検討しましょう。
- 光沢がなくなっている
- 色あせやサビが出ている
- 手で触ると白い粉がつく(チョーキング現象)
- 塗膜が剥がれている
これらを放置すると、屋根材そのものが傷みが進行し、修繕費用が高くなるリスクがあります。
早めのメンテナンスが、屋根を長持ちさせるポイントです。
Q2. 長持ちする塗料はどれ?
A,.無機系塗料が最も長持ちします。
塗料の耐久性は、以下の順で高くなります。
塗料の種類 | 耐用年数(目安) | 特徴 |
無機系 | 約20〜25年 | 最高クラスの耐久性 |
フッ素系 | 約15〜20年 | 耐久性に優れ、長期的に安心 |
シリコン系 | 約10〜15年 | 価格と性能のバランスが良い |
初期費用は無機系が最も高めですが、塗り替え頻度が少なく、長期的にメンテナンスコストを抑えやすいというメリットがあります。
Q3. トタン屋根の塗装は外壁用塗料でも大丈夫??
A. 基本的には、屋根専用塗料を使用しましょう。
外壁用塗料でも塗装は可能ですが、耐久性や仕上がりに差が出ることが多いです。
屋根は、外壁よりも紫外線や雨風の影響を直接受けやすい場所です。そのため、塗膜に求められる性能(耐候性・防水性)が異なります。
外壁用塗料では、それぞれが持つ性質の幅が広いので、屋根の過酷な環境では劣化しやすいものの場合も多いです。屋根専用塗料を使用することで、耐久性と仕上がりの美しさを長持ちさせることができます。
トタン屋根は適切な塗料と塗装で長持ちさせよう

トタン屋根を長く安心して使うためには、塗料選びと丁寧な施工が大切です。
屋根の状態に合った塗料を使い、しっかりと手をかけることで、サビや劣化を防ぐことができます。
大切な住まいを守るためにも、信頼できる業者の協力を得ながら、無理のない計画で塗装を進めていきましょう。
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