屋根塗装の手順を完全解説！12ステップで分かる施工の流れと日数や注意点など

2025年4月8日

屋根塗装は、住まいを長持ちさせるために欠かせないメンテナンスの一つです。しかし、「どんな手順で進むの？」「工事期間は？」「DIYでもできる？」と疑問に思う方も多いはず。

本記事では、屋根塗装の施工の流れを12ステップの手順で詳しく解説し、施工期間や注意点、業者選びのポイントまで網羅します。プロの行う屋根塗装手順の知識を持つことで、施工トラブルを防ぎ、コストパフォーマンスの高い塗装を実現できます。屋根塗装の全工程を知り、最適な選択をしましょう！

屋根塗装の基本知識｜なぜ塗装が必要なのか？

屋根塗装は、家を守るために欠かせないメンテナンスですが、「なぜ必要か？」と疑問に思う方も多いでしょう。屋根は日々、紫外線や雨風の影響を受けて劣化しやすいものです。

そこで、適切な手順で屋根塗装を行うことで、寿命を延ばすことが可能です。この項では、屋根塗装の必要性やタイミング、業者に依頼する意味などを解説します。

屋根塗装の役割とは？｜劣化を防ぎ家を長持ちさせる

屋根塗装には、住宅を守る重要な役割があります。屋根は、雨や紫外線、風、雪などの自然環境に常にさらされており、時間とともに劣化していきます。適切な屋根塗装の手順を踏むことで、屋根の耐久性を向上させ、住宅全体の寿命を延ばすことが可能です。

1. 防水機能を維持する

屋根塗装の最も重要な役割は、防水機能の維持です。しかし、屋根が劣化すると塗膜が剥がれ、防水性が低下します。その結果、雨漏りのリスクが高まり、住宅内部の木材や断熱材が腐食する原因となります。防水性を確保するためには、定期的な屋根塗装と適切な手順による施工が不可欠です。

2. 紫外線や温度変化から屋根を守る

屋根塗装は年間を通じて紫外線にさらされており、特に夏場は高温になるため、塗膜が劣化しやすくなります。耐候性の高い塗料を使用し、適切な屋根塗装の手順を踏むことで、紫外線のダメージを抑え、屋根の劣化を防ぐことができます。また、断熱塗料を活用すれば、屋根の表面温度を下げ、室内の温度上昇を抑える効果も期待できます。

3. 資産価値の維持・向上

定期的な屋根塗装により、家の傷みが少ない、修繕が不要、外観の維持などの観点から資産価値を維持・あるいは向上させることができます。

4. 住宅の美観を保つ

屋根は住宅の外観に大きな影響を与える部分です。ところが、経年劣化による色あせやコケ・カビの発生は、家全体の印象を悪くします。定期的な屋根塗装により、新築時のような美しさを維持できます。

5. コスト削減につながる

屋根の劣化を放置すると、大規模な修繕や屋根の張り替えが必要になり、高額な費用が発生する可能性があります。しかし、適切な屋根塗装の手順で定期的にメンテナンスを行えば、修理の回数を減らし、結果的にコストを抑えることができます。

何年ごとに塗り替えが必要？｜屋根材別の塗装タイミング

屋根塗装のタイミングは、屋根材の種類や気候条件によって異なります。適切な屋根塗装の手順を踏み、定期的なメンテナンスを行うことで、屋根の寿命を延ばし、雨漏りや劣化を防ぐことができます。ここでは、屋根材ごとの推奨される塗装時期を詳しく解説します。

1. 屋根材別の塗装タイミング

屋根の素材ごとに塗膜の劣化スピードや、塗装の必要性が異なります。以下の表で、主な屋根材の塗装タイミングを確認しましょう。

屋根材	特徴	推奨塗装時期（目安）	適した塗料
スレート屋根（カラーベスト）	軽量で施工しやすいが防水性が低い	10～15年ごと	シリコン塗料・フッ素塗料
金属屋根（ガルバリウム鋼板）	耐久性が高いがサビ対策が必要	15～20年ごと	断熱塗料・遮熱塗料
セメント瓦	吸水しやすく塗装が不可欠	10～15年ごと	シリコン塗料・アクリル塗料
日本瓦（陶器瓦）	釉薬仕上げのため塗装不要	基本的に不要	–
トタン屋根	錆びやすく定期的なメンテナンスが必要	5～10年ごと	ウレタン塗料・シリコン塗料

2. 塗装タイミングを見極めるポイント

屋根塗装の適切なタイミングを見極めるためには、以下のポイントをチェックしましょう。

色あせ・塗膜の剥がれ
- 屋根の表面が白っぽく変色していたり、塗膜が剥がれている場合は、劣化が進行しているサインです。
コケ・カビの発生
- 特にスレート屋根やセメント瓦は吸水しやすいため、コケやカビが生えやすくなります。これが見られる場合は、塗装の必要性が高まっています。
屋根材のひび割れ
- セメント瓦やスレート屋根にひび割れが発生すると、防水機能が低下し、雨漏りの原因になります。ひび割れが目立つ場合は、下地補修とともに適切な屋根塗装の手順を踏んで施工することが重要です。
水はじきの低下
- 雨水が屋根表面で弾かれず、浸み込むようになったら、塗膜の防水効果が弱まっている証拠です。

適切なタイミングで屋根塗装の手順を実施することで、劣化を防ぎ、長く安心して住み続けることができます。

屋根塗装を業者に頼む？DIYする？｜それぞれのメリット・デメリット

屋根塗装を行う際、業者に依頼するかDIYで対応するか迷う方も多いでしょう。ここでは、屋根塗装の手順を業者に依頼する場合とDIYで行う場合の違いを比較し、最適な方法を考えます。

1. 業者に依頼する場合のメリット・デメリット

業者に屋根塗装の手順を任せることで、プロならではの高品質な仕上がりが期待できます。しかし、費用面での負担も考慮する必要があります。

項目	メリット	デメリット
施工の質	プロの技術でムラなく美しい仕上がり	信頼できる業者を選ばないと施工不良の可能性あり
作業時間	短期間で完成（約1～2週間）	業者のスケジュール次第で着工が遅れる場合あり
安全性	専門的な足場・安全対策が確保される	依頼主の立ち会いが必要な場面もある
費用	仕上がりに見合ったコストパフォーマンス	相場が100万円前後と高額になりやすい

2. DIYで屋根塗装を行う場合のメリット・デメリット

DIYで屋根塗装の手順を実施すれば、コストを抑えることができますが、技術や安全性の面でリスクがあります。

項目	メリット	デメリット
コスト	業者に依頼するより大幅に安い（約10万～30万円）	塗料や道具を揃える初期費用がかかる
施工の自由度	自分のペースで作業できる	塗装ムラや耐久性の低下が発生しやすい
危険性	高所作業のため十分な安全対策が必要	転落や怪我のリスクが高い
作業時間	自分の都合に合わせられる	天候の影響を受けやすく長期間かかることも

3. DIYが向いている人・向いていない人

DIYで屋根塗装の手順を行う場合、以下のような条件を満たす人には向いています。

DIYが向いている人

高所作業に慣れている
塗装経験がある、または練習できる環境がある
時間に余裕がある
小規模な屋根（カーポートや物置など）の塗装を考えている

DIYが向いていない人

高所作業が苦手または未経験
塗装の仕上がりにこだわりたい
住宅全体の耐久性をしっかり確保したい
事故のリスクを避けたい

どちらの方法を選ぶかは、状況やスキルに応じて慎重に判断することが大切です。

屋根塗装の手順をステップごとに解説【12工程】

屋根塗装は、適切な手順を踏むことで仕上がりの品質や耐久性が大きく変わります。というのも、施工は単純な塗装作業だけでなく、現地調査や下地補修、仕上げ点検など複数の工程を含みます。この項では屋根塗装の手順を12のステップに分け、どのような流れで作業が進むのかを詳しく解説します。

【手順 1】現地調査｜屋根の状態をチェック

屋根塗装の初期の手順で最も重要なのが、初めに行う「現地調査」です。屋根の状態を正確に把握しないと、適切な塗料選びや補修計画が立てられず、施工後の耐久性にも影響します。特に劣化が進んでいる場合、塗装だけでなく補修が必要なケースもあるため、慎重な調査が求められます。

1. 現地調査で確認するポイント

現地調査では、以下のような項目をチェックし、塗装の適切な手順を決定します。

チェック項目	確認内容	必要な対応
屋根のひび割れ・欠損	ひびや欠けがあるか	下地補修が必要
塗膜の剥がれ・色あせ	塗装が劣化しているか	適切な塗料を選定
コケ・カビの発生	湿気による劣化	高圧洗浄で除去
サビ（トタン・金属屋根）	サビの有無・範囲	研磨処理・防錆塗装
雨漏りの兆候	室内天井のシミ・雨漏り	防水処理・補修

2. 屋根材ごとの劣化チェック

屋根材によって劣化の仕方が異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。

スレート屋根：色あせ、塗膜剥がれ、コケの発生が主な劣化サイン。
金属屋根（ガルバリウム鋼板・トタン）：サビや腐食が進んでいないかを確認。
セメント瓦：ひび割れや欠損がある場合、部分補修が必要。
陶器瓦：基本的に塗装不要だが、割れやずれがないかチェック。

3. 現地調査の結果に基づく対応

現地調査で屋根の状態を正しく把握したら、次の屋根塗装の手順に進むための準備を行います。例えば、軽度の劣化なら塗装のみで対応できますが、ひび割れやサビがひどい場合は、補修を先に行う必要があります。

【手順 2】足場設置と安全対策｜屋根塗装作業の基礎を固める

屋根塗装の手順の中で、安全かつスムーズに作業を進めるために欠かせないのが「足場設置」です。高所作業が伴う屋根塗装では、職人の安全を確保し、作業効率を向上させるために、適切な足場を組むことが重要です。また、近隣への塗料の飛散防止や建物の保護のために「メッシュシート」も設置されます。

1. 足場設置の目的と重要性

屋根塗装を行う際、足場設置には以下のような目的があります。

目的	内容
安全確保	高所作業中の転落事故を防ぐ
作業効率の向上	安定した足場で塗装作業をスムーズに進める
施工品質の向上	ムラなく丁寧な塗装を実現する
近隣への配慮	塗料の飛散を防ぐメッシュシートの設置が可能

足場をしっかり組むことで、塗装の仕上がりが良くなり、作業者の安全性も向上します。

2. 足場設置の手順

足場設置は専門の業者が行い、以下の手順で進められます。

足場の材料搬入：作業場所に足場用の部材を運び込む。
足場の組み立て：屋根周囲に鉄パイプや支柱を組み、安定した足場を作る。
メッシュシート設置：塗料の飛散防止と安全確保のため、足場全体にシートを張る。
最終確認：作業者が足場を実際に登り、安全性をチェックする。

3. 足場設置にかかる時間と費用

一般的な屋根塗装の手順では、足場の設置には約1日が必要です。費用は建物の大きさや設置環境によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

項目	費用目安
足場設置費用	15万～25万円
メッシュシート設置	3万～5万円

足場の設置を適切に行うことで、屋根塗装の作業が安全かつスムーズに進み、高品質な仕上がりにつながります。

【手順 3】高圧洗浄｜汚れを落として屋根塗装の密着性を向上

屋根塗装の手順において、高圧洗浄は仕上がりの品質を大きく左右する重要な工程です。というのも、屋根の表面には長年の汚れ、コケ、カビ、ほこり、古い塗膜などが付着しており、これをしっかり除去しないと、新しい塗料の密着性が低下し、剥がれや劣化の原因となります。だからこそ、適切な水圧と洗浄技術を用いて、屋根を清潔な状態に整えることが求められます。

1. 高圧洗浄の目的

高圧洗浄を行う主な目的は以下の通りです。

目的	説明
塗料の密着性向上	汚れやコケを除去し、塗料がしっかりと密着する下地を作る
塗膜剥がれの防止	古い塗膜や粉化した塗料を取り除き、新しい塗膜の耐久性を向上させる
屋根の劣化箇所を可視化	ひび割れや破損部分を明確にし、適切な補修計画を立てやすくする

2. 高圧洗浄の手順

高圧洗浄は専用の機械を使用し、以下の流れで行われます。

洗浄前の準備
- 周囲の養生を行い、飛び散った水や汚れが建物や近隣に影響しないようにする。
- 電気設備（屋外コンセント・エアコン室外機）を保護する。
洗浄作業
- 水圧調整（通常は10～15MPa）を行い、屋根材を傷めないよう適切な圧力を設定。
- 屋根の上部から下部へと順番に洗浄し、汚れが均一に流れるようにする。
- コケやカビが特に多い部分は、重点的に洗浄。
乾燥
- 洗浄後、屋根材の種類や天候によるが、最低1日～2日程度の乾燥時間を確保する。
- 十分に乾燥していないと塗料が浮きやすくなり、施工不良の原因となる。

3. 高圧洗浄にかかる時間と費用

高圧洗浄の所要時間と費用は、屋根の大きさや汚れの程度によって異なります。

項目	所要時間	費用の目安
小規模な屋根（30㎡）	約2～3時間	2万～3万円
中規模な屋根（60㎡）	約4～5時間	3万～5万円
大規模な屋根（100㎡以上）	約1日	5万～8万円

高圧洗浄を適切に行うことで、塗料の密着性が向上し、長持ちする屋根塗装が実現できます。

【手順 4】下地補修｜ひび割れ・サビの処理が屋根塗装の仕上がりを左右する

屋根塗装の手順において、下地補修は仕上がりの品質を大きく左右する重要な工程です。屋根の表面にひび割れやサビが残ったまま塗装をすると、塗料がうまく密着せず、短期間で剥がれや劣化が発生する原因となります。そのため、塗装の前にしっかりと補修を行い、耐久性を高めることが重要です。

1. 下地補修の目的

下地補修の主な目的は以下の通りです。

目的	説明
塗料の密着性向上	ひび割れやサビを修復し、塗料がしっかり密着する下地を作る
耐久性の確保	屋根のダメージを補修し、長期間持続する塗膜を形成する
雨漏りの防止	ひび割れや隙間を埋めることで、雨水の浸入を防ぐ
仕上がりの美観向上	塗装後の表面を滑らかにし、ムラのない綺麗な仕上がりを実現

2. 下地補修の手順

下地補修は、屋根の種類やダメージの程度によって方法が異なりますが、基本的には以下の流れで進められます。

ひび割れ補修
- 屋根材のひび割れ部分にシーリング材を充填し、耐久性を向上させる。
- 大きなひび割れの場合は、補修パテや補強材を使用して補修する。
サビ取り（トタン・金属屋根）
- サビが発生している部分をワイヤーブラシや電動サンダーで研磨し、表面を滑らかにする。
- 防錆プライマーを塗布し、再発を防ぐ。
劣化したコーキングの打ち替え
- 瓦屋根やスレート屋根の接合部分に使われているコーキング（シーリング材）が劣化している場合、新しいものに打ち替える。
浮いた釘・ビスの締め直し
- 金属屋根やスレート屋根では、釘やビスが浮いていることがあり、それをしっかりと締め直すことで安定性を向上させる。

3. 下地補修にかかる時間と費用

下地補修の作業時間と費用は、屋根の劣化状況によって異なります。

項目	所要時間	費用の目安
軽度のひび割れ補修	2～3時間	2万～4万円
大規模なひび割れ補修	1日	5万～10万円
サビ取り・防錆処理	半日～1日	3万～7万円
コーキング打ち替え	半日～1日	3万～6万円

適切な下地補修を行うことで、屋根塗装の耐久性と美観が向上し、長期間にわたって塗膜を維持することができます。

【手順 5】養生作業｜塗料が飛び散らないようにする対策

屋根塗装の手順において、養生作業は塗料の飛散を防ぎ、周囲の環境を守るために欠かせない工程です。養生が不十分だと、外壁や窓、植木、近隣住宅に塗料が付着し、トラブルの原因になります。そのため、きれいな仕上がりを確保するためにも、適切な方法で養生を行うことが重要です。

1. 養生作業の目的

養生作業には、以下のような役割があります。

目的	内容
塗料の飛散防止	塗装中に発生する霧状の塗料（オーバースプレー）を防ぐ
仕上がりの品質向上	塗装しない部分をしっかり保護し、塗料のはみ出しを防ぐ
近隣住宅や車への影響軽減	風による塗料の飛散を防ぎ、周囲への迷惑を最小限にする
安全対策	養生シートを活用し、作業者の安全を確保する

2. 養生作業の手順

養生作業は、以下の手順で行われます。

塗装しない部分の養生
- 外壁や窓、雨どい、エアコン室外機など塗装が不要な部分をビニールシートや養生テープで覆う。
- 窓は通気性を確保しながら養生し、室内が蒸れないように調整。
地面や周囲の養生
- 建物の周囲にブルーシートを敷き、落ちた塗料やゴミが地面に付着するのを防ぐ。
- 近隣の住宅や車に塗料が飛ばないように、必要に応じて保護ネットを設置。
足場のメッシュシート設置
- 足場の外側にメッシュシートを張り、塗料の飛散を防ぐ。
- メッシュシートは風を通しながら塗料の飛散を防ぎ、屋根塗装には必須。

3. 養生作業にかかる時間と費用

養生作業は屋根塗装の仕上がりを大きく左右するため、慎重に行う必要があります。

項目	所要時間	費用の目安
養生作業全体	半日～1日	3万～7万円
窓や外壁の養生	約2～3時間	1万～3万円
メッシュシート設置	1日	2万～5万円

【手順 6】下塗り（プライマー塗布）｜塗料の密着力を高める重要工程

屋根塗装の手順の中で、下塗り（プライマー塗布）は塗装の密着力を向上させる重要な工程です。
プライマーは塗料と屋根材の間に接着剤のような役割を果たし、塗膜の剥がれを防ぎます。このように、適切な下塗りを行うことで、中塗り・上塗りの仕上がりが大きく左右され、塗装の耐久性も格段に向上します。

1. 下塗り（プライマー塗布）の目的

下塗りには以下のような役割があります。

目的	内容
塗料の密着性向上	屋根材と塗料の接着を強化し、剥がれを防ぐ
下地の保護	劣化した屋根材を補強し、塗料の吸い込みを抑える
仕上がりの均一化	表面の凹凸を整え、中塗り・上塗りを均一に仕上げる
耐久性の向上	塗膜の寿命を延ばし、長期間にわたり劣化を防ぐ

2. 下塗りの手順

下塗り作業は、塗装の品質を左右するため慎重に行われます。

プライマーの選定
- 屋根材に適したプライマーを選ぶ（例：スレート屋根はシーラー、金属屋根には防錆プライマー）
- 吸水性が高い屋根材には浸透性シーラーを使用。
塗布作業
- ローラーやスプレーガンを使用し、均一に塗布する。
- 塗りムラが出ないように、隅々までしっかり塗装。
- プライマーが乾燥するまでの時間を確保。（通常2～6時間）
乾燥確認
- 乾燥が不十分な状態で次の工程に進むと、塗料の剥がれやムラの原因に。十分な乾燥時間を取る。

3. 屋根材別の適切なプライマー選び

屋根材の種類によって、適した下塗り材が異なります。

屋根材	推奨下塗り材	特徴
スレート屋根	シーラー	塗料の吸い込みを抑える
金属屋根（トタン・ガルバリウム）	防錆プライマー	サビを防ぎ、密着性を向上
セメント瓦	浸透性シーラー	ひび割れを防ぎ、強度を補強
モニエル瓦	専用プライマー	特殊な表面のため専用の下塗りが必要

4. 下塗りにかかる時間と費用

下塗り作業に必要な時間と費用の目安は以下の通りです。

項目	所要時間	費用の目安
下塗り全体	半日～1日	5万～10万円
屋根材に応じた追加処理	1～2時間	2万～4万円

下塗りを適切に行うことで、塗装の仕上がりや耐久性が大きく向上します。

【手順 7】中塗り｜色を均一にするための重要な塗装作業

屋根塗装の手順の中で、中塗りは塗装の耐久性と美観を左右する重要な工程です。下塗りで密着力を高めた屋根の表面に塗料を均一に塗布し、色ムラを防ぎながら耐候性を強化します。さらに、中塗りを適切に行うことで、上塗りの仕上がりも向上し、長持ちする屋根塗装が可能になります。

1. 中塗りの目的

中塗りは単なる色付けではなく、屋根塗装の仕上がりや耐久性を高めるために不可欠な工程です。

目的	内容
塗膜の厚みを確保	塗料の層を厚くし、紫外線や雨風から屋根を保護
色ムラを防ぐ	均一に塗ることで、仕上がりの美観を向上
下塗りの補強	下塗りと上塗りの接着を助け、剥がれを防止
耐久性を向上	塗膜の劣化を遅らせ、長持ちする屋根を実現

2. 中塗りの手順

中塗り作業は、塗料の種類や天候に注意しながら慎重に行われます。

塗料の準備
- 屋根材や環境に適した塗料を選定。（例：シリコン塗料・フッ素塗料）
- 塗料の粘度を調整し、均一に塗りやすくする。
ローラー・スプレーによる塗布
- 均一な厚みを意識しながらローラーやスプレーで塗装。
- 端部や細かい部分はハケを使い、ムラができないように仕上げる。
- 屋根材に適した方向（縦・横）で塗布し、塗料が均等に馴染むようにする。
乾燥時間の確保
- 塗料の種類や気候によって異なるが、通常4～8時間程度乾燥させる。
- 乾燥が不十分なまま上塗りを行うと、塗膜の密着不良や剥がれの原因になる。

3. 屋根材別の適切な中塗り塗料

屋根材ごとに適した塗料を選ぶことで、より高品質な仕上がりが期待できます。

屋根材	推奨塗料	特徴
スレート屋根	シリコン塗料	耐久性が高くコストバランスが良い
金属屋根（トタン・ガルバリウム）	フッ素塗料	防錆性能があり、耐久性が抜群
セメント瓦	アクリル塗料	コストを抑えつつ塗膜を形成
モニエル瓦	専用塗料	特殊な表面に適した密着性の高い塗料

4. 中塗りにかかる時間と費用

中塗り作業の所要時間と費用の目安は以下の通りです。

項目	所要時間	費用の目安
中塗り全体	1日	8万～15万円
塗料代	–	3万～7万円
乾燥時間	4～8時間	–

中塗りは仕上げ塗装（上塗り）の基礎となるため、ムラなく丁寧に塗装することが求められます。

【手順 8】上塗り｜美観と耐久性を決める屋根塗装の仕上げ塗装

屋根塗装の手順の中で、上塗りは美観と耐久性を左右する最終仕上げの重要な工程です。中塗りで整えた塗膜の上から、仕上げ塗料を重ねることで、屋根の防水性・耐候性を向上させ、色ムラのない美しい仕上がりを実現します。つまり、上塗りを丁寧に行うことで、屋根塗装の耐久年数が大きく変わります。

1. 上塗りの目的

上塗りには、以下のような役割があります。

目的	内容
美観の向上	色ムラをなくし、均一で綺麗な仕上がりにする
耐久性の強化	雨・紫外線・風などの外的要因から屋根を守る
防水性能の確保	屋根材のひび割れや劣化を防ぎ、雨漏りを予防
塗膜の強化	塗装の厚みを確保し、長期間剥がれにくくする

2. 上塗りの手順

上塗りは塗膜を均一に仕上げるため、慎重に進める必要があります。

塗料の準備
- 中塗りと同じ塗料を使用し、粘度を調整。
- 施工環境（気温・湿度）に応じて塗料の乾燥時間を確認。
塗布作業
- ローラーやスプレーガンで均一に塗装し、ムラや塗り残しが出ないよう注意。
- 端や細部はハケを使い、隅々までしっかり仕上げる。
- 乾燥時間を守りながら、必要に応じて2回塗りを行う。
乾燥と仕上げ
- 屋根塗装の手順として、上塗りの乾燥時間は4～8時間が目安。
- 乾燥不十分のまま次の作業をすると、塗膜が傷ついたり剥がれやすくなるため、しっかり時間を確保。

3. 上塗りに適した塗料の選び方

上塗りには、屋根材に適した塗料を使用することで、耐久性を向上させることができます。

屋根材	推奨塗料	特徴
スレート屋根	シリコン塗料	コストバランスが良く、耐久性も高い
金属屋根（トタン・ガルバリウム）	フッ素塗料	防錆性能があり、長持ちする
セメント瓦	アクリル塗料	コストを抑えつつ、発色が良い
モニエル瓦	専用塗料	表面の特殊加工に対応した塗料が必要

4. 上塗りにかかる時間と費用

上塗り作業の所要時間と費用の目安は以下の通りです。

項目	所要時間	費用の目安
上塗り全体	1日	8万～15万円
塗料代	–	3万～7万円
乾燥時間	4～8時間	–

上塗りは、屋根塗装の仕上がりを決定づける最も重要な工程の一つであり、ムラなく丁寧に行うことで長期間美しい屋根を保つことができます。

【手順 9】仕上げ点検｜屋根塗装のムラ・塗り残しのチェック方法

屋根塗装の手順の中で、仕上げ点検は塗装の品質を確保するための重要な工程です。塗料のムラや塗り残しがあると、耐久性が低下し短期間で劣化する原因になります。よって、仕上げ点検を徹底することで、施工の仕上がりを最適な状態に保ち、長期間美観と防水性を維持できます。

1. 仕上げ点検の目的

仕上げ点検は、塗装の完成度を確認し、問題があれば修正するために行います。

目的	内容
塗りムラの確認	塗料が均一に塗られているかをチェック
塗り残しの発見	屋根の隅や細部に塗り残しがないか確認
塗膜の厚み測定	耐久性を確保するために適切な塗膜厚があるか確認
密着性の確認	塗料が屋根材にしっかり密着しているかチェック

2. 仕上げ点検の手順

塗装後の仕上がりを細かく確認し、必要な修正を行います。

目視確認
- 日光の当たる角度を変えて、塗りムラや光沢の違いをチェック。
- 特に屋根の端や凹凸部分、接合部は塗り残しが発生しやすいため、念入りに確認。
塗膜の厚み測定
- 塗膜の厚みが適切か、膜厚計を使って測定。
- 薄すぎる場合は追加塗装を行い、耐久性を確保。
密着性テスト
- 塗料がしっかり密着しているか、テープテストや軽くこすって剥がれないかを確認。
- 剥がれやすい部分があれば、再塗装を実施。
補修作業
- ムラや塗り残しがあれば、適切な方法で修正。
- 屋根全体を再チェックし、問題がないか最終確認。

3. 仕上げ点検にかかる時間と費用

仕上げ点検の所要時間と費用の目安は以下の通りです。

項目	所要時間	費用の目安
目視確認	約1～2時間	無料（施工費用に含まれる）
塗膜測定	約1時間	1万～3万円
補修作業	1日	3万～8万円

仕上げ点検をしっかり行うことで、屋根塗装の仕上がりが長持ちし、美観と耐久性を両立できます。

【手順 10】足場解体と清掃｜最後まで気を抜かない屋根塗装施工のポイント

屋根塗装の手順の最終段階に近づき、塗装作業が完了した後は、足場の解体と清掃を行います。足場を撤去することで、施工が完了し、住宅の全体像がはっきりと見えるようになります。また、施工中に発生した塗料の飛散やゴミを適切に処理することで、綺麗な仕上がりを確保し、近隣への配慮も行います。

1. 足場解体の目的と重要性

足場解体は、作業の最後に行うため、慎重な作業が求められます。

目的	内容
安全確保	高所作業を終えた後でも、転落や破損を防ぐために慎重に作業を進める
建物へのダメージ防止	足場を解体する際に外壁や屋根を傷つけないよう、慎重に撤去
施工後の仕上がり確認	足場がなくなることで、全体の塗装の状態を最終確認できる
近隣への配慮	騒音や粉塵の発生を最小限にし、周囲への影響を軽減

2. 足場解体の手順

足場解体は、段階的に慎重に進められます。

上部から順番に解体
- 高所部分から順に解体し、屋根や外壁を傷つけないよう慎重に作業を行う。
- 足場を崩す際の振動が建物に影響しないよう、ゆっくりと進める。
足場の撤去と運搬
- 使用した鉄パイプやメッシュシートを分解し、安全に地上へ降ろす。
- 建物周辺の邪魔にならない場所に一時的に保管し、後で運搬・処分。
清掃と仕上げ
- 屋根や外壁に付着した塗料の飛び散りをチェックし、必要なら補修。
- 建物周囲に落ちたゴミや塗料のカスを掃除し、綺麗な状態に戻す。

3. 清掃作業のポイント

足場を撤去した後は、施工後の清掃が重要になります。

清掃項目	作業内容
塗料の飛散チェック	窓や外壁に塗料が付着していないか確認し、必要なら除去
周辺の清掃	足場解体時に出た金属くずやビニールシートの残りを片付ける
庭・駐車場の確認	塗料の飛び散りやゴミが残っていないかチェック

4. 足場解体と清掃にかかる時間と費用

作業にかかる時間と費用の目安は以下の通りです。

項目	所要時間	費用の目安
足場解体	1日	10万～20万円
清掃作業	半日～1日	2万～5万円

適切な足場解体と清掃を行うことで、安全性を確保し、施工後の美観を維持できます。

【手順 11】完了確認と引き渡し｜屋根塗装の仕上がりを業者とチェック

屋根塗装の手順の最終段階に近づくと、塗装の仕上がりを確認する完了検査が行われます。この検査では、施主（依頼主）と業者が一緒に仕上がりをチェックし、不備があれば補修を依頼することが重要です。この工程を適切に実施することで、施工後のトラブルを未然に防ぎ、満足のいく塗装仕上げを実現できます。

1. 完了確認のチェック

屋根塗装の完了確認では、塗装の仕上がりや施工の品質を細かくチェックします。工程中・完了検査を含めた細かいチェック項目と内容については後述でまとめます。

2. 完了確認の手順

完了確認は、業者と依頼主が一緒に屋根の状態を確認し、不備があれば補修を依頼します。

目視による塗装チェック
- 屋根全体を点検し、色ムラや塗り残しがないか確認。
- 屋根の傾斜や影になりやすい部分を重点的にチェック。
塗膜の厚み測定
- 適正な塗膜厚（一般的には100～200μm）が確保されているか確認。
- 専用の膜厚計を使って測定することが推奨される。
施工不良の確認
- 塗膜が剥がれている箇所がないかチェック。
- 水が溜まりやすい部分に問題がないかも確認。
最終補修
- 塗りムラや剥がれが見つかった場合、業者に補修を依頼。
- 施工保証の内容を確認し、万が一のトラブル時の対応もチェック。

3. 屋根塗装の引き渡し

完了確認が終わり、不備がなければ正式に引き渡しが行われます。

項目	内容
保証書の受け取り	塗装の施工保証がある場合、書類を受け取る
施工写真の確認	ビフォーアフターの写真を業者からもらい、仕上がりを再確認
塗料の種類とメンテナンス方法の説明	使用した塗料の特徴や、今後のメンテナンス方法について業者から説明を受ける

4. 完了確認と引き渡しにかかる時間と費用

完了確認と引き渡しにかかる時間の目安は以下の通りです。

項目	所要時間	費用の目安
完了確認	約1～2時間	無料（施工費用に含まれる）
必要な補修作業	半日～1日	3万～8万円（保証範囲内なら無料）
施工保証書発行	即日	無料（業者による）

適切な完了確認を行うことで、屋根塗装の品質を確保し、施工後のトラブルを防ぐことができます。

【手順12】アフターケア｜屋根塗装を長持ちさせるメンテナンス方法

屋根塗装の手順が完了した後も、適切なアフターケアを行うことで塗装の耐久性を維持し、家の寿命を延ばすことができます。屋根は常に紫外線や風雨にさらされているため、定期的な点検やメンテナンスが必要です。以下では、屋根塗装のアフターケアのポイントと具体的な方法について解説します。

1. アフターケアの重要性

適切なメンテナンスを行うことで、以下のようなメリットがあります。

メリット	内容
耐用年数の延長	屋根塗装の寿命を延ばし、次回の塗装時期を遅らせる
雨漏りの防止	ひび割れや塗膜の劣化を早期発見し、補修することで雨漏りを防ぐ
美観の維持	塗装の色あせやコケの発生を抑え、屋根の美しさを保つ
修理コストの削減	小さなトラブルを早期対応することで、大規模な修理を防ぐ

2. 屋根塗装後のメンテナンス方法

定期的な点検や清掃を行い、屋根塗装の状態を維持しましょう。

定期点検
- 1年ごとに点検を実施し、屋根の劣化や塗膜の剥がれを確認。
- 台風や大雨の後は特に注意し、屋根の破損や雨漏りの兆候をチェック。
汚れやコケ・カビの除去
- 屋根にコケやカビが発生した場合は、柔らかいブラシや中性洗剤を使って除去。
- 高圧洗浄機の使用は、塗膜を傷める可能性があるため慎重に行う。
ひび割れや剥がれのチェック
- 小さなひび割れや剥がれは早めに補修し、塗装の劣化を防ぐ。
- 塗装の剥がれが広範囲に及ぶ場合は、部分塗装を検討。
雨樋や排水口の清掃
- 落ち葉やゴミが詰まると、雨水が正常に流れず、屋根や外壁に悪影響を与えるため定期的に清掃。

3. メンテナンスの頻度と目安

適切なメンテナンスの頻度を守ることで、屋根塗装の寿命を延ばすことができます。

メンテナンス内容	頻度
屋根の目視点検	1年に1回
コケ・カビの除去	2～3年に1回
ひび割れや剥がれのチェック	3～5年に1回
専門業者による点検	5年に1回

4. 保証期間とアフターサポートの確認

施工業者によっては屋根塗装の保証を提供しているため、施工後は以下の点を確認しておくと安心です。

項目	確認内容
保証内容	施工保証・塗膜保証の有無
保証期間	5年～10年の範囲が一般的
対応範囲	塗装の剥がれや色あせが対象かどうか

適切なアフターケアを行うことで、屋根塗装を長持ちさせ、家の耐久性を維持することが可能です。もし気になる点を発見したら施工業者に相談し、確認してもらいましょう。

各工程にかかる日数は？

屋根塗装の手順は複数の工程に分かれ、それぞれの作業に必要な日数が異なります。施工期間は屋根の広さや状態、使用する塗料の種類、さらには天候によっても変動しますが、事前になるべくスケジュールを把握しておくことも大切です。

1. 各工程ごとの所要日数

工程	作業内容	所要日数
現地調査	屋根の劣化状態や塗装が必要な範囲を確認	1日
足場設置	作業の安全性を確保するための足場を組む	1日
高圧洗浄	屋根の汚れやコケを落とし、塗料の密着性を向上	1日
下地補修	ひび割れやサビの補修を行い、塗装の下準備	1～2日
養生作業	塗料の飛散を防ぐために周囲を保護	1日
下塗り（プライマー塗布）	塗料の密着力を高める下地塗りを施工	1日
中塗り	均一な色合いにするための中間塗装	1日
上塗り	仕上げの塗装を行い、美観と耐久性を向上	1日
仕上げ点検	ムラや塗り残しがないか最終確認	半日～1日
足場解体・清掃	足場を撤去し、周囲を清掃	1日
完了確認・引き渡し	施主と業者が最終確認を行い、施工完了	半日

2. 屋根塗装の合計施工日数

一般的な住宅の屋根塗装の施工日数は、7日～10日程度が目安です。ただし、雨天が続くと塗装作業が進められないため、予備日を考慮して余裕のあるスケジュールを立てることが大切です。

失敗しないための屋根塗装の注意点

屋根塗装の手順を適切に進めることで、耐久性の高い仕上がりを実現できますが、施工ミスや手抜き工事によるトラブルも少なくありません。

施工後に後悔しないためには、業者選び・塗料の選定・施工管理・アフターケアなど、事前に注意すべきポイントを押さえておくことが大切です。

手抜き工事を防ぐ！施工中のチェックリスト

屋根塗装の手順を正しく進めることで、耐久性の高い仕上がりを実現できます。しかし、手抜き工事が行われると、塗膜の剥がれや早期劣化が発生し、再塗装が必要になることもあります。施工中にしっかりとポイントを確認し、業者とともに品質を管理することが大切です。

1. 施工中に確認すべきチェックポイント

工程	チェックポイント
現地調査	屋根の劣化状況や補修が必要な部分を詳しく説明してくれるか
足場設置	作業の安全対策が適切に行われているか、固定がしっかりされているか
高圧洗浄	既存の汚れ・コケ・カビが十分に除去されているか
下地補修	ひび割れやサビが適切に処理され、補修材がしっかり乾燥されているか
養生作業	窓・壁・庭・車などに塗料が飛ばないよう十分な養生がされているか
下塗り（プライマー塗布）	均一に塗布され、塗膜の密着性が向上しているか
中塗り・上塗り	2回塗りまたは3回塗りが確実に行われているか
塗膜の厚み	塗料の厚みが適切に確保されているか（膜厚計で確認可能）
仕上げ点検	塗りムラ・気泡・剥がれ・塗り残しがないかを確認
足場解体と清掃	塗料の飛び散りやゴミが適切に処理されているか

2. 手抜き工事のよくある例と対策

手抜き工事を防ぐために、以下の点に注意しましょう。

手抜き工事の例	対策
高圧洗浄が不十分	洗浄後の屋根を確認し、汚れが残っていないかチェック
下塗りの省略	下塗りがしっかり行われたか業者に確認（写真撮影を依頼）
塗装回数が不足	中塗り・上塗りの工程を確認し、仕上がりにムラがないかチェック
塗膜が薄すぎる	塗膜の厚みを測定し、基準に達しているか確認
仕上げ点検の省略	施工完了後に業者と一緒に最終チェックを行う

屋根塗装の手抜き工事を防ぐには、施工の各工程で確認を行い、業者とコミュニケーションを取りながら進めることが重要です。

施工不良を見つける【完了検査・施工後のチェック】

屋根塗装の手順がすべて完了した後、最も重要なのが施工不良のチェックです。というのも、塗装が適切に施されていないと、塗膜の剥がれやひび割れが早期に発生し、屋根の防水性能が低下する可能性があります。そのため、業者に引き渡しを受ける前に、自分で施工の仕上がりを確認し、不具合がないかをチェックすることが大切です。

1. 完了検査時の主なチェックポイント

チェック項目	確認すべき内容
塗りムラ・色ムラ	均一に塗装されているか、色の濃淡がないか
塗膜の厚み	塗料が適正な厚み（100～200μm）で塗られているか
塗り残し	屋根の端や雨樋の付近に塗り忘れがないか
剥がれ・浮き	塗膜が剥がれたり、浮いたりしていないか
ひび割れ	施工前に補修した部分がきちんと塗装されているか
塗料の飛散	壁や窓、庭に塗料が飛び散っていないか
排水口の詰まり	塗料やゴミが雨樋や排水口を塞いでいないか

2. 施工後の不良を見つける方法

目視確認
- 日の光を利用し、角度を変えながら屋根全体をチェック。
- 塗装にムラや塗り残しがないかを確認。
塗膜の厚み測定
- 業者が持っている「膜厚計」を使い、塗膜の厚みを測定。
- 基準値以下の場合は、追加塗装を依頼する。
手触りチェック
- 施工後の塗膜が乾燥した後、軽く触れて剥がれやベタつきがないかを確認。
- 粉っぽい場合は、施工不良の可能性あり。
雨水の流れを確認
- ホースなどで水を流し、排水が正常に機能するか確認。
- 雨樋の詰まりがないかチェック。

3. 施工不良が見つかった場合の対処法

施工不良が確認された場合、保証期間内であれば業者に無償補修を依頼できます。以下の内容を確認し、必要に応じて補修を要求しましょう。

施工不良の種類	対応策
塗りムラ・色ムラ	業者に追加塗装を依頼
塗膜の剥がれ	剥がれた部分の再塗装を要請
ひび割れの再発	ひび割れ補修のやり直しを依頼
塗料の飛散	周囲の清掃を業者に依頼

屋根塗装の仕上がりは、家の耐久性に大きく影響するため、施工完了後のチェックを徹底し、万が一不具合があれば早めに対処しましょう。

施工中に必要なこととは？

屋根塗装の手順を進める際、施工そのものだけでなく、近隣への配慮・家族の健康・生活の不便を最小限に抑える対策が重要です。工事中は塗料の臭いや騒音、作業員の出入りなど、日常生活に影響を及ぼす要素が多いため、事前の準備と適切な対応が求められます。ここでは、施工中に必要なポイントについて解説します。

1. 近隣への配慮

屋根塗装の施工中は、高圧洗浄の水しぶきや塗料の飛散、騒音などが発生するため、近隣住民への配慮が不可欠です。

配慮すべき点	対策
工事の事前挨拶	工事開始の1週間前までに近隣へ挨拶し、施工期間を伝える
塗料の飛散対策	足場にメッシュシートを設置し、周囲への影響を最小限にする
作業時間の調整	早朝や夜間の作業を避け、騒音が発生する時間帯を配慮する
車両の駐車位置	業者の作業車が近隣の通行を妨げないよう事前に確認

2. 家族の健康管理

塗料の臭いやホコリが発生するため、家族の健康に影響を及ぼさないよう注意が必要です。

健康への影響	対策
塗料の臭い	施工中は窓を閉め、換気方法を業者と相談する
アレルギー対策	揮発性有機化合物（VOC）を含まない低臭塗料を選ぶ
小さな子どもやペット	塗装中は安全な場所へ避難させる

3. 生活の不便を最小限にするための対策

屋根塗装中は足場の設置や塗料の乾燥時間が必要なため、一部の生活環境に制約が生じます。

不便な点	対策
洗濯物の干し場が使えない	施工期間中は室内干しまたはコインランドリーを利用
エアコンの使用制限	室外機周辺の養生作業がある場合は事前に業者と相談
ベランダや庭の使用制限	養生範囲を確認し、必要なものは事前に屋内へ移動

施工中は、業者とこまめに連絡を取りながら、家族の健康や近隣への影響を最小限に抑える工夫が必要です。

まとめ

屋根塗装の手順を理解し、適切に進めることで、住宅の耐久性を向上させ、長期的なメンテナンスコストを抑えることができます。施工工程ごとのポイントや注意点を押さえ、手抜き工事を防ぐ対策や適正な施工日数を把握することが重要です。また、DIYが可能かどうかを判断し、適切な業者選びをすることも、満足のいく仕上がりにつながります。しっかりと準備を整え、トラブルを防ぎながら理想的な屋根塗装を実現しましょう。